風紀委員 藤堂正道 -最愛の選択-

Keitetsu003

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女を黙らせるにはこうするんだろ? 前編 朝乃宮千春SIDE

2/8 その八

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 ……。

 はぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!

 ウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソ!!!!!!!!!!!!!!!!

 ちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃう!!!!!!!!!!!!!!!!

 待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って!!!!!!!!!!!!!!!!

 いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!

 やってぇもうたぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!

 お、落ち着き!
 真面目で堅物な藤堂はんが女の子をデートに誘うなんて考える?
 絶対に誰かに入れ知恵されたはず。
 そんなことするのは……するのは……。

「藤堂はん」
「……なんだ?」
「ウチ、電話してきますさかい、少し先に行ってくれます?」
「いや、別に待っていても……」
「先に行ってくれます?」
「お、応! 待ってるぞ!」

 藤堂はんはドン引きしてたかもしれへんけど、もっと大事なことがある!
 ウチは即、咲に電話する。

「もしも~し、ちーちゃん。電話してきたって事は、兄さん、デートのお誘いを実行したんですね!」
「……やっぱり、咲が……」
「ほら、言ったとおりでしょ? 人生最良の日になるって。あっ、お礼はいいですよ。私とちーちゃんの仲ですから。でもでも、どうしてもって言うのなら、聖天幸女……」
「あほぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 ウチは思いっきり怒鳴った。
 心の底から怨嗟の声を上げた。

「な、なんですか、藪から棒に! それに私は恋のキューピットですよ! それなのに……」
「なんでそういう大事なことをウチに教えてくれへんの! ホウレンソウなんて基本中の基本やん! 社会人なら常識やで! 咲のあほぉおおおおおおおおお!」
「いつも後から説明してくるちーちゃんだけには言われたくないんですけど。それに私、学生ですし。あれ? その様子だと、兄さん、また何かやっちゃいました? なんっちって!」

 メキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキ!

「咲、全然笑えへんねんけど……殺意が湧いたわ」
「そこまで! えっ? えっ? 兄さんはちーちゃんをデートに誘わなかったんですか?」

 デートに? デートにやって?
 誘ってもらった……誘ってもらったけど……。

「断ってもうたぁああああああああああああああああああ!」
「はぁあああ! なんで? えっ? 千春って兄さんの事……」
「だってだってだってだって! 藤堂はんがデートに誘うとか! 天変地異が起こらんかぎりありえへんし! ウチの事、気にかけてくれたことが嬉しくて、気にせんとってって、言ってもうたぁああああああああああああああああああああああ!」

 あほあほあほあほあほあほあほあほあほあほ! ウチのあほ!

「……要は盛大に誤爆したってことですね。いい格好しちゃったんですね。ちーちゃんのせいじゃないですか」
「咲……」
「無理ですから! 兄さんにもう一度千春をデートに誘えとか言えませんから! 兄さん、きっと清水の舞台から飛び降りる覚悟でデートに誘ったんですよ。それに私もワールドカップ決勝、後半ロスタイム一対一からの絶妙なセンタリングをあげたのに、ちーちゃんはよりにもよってシュートを外すどころか、オウンゴールを決めるとか……きっと、罰が当たったんです。よかったですね、因果応報を実体験できて。これに懲りて普段の所業を見直して、私に感謝しつつ、聖天幸女様の……」
「そんなん、どうでもええわぁあああああああああああああああああああ! 何が人生最良の日やねん! 最悪の日やわ! 咲の占いなんて、全然あてにならへん! 咲! この責任をとって、もう一度! もう一度だけ!」
「……」

 プープープープー。
 きった! ひどい!
 ウチは速攻かけ直すけど……。

『電源が入っていないか電波の届かない為かかりません……』

 電源きった! ずるい!
 ああ……どないしよ……藤堂はん……もう一度、デートに誘ってくれへんやろうか……。
 無理や……断っておいて、また誘うとかありえる? ありえへん……ありえへん……ありえへん……。
 神様、お願いです! もう一度だけ! もう一度だけ、チャンスプリ~~~~ズ!



「なぁ~~~んくる~~ないさ~~~~~!」
「はいはい」

 ウチは例の如く、芸人幼児が絡んできたので、今回は無視しして、素通りすることにした。
 多分、今回は大○ライオン。悪いんやけど、今はそんな気分やない!

「おねえちゃん! こんにちは!」
「ご機嫌よろしゅう、皆はん」

 はい、終了!
 こうなったら、意地でも藤堂はんからもう一度デートに誘ってもらう!
 その為には桜花ちゃんの協力が不可欠! なんとしても、藤堂はんが迎えに行く前に桜花ちゃんを騙……話し合いせんと!

「あら、いい顔してるじゃない。男のトラブル?」

 うっ!
 ウチはつい足を止めてしまう。
 ブラック保母さんが壁にもたれかかり、両手を組んでニヤニヤとウチを見つめている。

「……そんなわけありません」
「隠しても無駄よ。男の失敗のことで私に隠し事は出来ないわ。言ってみなさい」

 なんであんさんに言わなあかんの!
 でも……。

「……保母さんは本命の男のデートの誘いを断る失敗をしたこと、あります」
「……この世で一番残酷な事を聞くのね」
「それで? また誘ってもらえる方法は?」
「……ないわね。逃がした魚は大きいって言葉、知らないの?」
「……」
「アナタ……子供をダシににしてデートに誘ってもらうよう仕向ける気?」

 くっ!
 読まれとる! ウチの作戦、完全に読まれとる!

「無駄よ」
「……どうして、そう言い切れますの?」
「私がやったもの。子供はね、お嬢ちゃん。邪な狙いがあると、嗅ぎ分けていうこと聞いてくれないの。実体験ってヤツね」

 アカン! 詰んでるヤツ、これ!
 冷や汗が止まらへん!
 いや、まだ諦めるのは早い! ブラック保母さんの言うとおりになるとは限らん!
 それなら、藤堂はんよりも早く桜花ちゃんと接触して、洗脳……いえ、誘導して明日、遊びに行けるようせえへんと!

 桜花ちゃんには衣食住、お世話といった借りがある!
 それを返してもらわへんと! なんなら金もあるで!
 おもちゃ、好きなモン買うたるわ!

 桜花ちゃん! 桜花ちゃん! 桜花ちゃん! 桜花ちゃん! 桜花ちゃん! 桜花ちゃん!
 ウチは桜花ちゃんのいる部屋に入った。
 そこで待ち受けていたのは……。

「ええええええええええええええええええええ~~~~ん! あああああああああああああああ~~~~んん!」
「……」

 桜花ちゃんが藤堂はんに抱っこされ、大泣きしている姿やった……。



 絶望しかない……終わった……人生最悪の日や……。
 身も凍える寒空の下、ウチらのテンションは……。

「ぐすぅ! ぐすぅ! パパァ~パパァ~」

 ほんま、最悪……。
 今も桜花ちゃんは泣いてる……ウチも泣きたい……。
 何があったんか……藤堂はんに聞いた。

「……悪い。昨日のうちに話せばよかったんだが……」
「しょうがありません。昨日は桜花ちゃんと喧嘩してましたし、それどころやなかったですから……」

 タイミングが悪すぎる……。
 藤堂はんの話しやと、昨日、桜花ちゃんは人質ごっこをしていたらしい。その人質役が桜花ちゃん。
 そのとき、いつもはひとりぼっちの桜花ちゃんが皆に相手された。そのことが嬉しくて、桜花ちゃんは今日も人質ごっこをしようとしたけど……相手にされなかったみたい。

 昨日は藤堂はんにカードゲーム? でええんやろか?
 それを藤堂はんに挑むために人質が必要やったけど、ゲームをしないのであれば不要。
 せやから、桜花ちゃん、いつものように誰にも相手されず、悲しくて、寂しくて大泣きしてる。藤堂はんと喧嘩してたの忘れて……。

 はぁ……。
 藤堂はんも責任を感じてか、表情が暗い。

 とても、デートのこと、言い出せへん。
 今日、ウチ……藤堂はんの為に頑張ったんやけどな……そのご褒美がほしい……。
 ウチも泣きたくなった……。

 きっと、藤堂はんはもう、ウチをデートに誘ってくれへんやろ……ウチが断ってしもうたから……。
 ハハハァ……消え去りたいわ……。

「……朝乃宮」
「……なんです?」
「少し寄りたいところがあるんだが、いいか?」

 寄りたいところ?

「……別にかまいませんけど」

 まさか、放課後デート!……ってこの状況でそんなわけないやん。
 はぁ……。
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