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六章
67.不安な2号店
しおりを挟む光ちゃんの相向かいに座る良平は、俺達には大人な雰囲気を出して話しているけど、光ちゃんと話す時はとても嬉しそうにして、光ちゃんに好意を寄せていると見て分かるぐらいにイチャイチャした。
それに対して一見いつも通りに見える光ちゃんも、まんざらでもなく、良平のちょっと上に立ちつつも甘やかしているような場面も見えた。
初めは、そこは俺のポジションなのにと、訳の分からないやきもちを妬いてしまったけど、隣にいる冬真やワタルも楽しそうに話していたので、少し大人になってこの場にいる事が出来た。
何よりも光ちゃんが本当に良平の事を想っているのが分かるから。ずっと側にいたから良く分かるんだ。
光ちゃんは、良平に一方的に好かれて好かれて仕方ないと言う感じを出しつつも、良平の事を誰よりも分かっていると言うような発言をしたり、良平を見る時の、少し困ったようなあの優しい笑顔の光ちゃんだったから。
今まで俺に向けられていた光ちゃんの顔がそこにあって、これはもう認めざるを得なかった。
そして話はこれからのglowの事になり、話次第ではここにいる5人がglowで働くメンバーになるけど……
ホストを辞めたって言ってたし、良平がうちで働くって気持ちは本気なんだよな?
良平と光ちゃんがどこまで分かり合ってのかはまだ分からないけど、俺も光ちゃんも嘘は嫌いだよ?
「で、代表は今後どうお考えで?」
「代表ぅ?ああ俺の事か」
俺が良平からあーんして貰ったパンケーキを頬張る光ちゃんに「代表」と初めて呼ぶ名で問い掛けると、照れたようにガハハと笑った。
「そうだな~、大体は決めてあるんだけどよ~」
「それを教えてよ」
少し言いにくそうにテーブルに肘をついて、手で顎を支えて隣にいる俺を見る光ちゃん。
軽く大まかな事は前に聞いていたけど、何か変更があったのか?
まさか2号店は出さずに良平も今のglowで働くとかじゃないよな!?あんな小さな店にさすがに5人もいらないだろ!
うちの会社週休4日とかになるぞ!
「雪ちゃんが怒るんじゃないかって、光児が心配してるんだ」
「この間が既に苛つくよ。早く言って!」
「分かった分かった~、2号店を出す話は進んでて、これから俺と良平で店舗探しやその他諸々で長期の休みを貰おうと思ってんだ」
「なんだ、普通じゃん。どれぐらい休むの?」
「それは2号店の開業の進展具合にもよるんだけどよ」
「うん」
「二ヶ月ぐらい欲しいんです♪副店長お願いします♪」
「二ヶ月ぅ!?」
思っていたよりも長い期間に、俺は声を大きくして聞き返してしまった。
そりゃ一店舗丸々一からやるってなったら時間は必要だけど、むしろそれじゃ足りないんじゃないって思うけど、二ヶ月もの間光ちゃんはそっちに付きっきりって事ぉ!?
俺の代わりに落ち着いた様子で冬真が聞いていた。
「長いですね。光児さん、2号店の予定を教えて下さい」
「まずは店舗探しだ。それっからそこの改装作業に取り掛かる。業者は節約する為に俺の兄貴に頼むつもりで、俺も手伝う事になる。その間他の準備は良平と……雪に頼みたいんだ」
「俺かよ!!そしたら今の店はどうするんだよ?」
「もちろん雪に任せるつもりだ♪お前なら出来るだろ?」
「雪ちゃん、無理な事言ってごめんね?出来る限りでいいから俺に仕事の事を教えて欲しいんだ」
「ちょっと待ってよ。大黒柱の光ちゃんが抜けて、こっちも新人二人だし、そんな中俺がどっちも掛け持つなんて出来る気がしないよ!それならもっとゆっくり計画立てた方がいいんじゃない?」
「やっぱり雪はそう言うと思ったぜ」
「やっぱりって思ってるなら俺を納得させる気で考えろよっ」
ニシシと笑う光ちゃんは、ふざけてんのかって思うぐらい軽かった。
はぁ、こんな調子で2号店なんか出してやっていけるのかなぁ。
でも、このまま光ちゃんと良平二人だけに任せてたらとんでも無い事を起こした後に泣きついてきそうだし、俺が協力しないとだよな……
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