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二章
23.記念日にシャンパン
しおりを挟むお風呂を沸かしてる間に、冬真に何か作ってあげようとキッチンに立つ。光ちゃんに叱られた事を気にしてるのか冬真は帰って来てからずっとソファに座ったままだった。
「冬真~?チャーハンでもいい?」
「…………」
「おーい?」
「雪さん」
「んー?」
「俺と付き合えない理由ってワタルさんが関係してるんですか?」
「えっどうして!?」
「何となく思っただけです、それとワタルさんだけじゃなくて雪さんも会えて嬉しそうだったから」
「はぁ!?俺があいつと会えて嬉しそうだったぁ!?」
「違うんですか?そう見えましたけど。だから意地悪したくなったんです」
「もういっか~?教えてあげる、ワタルは俺の元彼なんだよ。俺は振られた側。だから会いたくないの」
「元彼……やっぱりそうだったんですね」
しょんぼりして元気を失くす冬真。やっぱりってそうだと思ってたのかよ。普通に友達だとは思われないのかな。
俺も冬真の隣に座って肩に頭を乗せると、コツンと頭を付けて来た。
「振られた理由は家の為に異性と婚約するからって。元々この部屋は光ちゃんが俺とワタルの為に借りてくれたんだ。でもワタルは俺よりも家を選んで出て行った。ずっと一緒にいようって約束したのに……」
「…………」
俺の頭を撫でてくれる冬真。全部本当の事を言おうと思っていた。もうワタルにも会っちゃったんだし、隠す事もないしね。
「それから俺は誰とも付き合わずに仕事だけをして生きて来たんだ。またいなくなられたらもう立ち直れなくなっちゃうから」
「俺はいなくなりません!出て行けと言われても居座りますよ!」
「光ちゃんに叱られて落ち込んでる癖に良く言うよ~。でもありがとう。冬真にそう言ってもらえて嬉しいよ。嬉しいけど、後から不安が押し寄せてくるんだ。冬真と離れて一人になったりすると、とても寂しい気持ちになるよ」
「離れません。一人になんかさせません!雪さん、俺の事信じてっ」
「冬真は本当に可愛いなぁ♪じゃあさ、付き合ってみる?」
「付き合います!お願いします!」
「言葉だけじゃないって思わせてよ。俺にまた誰かと付き合って良かったって思わせて」
「はい!必ずそう思わせます。雪さん大好きです♡」
「うん。俺も好き♡冬真~♡」
本当はずっと言いたかった好きをやっと言えて、嬉しくて俺から冬真を押し倒すように抱き付くと、ギューって抱き締められてたくさんキスをされた。キスやハグなら日常的にしていたけど、改めて付き合ってからするのとじゃ気持ちが全然違った。今は嬉しさの他に恐れもあった。
また俺の前からいなくなるんじゃないか。そんな不安が増えて怖くもあった。だけど、俺は冬真と付き合う事にした。それはワタルの事を完全に吹っ切る為でもあった。
もう二度と会う事はないけど、今日のように偶然会ってしまった場合、俺の気持ちが揺るがないように。
「雪さん、今日一緒に寝たいです♡いいですよね?」
「いいよー♡てか一緒にお風呂入ろうよ♡確か空が置いてった入浴剤があったから」
「あ、お風呂はまた今度にしません?」
「えー、どうしてー?断られると思わなかった~」
「その……雪さんとお風呂に入ったらそこで手を出してしまいそうで。約束しましたよね?付き合ったらエッチするって♡俺、ベッドでしたいです♡」
「そういう事ー?冬真の変態~。それなら別々で入ろうか。あ、ご飯用意しておくから先にお風呂行って来なよ。もう沸いてるよ」
「そうします♪チャーハン楽しみにしてます♡」
「あ、ちゃんと聞いてたんだ」
すっかり元気になった冬真をお風呂に行かせて俺は張り切ってチャーハンを作る事にした。後ちょっとしたつまみも用意しようかな?だって飲むでしょ?俺と冬真が付き合った記念に♡
俺の好きなワインも良いけど、今日はとっておきのシャンパンでも開けようか♪
俺は気分良くパーティーの準備を始めた。
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