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六章
72.ブラコン炸裂
しおりを挟む俺と冬真がリビングに行くと、ワタルと空がスマホでデリバリーを頼もうとしていた。
「あ、ゆっきー♪空くんお寿司食べたいって」
「贅沢だな!てかいきなり来るとかどうしたんだよ?」
「置いてある服を取りに来たんだよ。土日だと兄貴いないと思って、木曜が休みだったなぁって思って」
俺と一緒に住んでいた空は、今は実家に戻り母親と二人で暮らしている。実家はワンルームのボロアパートで、かなり狭い。スペースの問題で空の私物はまだ冬真達の部屋に置いてあった。
冬真が使うんで少し片付けたけど、捨てたりせずにちゃんと取っといてある。
空の物は良い物が多いから、たまに借りてるのは空には内緒だ。
「それなら連絡くれれば合わせたのに、明日も学校だろ?」
「ううん。今春休み中~、明日貴哉とデートするんだぁ♪」
「ふーん、仲良くやってるなら良かったよ」
俺と空が話してると、冬真が俺達兄弟を交互に見ていた。
そっか、冬真は初めて会うもんな、ちゃんと紹介しとかないとだな。
「俺の弟の空。来月から高2になるんだ。で、こっちは冬真。店の新しい従業員で、俺と一緒にここで暮らしてるんだ」
「へー、glowに人入ったんだぁ、どうりで手伝えって連絡無いと思った~」
「雪と空くんて凄い似てるね」
冬真は興味津々って感じで空を見ながら言った。似てるとは良く言われるけど、兄弟なんだから似てて普通だろ?
俺は周りにも言われるけど、ブラコンだ。
弟である空の事が可愛くて仕方がない。
冬真に言われて、空の首元にギューっと抱き付き頬擦りすると、空は少し引き気味にしていた。
「だろー?俺に似てかっこいいだろー?」
「そうですかー?俺こんなにキツい顔してます?」
「あはは♪ゆっきーよりは優しい顔してるよね空くんは」
「おい!俺は厳しい顔してるって言うのか?」
「んーん♡とても綺麗で美しいよ♡」
「そ、そうか」
急に甘い笑顔でそんな事を言うもんだから、照れちゃったじゃん。空の前だから落ち着いてないといけないのに。
俺と冬真のやり取りを見て思ったのか、俺の腕を解きながら空がこんな質問をして来た。
「あのさ、兄貴はワタルさんと寄り戻したのか?」
「寄りを戻したって、何で空が俺とワタルが付き合ってたの知ってるんだ?」
咄嗟に俺はワタルを見ると、「えへへ♪」とニッコリ笑っていた。
バラしたのこいつかー!!!
ああもう、ワタルと繋がってたなんて思わなかったからこんな事になるなんて思わなかった!
俺はワタルにこれ以上空に余計な話をしないようにキツく言おうと怒りの矛先を向けようとすると、空に腕を掴まれて止められた。
「兄貴、前に俺が店に行った時、兄貴と光ちゃんが教えてくれたんだよ!ほら、俺が初めて兄貴達に男と付き合ってるって話た時~、ワタルって名前しか出て来なかったから、その時は同じ名前なだけかと思ってたけど、後から同一人物だって知ったんだよ」
「ん?ああ、あったなそんな事!え、て事は俺が自分で話したのか?」
「ゆっきー早とちり~、僕とばっちり~」
「う、うるさいっ!お前が普段からしっかりしてれば疑わなくて済んだんだ!」
「雪、とりあえず落ち着こう?空くんもいるんだし、楽しみながらご飯食べようよ♪」
冬真に宥められて俺は仕方なく怒りを押さえる事にした。
あー、空の事になるとついカッとなっちゃうなぁ。
四つ離れてて、子供の頃から空の面倒を見るのは俺しかいなかったから、今でもその流れでいるんだ。
空も俺の事を兄として慕っていつも付いて来てくれたし、それが可愛いくて可愛いくて♡
光ちゃんからは空ももう大きいんだし、好きにさせてやれって良く言われるけど、そんなの無理!だって空はいつまで経っても俺の弟だもん!
俺が弟離れなんて一生出来そうにないや。
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