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二章
24.好きな人の嘘
しおりを挟む冬真とシャンパンを開けてお祝いした後、自然と俺の寝室へ向かい部屋の電気を暗くしてベッドの上で絡み合う。お互いこの時を待っていたと言わんばかりに、求め合い抱きしめ合った。
もう20歳になったけど、いつまで経ってもこういう事はドキドキと緊張するものなんだな。冬真とのキスには慣れたつもりだったけど、これからする次の段階の事を考えたらソワソワしっぱなしだった。
一回冬真の顔が離れて俺を嬉しそうに見て来た。
「やっと雪さんを抱ける♡嬉しいです♡」
「恥ずかしいから言わなくていいって♡」
今の俺は顔が赤くなってると思う。お酒が入ってるってのもあるけど、冬真とのセックスはまだしっくり来なくて恥じらいもあった。
実際に俺と冬真は一度体の関係を持っている、らしい。それは俺の記憶が曖昧であの時の俺は飲み過ぎてあまり覚えていないからだ。気付いたら全裸で冬真の隣に寝ていたんだけど、言われてみれば冬真に愛を囁かれたような記憶もあった。
今はそんな時とは違って意識もハッキリしてるし、冬真に言われた事された事は理解出来ている。だからこそ冬真とこんな風に愛し合う事が恥ずかしいと思うんだろう。
そしてとうとう冬真の手が俺の服の下に入って来る。俺は少し身構えもしたけど、すぐにその優しい手に慣れて素直に感じる事が出来た。
気持ち良いなぁ。もっと冬真と触れ合いたいなぁ。
「冬真~♡脱がして~♡」
俺が甘えると、「はい♡」と言って丁寧に俺が着ていた部屋着を脱がしてくれた。そして上半身裸になった俺の胸元に吸い付いて来る冬真。俺はそんな冬真を大事に抱いて受け入れていた。
冬真との初めての時もこういう事をしたのかな。あ、あの時は自分から脱ぎ出したんだっけ。今思うと酔ってたとは言えとんでもない事をしたなぁ。
「ん、あっ♡とうまぁ♡」
「敏感ですね♡可愛い♡」
まだ胸だけだと言うのに恐ろしく感じていた。アルコールで火照った体が更に熱を持つのが分かる。
俺も冬真にしてやりたい。そう思って冬真の服の下に手を入れて、キスをしながら冬真の部屋着を脱がそうとする。が、思うように出来ずに捲るだけになってしまった。と言うか冬真が脱がされようとしてない気がするけど。
「冬真も脱いでよ♡裸で抱き合いたい♡」
「……俺は、寒がりなんでこのままじゃダメですか?」
「えー、それなら暖房付けようよ。早く言ってよ~」
「暖房は大丈夫です!雪さん、あの……」
エアコンのリモコンを取ろうとベッドから抜けようとすると、冬真に抱き抱えられて止められた。
二人にとってずっとしたかった事なのに、どうして服を脱ぐのを嫌がるんだ?そう言えば一緒にお風呂に入る事も断られてるな。それは俺の前で脱ぎたくないって事だったのか。
明らかに冬真の様子がおかしかった。
俺は不審に思って上半身を起こして問い詰めるように冬真に問い掛ける。
「冬真、どういう事だよ?」
「……ごめんなさい」
「謝るだけじゃ分からないじゃん。どうして俺の前で服を脱ぎたくないのか教えてよ」
「脱げないんです」
「はぁ?どう言う事だよ?」
「……俺、ここへ来る前に寮に住んでたって言いましたけど、それ、嘘だったんです」
「嘘?」
まさかあの冬真に嘘をつかれていたなんて。一気に酔いが覚めた気がした。
いや、まだ出会って間もないし、話してくれてる事が全部本当なんだとは思ってないよ。でもさ、俺と冬真はそんな事ないって心のどこかで思っていたんだ。実際に俺は仕事の事や家の事、ワタルの事だって、初めは隠したりしたけど嘘を言った事はない。
だからかな、申し訳なさそうに話す冬真の事が少し許せないと思ってしまった。
俺は一度冬真から離れて、詳しく聞こうと部屋の電気を点けて水を取りに行こうと思った。いつもなら冬真もついて来る所だけど、冬真はガクッと肩を落としたままベッドに座っていた。
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