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四章
43.仲良しな二人と光ちゃん
しおりを挟む日付が変わって午前1時過ぎ。俺と冬真は裏で片付けをしていた。光ちゃんは残っていた客の相手をするのでカウンターにいる。
一生懸命にキッチンの床を掃除する冬真に俺は小声で話し掛ける。
「なぁ冬真、この後バイトの面接に若い男が来るらしい」
「そうなんですか?」
「そうだよ!どう考えてもいらないと思わないか?」
「うーん、まだ俺には判断出来ませんね~。やっぱり週末は忙しいなと感じます。あ、ほら、日曜日とか光児さん休むし、そう言う時にいてもらえると助かりますよね」
「冬真ってポジティブなんだな。glowが従業員の給料払えなくて潰れてもいいのか?」
「えっそんなにヤバいんですか?」
「いや、売上伸びてるし、言う程じゃないけど、あまり雇い過ぎても無駄になったら意味がないじゃんって話」
「なるほど!雪さんはお店の事を考えていて凄いです♪そう言えば俺と初めて会った時も反対してましたよね~。店にそんな余裕はないってめっちゃ怒ってましたよね」
「あれは……冬真の事を見た目で判断してたからだよ。俺、ホストとか嫌いなんだ」
「雪さんにとってホストは悪いイメージがあるんですね」
「母親が浮気して離婚したんだけど、その後も俺と弟の事をほったらかして男にばかり金を使ってたんだ。その中にはホストもいて大分貢いでたと思うよ。そのおかげで俺と弟は苦労して育ったんだ。ホストもそれが仕事だから仕方ない事だし全てのホストがそうって訳じゃないけど、やっぱり良いイメージはないかな」
「雪さんは普通の考えしてると思います。新人ってなると想像以上のお酒を飲まなくちゃいけなくなるし、もちろん生活の面でも昼夜逆転するので体にも良くないです。そもそもトークも出来て気も使えて、女性慣れしてないとかなりキツい仕事かと。俺はたまたま運が良くて世話してくれる先輩ホストがいたので頑張れましたけど、もう一度ホストに戻れって言われたら断りますもん」
「てか冬真に戻れなんて言う奴いたら俺が許さないし。冬真はもうglowの人間だからな」
「嬉しいです♪雪さん大好きです♡」
「ん、俺も好き♡」
冬真と見つめ合ってキスをしようとしてると、カウンターの方から光ちゃんが顔を出してガッツリ現場を見られてしまった。
「うわ、お前らイチャつくのは家でやってくれよ~」
「イ、イチャついてなんかないし!」
「あ、光児さんお客さん帰ったんですか?」
「おう、レジも締めた。もう少しで面接来るんだけどよ、雪お前も面接するか?」
「当たり前だろ!どんな奴でも不採用だけどな」
「そんじゃ時間まで冬真に賄い作ってやってくんね?」
「いいけど」
「わーい♪雪さんの賄い楽しみ~♪」
「あ、冬真作ってみてよ♪練習練習~♪」
「俺ですかぁ?何がいいかなぁ?」
「卵あるからオムライスとかいいんじゃない?」
「いいですね♪光児さんの分も三人分作りますね」
冬真は掃除道具を片付けて手を洗い出した。俺は手伝おうとボールなど調理器具を用意する。
俺と冬真で楽しく話してると、ずっと見ていた光ちゃんがポケーッと見てたからムスッとしてやった。
「何見てるんだよエロオヤジ」
「いや、二人共すげぇ仲良くなってんなぁって。初めはどうなるかと思ってたけど良かった良かった~♪」
「光ちゃんてば羨ましい?家では雪って呼び捨てされてるんだから♪」
「そうなのかー?」
「はい。呼び捨てして欲しいとお願いされたので」
「あと敬語も禁止なの♪進んで家事もやってくれるし、冬真と俺ちょー仲良しなんだから♪」
「ふーん、それじゃあもうあいつが入る余地もねぇな」
「あいつって?」
「あ、そろそろ来るんじゃないか?」
光ちゃんが言うそろそろ来るって言うのはバイトの面接に来る男の事だろう。
それを聞いて俺はホール側から向こう側へ行く。
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