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早急にリカルドの安全を確保するために婚約期間もないため、ラインハルトに再婚する事、相手はすぐ同居になる事を伝えた。
突然のことで私にそう言った相手がいたこともなかったため驚いたようだったが、貴族なら何か事情があってそういった事もあり得ると何となく理解したようだ。
そして王宮に共に赴き、顔合わせをした。
10年ぶりに会ったリカルドは何故かエドワードに良く似た表情で穏やかに微笑んでいた。
幼い頃から知っている彼とは全く種類の違う人格になってしまっているかのように。
ハワードとエドワード、そして一つ下のリカルドは仲が良かった。ちょっと巫山戯の過ぎる第一王子と王子をさり気なく嗜める側近候補、兄たちに遊んでほしいヤンチャな弟。そこに母親と伯母に会いにきている私。
私はたまに付き合う程度だったが、同年代の令嬢たちと茶を飲んで噂を聞いてるより、庭を探検するなどする彼らといる方が楽しかった。
リカルドは一つ違いとは言え、二人より少し成長が遅く彼らが急に何かしらに興味を持って走り出すと追いつけずにいじけていた。同じくドレスでスピードの出せない私とよく取り残されたものだ。
特に深い話をした記憶はないが子供の頃も10年前の彼も、こんな穏やかに笑うような性格では無かった。
兄や私たちの前で以外は、常に無表情で氷の壁がある様な世間を常に弾く警戒心の塊だった。
望まぬ結婚生活を送っていたなら尚更こんな雰囲気にはならないだろう。
しかも今はその結婚生活を含め10年近くの記憶が無いならば、最後に会った時とさほど変わってないはず。
目の前にいるこの男は一体誰だ?
「あれぇ?ちっこいエディがいる!ふふ」
ラインハルトの前に膝をつき、じっくり顔を覗き込んでる。
「・・・ラインハルト・プラムローズです」
はじめて会う、これから義父となるリカルドに戸惑いつつ挨拶をする。
「僕はリカルド。今度リカルド・プラムローズになります。よろしくね。ラインハルト」
可愛いね、と頭を撫でるリカルドを不思議そうな顔で見ているラインハルトに嫌悪感や不快感は無さそうだ。良かった。
記憶がなくてもこの10年の成長が人格に出ているのか?なんとも言えない違和感が残った。
「レティシアはちょっと老けたね?」
クスクスと笑う彼にイラっとしたのは言うまでも無い。
それから一月も開けず、再婚同士である事と隣国王女を刺激しないため、式はせずに身内のみのごく控えめな披露宴が王城で催された。
彼にとって二度目も望まぬ結婚ならば、形だけの関係で良いだろうと思っていたらリカルドは普通の夫婦関係を希望していた。
「僕は幸せで楽しい家庭を作りたい」
リカルドの言葉だとは思えなかったが、父を知らないラインハルトにも幸せで楽しい家庭が出来たらそれはそれで望ましい。
「それに君は僕の初恋でずっと大切な人だから」
は!!!????
思わぬ告白に驚愕しているうちに初夜を迎え、
「・・・やっと手に入れた」
と、万感の思いをぶつけられた。
リカルドがそんな想いを抱いていたなど全然思い当たることが無かった。
一体何がどうなって。そんな態度を取られたこともなかったはずだ。
ハワード、知っていてこの話を進めたんだな。巫山戯たヤツめ。
混乱したまま次の日は昼まで部屋から出られなかった。
突然のことで私にそう言った相手がいたこともなかったため驚いたようだったが、貴族なら何か事情があってそういった事もあり得ると何となく理解したようだ。
そして王宮に共に赴き、顔合わせをした。
10年ぶりに会ったリカルドは何故かエドワードに良く似た表情で穏やかに微笑んでいた。
幼い頃から知っている彼とは全く種類の違う人格になってしまっているかのように。
ハワードとエドワード、そして一つ下のリカルドは仲が良かった。ちょっと巫山戯の過ぎる第一王子と王子をさり気なく嗜める側近候補、兄たちに遊んでほしいヤンチャな弟。そこに母親と伯母に会いにきている私。
私はたまに付き合う程度だったが、同年代の令嬢たちと茶を飲んで噂を聞いてるより、庭を探検するなどする彼らといる方が楽しかった。
リカルドは一つ違いとは言え、二人より少し成長が遅く彼らが急に何かしらに興味を持って走り出すと追いつけずにいじけていた。同じくドレスでスピードの出せない私とよく取り残されたものだ。
特に深い話をした記憶はないが子供の頃も10年前の彼も、こんな穏やかに笑うような性格では無かった。
兄や私たちの前で以外は、常に無表情で氷の壁がある様な世間を常に弾く警戒心の塊だった。
望まぬ結婚生活を送っていたなら尚更こんな雰囲気にはならないだろう。
しかも今はその結婚生活を含め10年近くの記憶が無いならば、最後に会った時とさほど変わってないはず。
目の前にいるこの男は一体誰だ?
「あれぇ?ちっこいエディがいる!ふふ」
ラインハルトの前に膝をつき、じっくり顔を覗き込んでる。
「・・・ラインハルト・プラムローズです」
はじめて会う、これから義父となるリカルドに戸惑いつつ挨拶をする。
「僕はリカルド。今度リカルド・プラムローズになります。よろしくね。ラインハルト」
可愛いね、と頭を撫でるリカルドを不思議そうな顔で見ているラインハルトに嫌悪感や不快感は無さそうだ。良かった。
記憶がなくてもこの10年の成長が人格に出ているのか?なんとも言えない違和感が残った。
「レティシアはちょっと老けたね?」
クスクスと笑う彼にイラっとしたのは言うまでも無い。
それから一月も開けず、再婚同士である事と隣国王女を刺激しないため、式はせずに身内のみのごく控えめな披露宴が王城で催された。
彼にとって二度目も望まぬ結婚ならば、形だけの関係で良いだろうと思っていたらリカルドは普通の夫婦関係を希望していた。
「僕は幸せで楽しい家庭を作りたい」
リカルドの言葉だとは思えなかったが、父を知らないラインハルトにも幸せで楽しい家庭が出来たらそれはそれで望ましい。
「それに君は僕の初恋でずっと大切な人だから」
は!!!????
思わぬ告白に驚愕しているうちに初夜を迎え、
「・・・やっと手に入れた」
と、万感の思いをぶつけられた。
リカルドがそんな想いを抱いていたなど全然思い当たることが無かった。
一体何がどうなって。そんな態度を取られたこともなかったはずだ。
ハワード、知っていてこの話を進めたんだな。巫山戯たヤツめ。
混乱したまま次の日は昼まで部屋から出られなかった。
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