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第137話 ちみっことエルフの里 その4

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「あ、あの! 顔を上げて下さい!」

 アタシは居たたまれなくなって思わず叫んでいた。

「あぁっ! 巫女様! なんとも麗しいお姿で!」

 お婆ちゃんエルフはまだ畏まったままだ。

「私はその巫女? とかじゃありません! 単なる旅行者です!」

 アタシはもう一度叫ぶ。なんだか良く分かんないけど、誤解されたままじゃ堪んない。

「いいえ! あなた様は巫女様に相違ありません! 水竜をお側に侍らせておられるのが何よりの証拠!」

 そう言ってお婆ちゃんエルフは、アタシが抱いてるナギを指差す。

「キュイ?」

 ナギも首を傾げる。

「長老! この不審者が巫女様ですって!? 俺には到底信じられません!」

 アタシをここまで連れて来たリーダーらしき人が叫ぶ。うん、アタシもそう思うよ。
  
「黙れ! ルーク! 巫女様を不審者呼ばわりなどこの罰当たりが!」

「し、しかしっ!」

 この人ルークって言うのか。なんかカッコ良いな! スカイでウォーカー的な? ライトなセーバーは持ってないけど。最初に会った時はアタシより歳上かな? って思ったけど、こうやって叱られてムクれているところを見ると、案外アタシと同い年くらいなのかも知れない。

 もっとも、良く言われるようにエルフが長命種なら、見た目はあまり関係無いのかも知れないけど。

「巫女様、このバカが大変失礼致しました。どうかお許し下さい」

「いえ、ですから...」

「長老! これはなんの騒ぎですか!?」

 アタシが抗議しようとしたら、また誰か現れた。今度は壮年の男性だ。

「おぉっ! 族長! 喜べ! 巫女様がおいで下さったぞ!」

「なんと!? それは本当ですか!?」

「あぁっ! 間違いない!」

 いやいやちょっと待ってよ! 盛り上がってるところ悪いんだけどさ! アタシは巫女様なんかじゃないんだってば!

「では早速儀式の準備を!」

「あぁっ! 頼む! ささっ! 巫女様! どうぞこちらに!」

 は、話を聞いて~!


◇◇◇


 そんで今アタシは巫女服に着替えさせられてる訳なんだが...白衣に緋袴って...まんま前世の巫女さんやん...なんでエルフの里にこんなもんがあるんだよ...違和感が半端ねぇ...

 しかも良くアタシのサイズがあったな!? なんだって!? 子供用!? うるさいわっ! そんなこと分かってるちゅ~ねん! (;´Д`)ハァハァ

 ちなみについでというか、マリーまで着替えさせられていた。クソッ! めっちゃ似合ってるやん! スタイルが良い人は何着ても似合うよなぁ。か、悲しくなんか...あるんだからね!

 アホなこと考えてる間に、アタシは儀式とやらを行う場所まで連れて来られた。なんか火の見櫓みたいな所に昇るらしい。

 アタシはナギを抱っこしながら向かった。
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