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寂しかったらしい
しおりを挟む食事を一緒にとるようになった。あの広い食堂に1人は寂しかったらしい。
まあ最初は「えっ?主人と一緒に……って、まずくない!?」と貴族知識奴隷根性丸出しでイチに聞いてみたら、「お前は暁様の専属奴隷なんだから私に許可など取らずに暁様の命令だけに従っていろ」……ということだった。魔王軍難しい。魔王軍じゃないけど。
ということで、だだっ広い長テーブルの端っこで、2人で食事をする。昼とかは暁様の気分次第で弁当にしてウロウロする。
暁様が俺にべったりになってから数日。暁様専用食堂がオープンキッチンに改造された。イチに「地球には料理しているのを見ながら食べれる食堂もあった」って教えたのは誰だ!?……俺だ。厨房の器具選びとかは料理長のナナジがやってくれた。さすが料理長、使いやすい。素直に礼を言うと、「よせやい、オイラとお前の仲じゃねえか」とテレられた。えっ…なにその設定。お前と俺ってどんな仲なの!?
専用のオープンキッチンがあるって言うのはいいことだ。これまで暁様がお手伝いしたそうにソワソワしてても、厨房スタッフは絶対に暁様に調理器具を触らせなかった。ここでは使いたい放題だ。
「おいしいね、ユス!」
今日も暁様は天使だ。
「美味しいですか、良かったです。……ああ、ほら、暁様、ほっぺに付いてますよ」
口元を拭いてやるといつも恥ずかしそうに笑……え?笑ってない。あれ?あれぇ???
「……敬語禁止」
「えっ…?」
「様付けも禁止!」
むう!と暁様は唇を尖らせた。オッフ…可愛い……ああ、いや、そうじゃなくて…!
「いやいやいやあのですね暁様……奴隷っていうのはですね…」
「ユスはおれのものだから奴隷じゃないし!!ニィヤとかナナジとは仲良くしてるのに!!おれにも普通にしろよ!!」
ええ~……
「普通にしてくれるまでご飯食べない!!!」
はああぁぁああああああ~???
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