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亡国王子、港町デートを堪能する 1
しおりを挟むステーキに白身魚のポアレ、伊勢エビっぽいエビを半分に切って焼いたやつ、甘酸っぱい何かのシャーベットと続いて紅茶で締めた。俺は途中からお腹いっぱいになっちゃって一口ずつもらったけど、フィアツェンさんとシェアしてるから実質完食!お祖父様はお肉ばっかりおかわりして酔い潰れた。
お祖父様が飲んでたのはワイン用のブドウの搾りかすで作る蒸留酒、グラッパ。ヒノモト人のもったいない精神でワイン農家さんの前で呟いたら作っちゃった。アレスゲーテの人たちはすごいねえ。俺がふわっとしたこと言うだけで新しいものを作っちゃうんだから。この世界って『蒸留』の概念がなかったらしく、アルコールは酒精っていうなんかふわっとした魔素みたいなもんだと思われていたらしい。今はワイン農家さんだけじゃなく、ビール農家さんたちもこぞって蒸留酒を研究中らしいよ。
そんな酔い潰れたお祖父様を置いて、俺とフィアツェンさんはおでかけ……い、いや、視察だよ?お仕事だよ?港の市場に視察に行った。もう夕方近いから競りとかはないだろうけど……って言うのがフィアツェンさんの予想。いい!それでも良い!あっ、でも小さい魚とか余ってないかなあ?
「大丈夫です、一通り取り分けておくように命じています」
「思う存分におでかけをお楽しみください」
わーい!双子が安定で優秀すぎるぅ!!
ちなみにヴィドスさんもついてこようとしてたけど、双子に「愛し合うお二人の間に挟まろうなど、死にたいのですね?」と詰め寄られてた。こわい。
応援ありがとうございます!
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