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戦いの流れ
レイジは盾を構えて突撃を敢行。見る見るうちにカザミネとの差が詰まる。カザミネはこのレイジの攻撃に対してサイドステップで大きく動いた。側面から背後に回って後ろから攻撃しようという動きだと思われる。が、レイジもそんな事は想定内だと言わんばかりに動く。何と大盾を構えたままカザミネの方向へと向きなおったのだ。
当然突進していた慣性は残っているのでドリフトみたいに音を立てて地面をある程度滑るが、これではカザミネはレイジの背後を取る事は出来ない。そして再びレイジがカザミネに向かって突撃。アーツの宣言が無いので自力で行った動きなのだろうが、まるで戦車がドリフトするような感じを受けるな。
カザミネは後ろを取るのは難しいと判断すると、今度はレイジに向かって突撃を行う。そのままぶつかればカザミネの方が圧倒的に不利になる以上、何か策があっての行動だろう。そしてレイジの突撃の速度が乗る前にカザミネの大太刀の間合いへと両者の距離が詰まった。その瞬間、カザミネが素早く突きを繰り出した。
盾のぎりぎり左上、左の真ん中、左の下と一瞬の三段突きだ。攻撃が当たった事で盾から激しい音が三回周囲に響き渡る。その行為が何を意味するのかはすぐに分かった。突きを入れられた事と、速度が乗り切っていなかったことによりレイジが盾による突進のバランスを崩して体を泳がせてしまったのだ。そのため、レイジの突撃がまっすぐではなく左側へとズレる。
「しまっ……」「そこです!」
体の右側を盾から晒してしまったレイジに対してカザミネの大太刀による突きが再び唸る。レイジの右肩、右の横腹、右足太ももあたりに次々と突きが命中。レイジの体から血が舞う。やはり当たればレイジが着込んでいる重鎧ですら容易く貫く切れ味が大太刀の恐ろしい所だ。さて、これで結構なダメージがレイジに入ってしまったが、どう巻き返す?
カザミネは追撃の手を緩めず次々とレイジに対して突きを繰り出し続ける。だが、レイジもこれ以上は食らってたまるかとばかりに盾と片手斧を使って突きをことごとくはじき返す。そのやり取りの中でレイジは落ち着きを取り戻したのだろうか、表情が厳しめの物から普段の表情へと戻りつつある。その逆がカザミネだ、表情が険しいものになりつつある。
「押し切れませんか……!」「カザミネ、タンクとして長く動いてきた俺をこれぐらいのダメージで動揺させ続けられると思ったか? 流石にそれは見積もりが甘いな!」
そんな会話の後、カザミネの突きをレイジが片手斧で下から上にカチ上げる形で大きく弾いた。これによって、今度はカザミネの体が大太刀ごと持っていかれる形となって大きく泳ぐ──当然それをレイジが逃すはずがない。叩きつけられるは容赦ない片手斧による重い一撃。カザミネの体が吹っ飛んで、その後何度も地面を転がっていく。
「はあ、焦り過ぎですよカザミネ。あそこは無理に攻めを継続せず、間合いを取りなすなりして冷静になるべきところです。レイジさんの盾を崩せた事で少しでもダメージを稼ごうと欲張りましたね」
ため息とともに、カザミネに対してダメ出しが入る。まあ、カナさんの言う通りなんだがな。盾を崩してそこに突きを入れたまでは良い。だがそこから徐々にレイジが立て直してきているのだから、そこで行くなり攻め方を変えるなりするべきだった。いくら突きが早く届く攻撃だからってそればかりを繰り返していれば、こうなる事は当然だろうに。レイジを甘く見過ぎだ。
カザミネは転がる速度が落ちてきたタイミングで素早く立ち上がったが、当然そこには盾で突撃してくるレイジの姿がある。再びシールドチャージでぶっ飛ばされるカザミネ、明確に重いダメージが二連続で入ってしまい、残り体力がつきかけているのは火を見るより明らかだ。レイジはとどめを入れるべく動いたが、咄嗟に別方向へと盾を向けた。
「動くとしたらこのあたりだなと予想はしていたからな、警戒は怠っていなかったぞ」「流石うちの古株タンカー、バレちゃうか」
乱入したのはロナちゃんで、レイジに対して高高度からの飛び蹴りを仕掛けていた。が、レイジはこれに反応したてで防御を行っていた。が、それでもロナちゃんの蹴りには高度から襲い掛かった事による勢いがついていたため流石の大盾であっても衝撃を吸収しきれなかった。明確によろけるレイジ。そこに更にロナちゃんからの攻撃が入る。足払いだ。
いい音が響き渡り、レイジが派手に転倒する。よろけて体感が崩れた所に仕掛けたからこそ綺麗に決まったな。ダメージはさほどではないが、ダメージを取ることが目的ではないからな。カザミネへの攻撃を止める事と、隙を生み出す事。それがロナちゃんの狙いであることは間違いない。その隙にカザミネは立ち上がり、ダウンして起き上がろうとするレイジの首を狙った一閃を繰り出すが。
「おおっと、それは通さないぜ!」「読まれましたか……!!」
そこにツヴァイが乱入。レイジの首に向かって振るわれた大太刀の切っ先を大剣が受け止める。このタイミングでロナちゃんは制限時間が来たため外に撤収させられている。カザミネはこれ以上の戦闘継続は無理だと判断したのか、交代する為に動く。ツヴァイはカザミネを追おうとしたが、止めた様だ。
(交代すると見せかけて、なんからの手段でまだ起き上がれないレイジの首を取りに来る奇襲も考えられたからな。大太刀はその一発性が高いから、ツヴァイはカザミネを追いかけるよりも確実にレイジを守る事を優先したって所か)
時間が来てツヴァイが外に撤収させられたが、レイジは追撃を受ける事なく立ち上がる事が出来た。そんなレイジの目の前では交代によってエリザが武舞台に上がっている。
「これでそちらは全員が一度は武舞台に上がったな」「そちらはまだノーラさんが残っていますから、今のところはこちらが不利ですわね。ですが、ここからでも巻き返しは可能ですし勝負を投げるなんて真似はしませんわ」
レイジの言葉に、エリザはそのように返して杖を構える。再びレイジが盾を構えて突進を開始するが、速度を抑えているな。魔法が飛んできても回避できるようにする為だろう。エリザの使う魔法は、光と水と風だ。つまり金属に対して有効に働く雷属性の魔法を使える。更に水は妨害も得意だし、光は魔法の弾速が非常に速い。タンカーと言えど、防御をしくじれば手痛いダメージを受ける事は避けられない。
そんな動きを見せるレイジに対してエリザの初手は、杖の先に魔法をエンチャントして杖による打撃ダメージに属性ダメージを上乗せする行為を選択した。属性はもちろん雷。これによりエリザの杖からは激しいスパークが発生する事になった。なお、このエンチャントによる自爆はない。
レイジはエリザとの距離を詰める。が、さらに距離を詰めるのではなく片手斧を大きく振りかぶる。そして投擲。高速で飛ぶ片手斧がエリザの頭部に襲い掛かる。しかしエリザはその飛んできた片手斧をしゃがむ事によってスムーズに回避。すかさず反撃とばかりに雷魔法である《インスタント・スパーク》で反撃した。
詠唱時間を必要とせず、ストックを貯めておけるという特性を持つこの魔法はワンアクションですぐに打てるため非常に使い勝手がいい魔法であるというのはWikiの情報によるものだ。更に雷魔法という事もあって飛ぶ速度が速い。まあもちろん威力はそれなり止まりになってしまうのは致し方ないが、それでも魔法使いにとっては便利な魔法である事は間違いない。
──そして、レイジがそれを考えに入れていないわけがなかった。素早くレイジが大盾のアーツである《ブレイク・マジック》を発動し《インスタント・スパーク》はあっさりと霧散する。《ブレイク・マジック》は大盾と中盾のアーツであり、小盾では使えない(というか覚えられない)。なので自分にとっては縁がない防御方法である。
エリザの方もこの対処のされ方は想定内の様で、別段動揺も焦りもしていない。次の魔法を使うべく、詠唱に入った。当然レイジはそれを阻止するためにさらに距離を詰める訳だが、インファイトに入ってもエリザは詠唱を続けながら雷を宿した杖を使ってレイジの片手斧による攻撃から己の身を守っている。しかし、妙に動きが良いな?
「エリザさんの杖術もなかなかの仕上がりになりましたね。訓練に協力した甲斐があるというものです」
なるほど、カナさん仕込みか。掃討スパルタで仕込んだんだろうなぁ、という事を分からせられる動きをしている。自分がそんな遠い目をした事に気が伝いらしく、カナさんが言葉を続ける。
「一年ほどかけて、徐々にです。無茶な事はしていませんよ、教える事は現実の方で経験を積んでいますから」
そう口にした後に微笑むが、その微笑が怖いと感じた自分の直感はきっと正しい。が、その成果が今ああしてレイジの攻撃を杖でいなしながら呪文の詠唱を可能にしたエリザの姿なので訓練の価値は非常に高かったのだろう。そして、エリザの詠唱が終わったようだ。
「《フラッシュフラッド》!」
エリザの詠唱直後、突如大波が発生しレイジに向かって襲い掛かった。この大波、レイジはどう対処する?
当然突進していた慣性は残っているのでドリフトみたいに音を立てて地面をある程度滑るが、これではカザミネはレイジの背後を取る事は出来ない。そして再びレイジがカザミネに向かって突撃。アーツの宣言が無いので自力で行った動きなのだろうが、まるで戦車がドリフトするような感じを受けるな。
カザミネは後ろを取るのは難しいと判断すると、今度はレイジに向かって突撃を行う。そのままぶつかればカザミネの方が圧倒的に不利になる以上、何か策があっての行動だろう。そしてレイジの突撃の速度が乗る前にカザミネの大太刀の間合いへと両者の距離が詰まった。その瞬間、カザミネが素早く突きを繰り出した。
盾のぎりぎり左上、左の真ん中、左の下と一瞬の三段突きだ。攻撃が当たった事で盾から激しい音が三回周囲に響き渡る。その行為が何を意味するのかはすぐに分かった。突きを入れられた事と、速度が乗り切っていなかったことによりレイジが盾による突進のバランスを崩して体を泳がせてしまったのだ。そのため、レイジの突撃がまっすぐではなく左側へとズレる。
「しまっ……」「そこです!」
体の右側を盾から晒してしまったレイジに対してカザミネの大太刀による突きが再び唸る。レイジの右肩、右の横腹、右足太ももあたりに次々と突きが命中。レイジの体から血が舞う。やはり当たればレイジが着込んでいる重鎧ですら容易く貫く切れ味が大太刀の恐ろしい所だ。さて、これで結構なダメージがレイジに入ってしまったが、どう巻き返す?
カザミネは追撃の手を緩めず次々とレイジに対して突きを繰り出し続ける。だが、レイジもこれ以上は食らってたまるかとばかりに盾と片手斧を使って突きをことごとくはじき返す。そのやり取りの中でレイジは落ち着きを取り戻したのだろうか、表情が厳しめの物から普段の表情へと戻りつつある。その逆がカザミネだ、表情が険しいものになりつつある。
「押し切れませんか……!」「カザミネ、タンクとして長く動いてきた俺をこれぐらいのダメージで動揺させ続けられると思ったか? 流石にそれは見積もりが甘いな!」
そんな会話の後、カザミネの突きをレイジが片手斧で下から上にカチ上げる形で大きく弾いた。これによって、今度はカザミネの体が大太刀ごと持っていかれる形となって大きく泳ぐ──当然それをレイジが逃すはずがない。叩きつけられるは容赦ない片手斧による重い一撃。カザミネの体が吹っ飛んで、その後何度も地面を転がっていく。
「はあ、焦り過ぎですよカザミネ。あそこは無理に攻めを継続せず、間合いを取りなすなりして冷静になるべきところです。レイジさんの盾を崩せた事で少しでもダメージを稼ごうと欲張りましたね」
ため息とともに、カザミネに対してダメ出しが入る。まあ、カナさんの言う通りなんだがな。盾を崩してそこに突きを入れたまでは良い。だがそこから徐々にレイジが立て直してきているのだから、そこで行くなり攻め方を変えるなりするべきだった。いくら突きが早く届く攻撃だからってそればかりを繰り返していれば、こうなる事は当然だろうに。レイジを甘く見過ぎだ。
カザミネは転がる速度が落ちてきたタイミングで素早く立ち上がったが、当然そこには盾で突撃してくるレイジの姿がある。再びシールドチャージでぶっ飛ばされるカザミネ、明確に重いダメージが二連続で入ってしまい、残り体力がつきかけているのは火を見るより明らかだ。レイジはとどめを入れるべく動いたが、咄嗟に別方向へと盾を向けた。
「動くとしたらこのあたりだなと予想はしていたからな、警戒は怠っていなかったぞ」「流石うちの古株タンカー、バレちゃうか」
乱入したのはロナちゃんで、レイジに対して高高度からの飛び蹴りを仕掛けていた。が、レイジはこれに反応したてで防御を行っていた。が、それでもロナちゃんの蹴りには高度から襲い掛かった事による勢いがついていたため流石の大盾であっても衝撃を吸収しきれなかった。明確によろけるレイジ。そこに更にロナちゃんからの攻撃が入る。足払いだ。
いい音が響き渡り、レイジが派手に転倒する。よろけて体感が崩れた所に仕掛けたからこそ綺麗に決まったな。ダメージはさほどではないが、ダメージを取ることが目的ではないからな。カザミネへの攻撃を止める事と、隙を生み出す事。それがロナちゃんの狙いであることは間違いない。その隙にカザミネは立ち上がり、ダウンして起き上がろうとするレイジの首を狙った一閃を繰り出すが。
「おおっと、それは通さないぜ!」「読まれましたか……!!」
そこにツヴァイが乱入。レイジの首に向かって振るわれた大太刀の切っ先を大剣が受け止める。このタイミングでロナちゃんは制限時間が来たため外に撤収させられている。カザミネはこれ以上の戦闘継続は無理だと判断したのか、交代する為に動く。ツヴァイはカザミネを追おうとしたが、止めた様だ。
(交代すると見せかけて、なんからの手段でまだ起き上がれないレイジの首を取りに来る奇襲も考えられたからな。大太刀はその一発性が高いから、ツヴァイはカザミネを追いかけるよりも確実にレイジを守る事を優先したって所か)
時間が来てツヴァイが外に撤収させられたが、レイジは追撃を受ける事なく立ち上がる事が出来た。そんなレイジの目の前では交代によってエリザが武舞台に上がっている。
「これでそちらは全員が一度は武舞台に上がったな」「そちらはまだノーラさんが残っていますから、今のところはこちらが不利ですわね。ですが、ここからでも巻き返しは可能ですし勝負を投げるなんて真似はしませんわ」
レイジの言葉に、エリザはそのように返して杖を構える。再びレイジが盾を構えて突進を開始するが、速度を抑えているな。魔法が飛んできても回避できるようにする為だろう。エリザの使う魔法は、光と水と風だ。つまり金属に対して有効に働く雷属性の魔法を使える。更に水は妨害も得意だし、光は魔法の弾速が非常に速い。タンカーと言えど、防御をしくじれば手痛いダメージを受ける事は避けられない。
そんな動きを見せるレイジに対してエリザの初手は、杖の先に魔法をエンチャントして杖による打撃ダメージに属性ダメージを上乗せする行為を選択した。属性はもちろん雷。これによりエリザの杖からは激しいスパークが発生する事になった。なお、このエンチャントによる自爆はない。
レイジはエリザとの距離を詰める。が、さらに距離を詰めるのではなく片手斧を大きく振りかぶる。そして投擲。高速で飛ぶ片手斧がエリザの頭部に襲い掛かる。しかしエリザはその飛んできた片手斧をしゃがむ事によってスムーズに回避。すかさず反撃とばかりに雷魔法である《インスタント・スパーク》で反撃した。
詠唱時間を必要とせず、ストックを貯めておけるという特性を持つこの魔法はワンアクションですぐに打てるため非常に使い勝手がいい魔法であるというのはWikiの情報によるものだ。更に雷魔法という事もあって飛ぶ速度が速い。まあもちろん威力はそれなり止まりになってしまうのは致し方ないが、それでも魔法使いにとっては便利な魔法である事は間違いない。
──そして、レイジがそれを考えに入れていないわけがなかった。素早くレイジが大盾のアーツである《ブレイク・マジック》を発動し《インスタント・スパーク》はあっさりと霧散する。《ブレイク・マジック》は大盾と中盾のアーツであり、小盾では使えない(というか覚えられない)。なので自分にとっては縁がない防御方法である。
エリザの方もこの対処のされ方は想定内の様で、別段動揺も焦りもしていない。次の魔法を使うべく、詠唱に入った。当然レイジはそれを阻止するためにさらに距離を詰める訳だが、インファイトに入ってもエリザは詠唱を続けながら雷を宿した杖を使ってレイジの片手斧による攻撃から己の身を守っている。しかし、妙に動きが良いな?
「エリザさんの杖術もなかなかの仕上がりになりましたね。訓練に協力した甲斐があるというものです」
なるほど、カナさん仕込みか。掃討スパルタで仕込んだんだろうなぁ、という事を分からせられる動きをしている。自分がそんな遠い目をした事に気が伝いらしく、カナさんが言葉を続ける。
「一年ほどかけて、徐々にです。無茶な事はしていませんよ、教える事は現実の方で経験を積んでいますから」
そう口にした後に微笑むが、その微笑が怖いと感じた自分の直感はきっと正しい。が、その成果が今ああしてレイジの攻撃を杖でいなしながら呪文の詠唱を可能にしたエリザの姿なので訓練の価値は非常に高かったのだろう。そして、エリザの詠唱が終わったようだ。
「《フラッシュフラッド》!」
エリザの詠唱直後、突如大波が発生しレイジに向かって襲い掛かった。この大波、レイジはどう対処する?
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