38 / 76
三章
37.元彼からのメッセージ
しおりを挟む夜、俺らがそれぞれ寝床に着いたのは日付けが変わってしばらくしてからだった。冬真が一緒に寝たがったけど、今日はワタルもいるし断って別で寝る事になった。
俺は一人でベッドの中で先程までの余韻に浸っていた。
余韻って言うのは三人で飲んで騒いだ事に対してだ。ワタルは飲めないからコンビニで買って来たジュースで楽しんでたけど、結局コンビニには冬真と二人で行かせたんだ。
冬真は俺の言う事を聞いてだから渋々って感じだったけど、戻って来る頃にはワタルに対して態度こそツンツンしてたけど始め程は嫌な感じもしなかった。
そして冬真も飲み始めて三人で楽しんだ。うん。きっとあれは楽しかったんだ。
冬真がここへ来てから一人で飲む事がなくなって、それでも楽しいなと思えていたんだけど、ワタルが加わった事によって更に楽しさが増した。
なんて言うのかな、一見二人は仲が悪そうだけど、二人のやり取りを見ているとまるで兄弟喧嘩を見ているようで微笑ましく思うんだ。俺はそれを見てやれやれと思う兄。
だけど兄だから分かる。二人はとても良い子だ。二人共優しくて、思いやりのある良い子なんだ。
まぁワタルがglowで働きたいって話は保留って言うかglowの経営スタイルやタイミング的にも現実的ではないけど、二人の出会いは悪いものじゃなかったのかなとも思っていた。
俺は眠りにつこうと目を閉じようとした時、枕の横に置いておいたスマホが光った。
光ちゃんかな?寝転がったまま画面を見ると、一件のメッセージ。って、ワタルじゃん。
隣のリビングのソファに寝かせたけど、まだ寝てなかったのかと少し笑えた。
ワタルのメッセージを開いて見てみる。
『ゆっきー起きてる?』
『寝ようとしてたとこ』
特に何も考えずに返信をした。部屋に来られなかっただけ良かった。もし冬真がまだ起きてたら物音で起き出して来てまた騒ぎになりそうだからな。
『少し話さない?真面目な話』
『内容による』
寄りを戻そうとかならもう聞く気はない。俺は冬真を選ぶんだ。ワタルにもその気があるような素振りを見せたらいけないと思ってなるべくいつも通りにして返した。
『これからの僕の事。ゆっきーにも聞いてもらいたい』
『明日じゃダメ?昼前なら時間あるから』
『ダメ。話さないと眠れなさそう』
俺は考えた。どうするのが正解か。
正直もう少し起きてはいられるけど、良い感じにお酒も入って気持ちよく眠れるのは今だ。かと言って眠れなくなったワタルが勝手に俺の部屋にでも入って来たら困るし。
『10分だけだよ。今そっち行くから』
『ありがとう』
本当に少しだけだ。水を飲みに行く。そのついででリビングの戸締りを見に行くだけ。
そのつもりで俺はスマホを持って自分の部屋を出た。
0
あなたにおすすめの小説
定時後、指先が覚えている
こさ
BL
職場で長く反目し合ってきた二人。
それでも定時後の時間だけは、少しずつ重なっていく。
触れるはずのなかった指先。
逸らさなかった視線。
何も始まっていないのに、
もう偶然とは呼べなくなった距離。
静かなオフィスでゆっくりと近づいていく、
等身大の社会人BL。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
壁乳
リリーブルー
BL
ご来店ありがとうございます。ここは、壁越しに、触れ合える店。
最初は乳首から。指名を繰り返すと、徐々に、エリアが拡大していきます。
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。
じれじれラブコメディー。
4年ぶりに続きを書きました!更新していくのでよろしくお願いします。
(挿絵byリリーブルー)
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる