16 / 129
新たな展開
立ち直れない……
しおりを挟む
丸山 柚花、只今、彼氏募集中。
クリスマス前までに、何とか彼氏を作って、アイツをギャフンと言わせてやる!
携帯画面には、婚活パーティーの情報が出ている。
へぇ、街コンかぁ、女性の会費は安いんだねぇ!
皆んな、満足をしているのかな?
どんな口コミがあるのかしら?
何々?美味しい料理を安く食べる目的の女性が結構いて失礼だ!って……。
そっかぁ、それは、真剣な男性に申し訳ないよねぇ。
うん?ちょっと待て。
そう言う私はどうなの?
結婚相手が欲しいの?
それは、まあ縁があれば、見つかればいいけど、取り敢えず、その場しのぎの男の人が必要なだけなのよね……。
あー、それも真剣に活動をしている人にとっては、迷惑だなぁ。
やっぱ、婚活パーティーはダメなのかなぁ。
柚花は、そんな事を真剣な顔で考えていた。
ポタッ!
あっ、携帯画面に雫が落ちちゃった……
…………………
あれは3ヶ月前のこと。
アパートに1人で暮らす彼の為に、私は夕食を作った。
因みに、彼の歳は、私の1つ上だ。
その食事を美味しいと言って食べてくれた彼を見て、私はホッとし、言った。
「秋広君が美味しいって言ってくれて、ああ、良かった!
でもね、結婚したら、たまには秋広君の料理が食べたいから、作ってくれる?」
そう、このひと言が、私と彼の仲を簡単に引き裂いたのだ。
「えっ?結婚するって何?
あ、丸ちゃん ごめん。
俺は、自分よりも料理が上手な人じゃないと結婚出来ないと思う……。
俺たち、逢うのをやめようか……」
私は、衝撃と言う言葉では片付けられない程のショックを受けた。
ショックのあまり、言葉も無く、ただ頷いて、エプロンを畳んで鞄に入れ、無言で部屋を後にした。
彼は、追いかけても来なかった……。
……………………
あの日から、私は立ち直る為に心の中で、野口を罵倒してきた。
お前、シェフだろう!
お前より嫁の方が料理が上手と言われたら、お前の立場がなくなるでしょ!
お前、馬鹿なのか?
……と、こんな具合で罵倒してきた。
そして、厨房には極力 近寄らなかった。
用がある時は、他の者を行かせていたから、言葉を交わすことがなかった。
そんな風にアイツを避けてきた。
やっと立ち直れそうだったのに、アイツが私の心をコテンパンに殴り倒した。
アイツからの渾身の一撃を受けてしまった!
私は、今までアイツと付き合っていたと思っていた。
今さっきまでは、そう思っていたのに。
『俺たち、ちゃんとに付き合っているって認識なかったじゃん』って、言っていた。
と言うことは、アイツは付き合っている感覚が無かったという事だった?
私の目から水が落ちた。
あんな奴のために私の身体の水を使うのも、勿体ない!
水よ、出るな!
水よ、止まれ!
「丸山さん、外灯の下で何を見ているんですか?」
その時、帰ろうと駐車場に来た軽米が声を掛けた。
「 ! 」
「丸山さん!どうしたんですか?
泣いている……んですか?」
後輩である軽米は、柚花をとても慕っており、2人は仕事の後、よくファミレスに寄って互いの話しをしている仲良しなのだ。
このホテルの中で、唯一、野口と柚花の関係を知っている人物なのだった。
…………………
ファミレスに移動した柚花と軽米。
涙の理由を聞いた軽米は、激怒する。
「付き合っていなかった!なんて、ひど過ぎますね!最低男です!
丸山さん、あの人と縁が切れて良かったですよ!」
「そうなんだけど、私に彼氏が出来たと思っていて、ちょっと面倒な事になっちゃった」
柚花は、事の次第を話した。
「はあ?何ですかそれ!
どうして、“お食事ご招待”という事になるのでしょう?
もしかして、あの人に彼女が出来て、丸山さんに対して、悪いことをしたと感じ、罪滅ぼしのつもりとか?」
「罪滅ぼしなんて、考えるかしらね?
それにしても、困った。どうしようかな。
つい、見栄を張って彼氏がいる素振りをしてしまったから、早く彼氏を見つけないといけないと思って……。
それで、さっき婚活サイトを見ていたってわけ。
彼氏の振りをしてくれる男友達はいないしね。お手上げよ」
柚花が正直に話すと、軽米が言う。
「なら、先日、身代わり花嫁をしてあげた折原さんに、彼氏の振りをお願いすればいいじゃないですか?
けっこう、お似合いでしたよ」
軽米がサラッと言った。
「ダメ!お客様にそんな事を頼めないわよ!
それに、もう、カレンダホテルには来ないだろうから、会う機会がないでしょ」
たっ君は、結婚式の事を思い出したくもないはずだから、私がいる このホテルには きっと来ないでしょう。
「だったら、今日、来ていた お花屋さんに頼みましょうよ。
きっと、またホテルに来るはずですから。
会ったら、頼んでみましょうよ」
軽米の提案を拒否した柚花だったが、もしも、また偶然に会うことが出来たら、頼んでみようかなぁとも思った。
「あっ!」
突然、柚花が思い出した。
「えっ?丸山さん、どうしたんですか?」
「うん、あのね、今日、私が転びそうになった時、お花屋さんが私を抱き止めてくれたの。
とても、優しい人なんだ。
背が高くて、たくましい身体で、とってもいい香りがしていたんだよ。
花の香りなのかな?
抱かれたまま、立ったままで眠れそうな感じだった。安心感があるのかな?」
「えっ、丸山さん!抱かれた……って、表現、エロいです!
あ、でも、丸山さん、酔うと本当にエロくなりますものね。
それも、違うか、猛獣になりますものね?
キス魔だから、この前だって……」
軽米が柚花の忘れていた事を教えたのだった。
「……それって、本当のこと?
私が、両腕を上げて、相手の肩を抱いて頬にキスしたって?
たっ君のお友達の お花屋さんともう1人の人に?」
クラッ!
柚花は、蘇る記憶に目眩がするのだった。
「軽米さん!どうして止めてくれなかったの!あー、お花屋さんが私のことをどう思っているのかな?
とんでもない女と思っているよね?
あーぁ、最悪だぁ」
これじゃあ、恋人の振りを頼めない……。
どうしよう、豪華客船の会社に勤めている原口さんに頼んでみようか……。
クリスマス前までに、何とか彼氏を作って、アイツをギャフンと言わせてやる!
携帯画面には、婚活パーティーの情報が出ている。
へぇ、街コンかぁ、女性の会費は安いんだねぇ!
皆んな、満足をしているのかな?
どんな口コミがあるのかしら?
何々?美味しい料理を安く食べる目的の女性が結構いて失礼だ!って……。
そっかぁ、それは、真剣な男性に申し訳ないよねぇ。
うん?ちょっと待て。
そう言う私はどうなの?
結婚相手が欲しいの?
それは、まあ縁があれば、見つかればいいけど、取り敢えず、その場しのぎの男の人が必要なだけなのよね……。
あー、それも真剣に活動をしている人にとっては、迷惑だなぁ。
やっぱ、婚活パーティーはダメなのかなぁ。
柚花は、そんな事を真剣な顔で考えていた。
ポタッ!
あっ、携帯画面に雫が落ちちゃった……
…………………
あれは3ヶ月前のこと。
アパートに1人で暮らす彼の為に、私は夕食を作った。
因みに、彼の歳は、私の1つ上だ。
その食事を美味しいと言って食べてくれた彼を見て、私はホッとし、言った。
「秋広君が美味しいって言ってくれて、ああ、良かった!
でもね、結婚したら、たまには秋広君の料理が食べたいから、作ってくれる?」
そう、このひと言が、私と彼の仲を簡単に引き裂いたのだ。
「えっ?結婚するって何?
あ、丸ちゃん ごめん。
俺は、自分よりも料理が上手な人じゃないと結婚出来ないと思う……。
俺たち、逢うのをやめようか……」
私は、衝撃と言う言葉では片付けられない程のショックを受けた。
ショックのあまり、言葉も無く、ただ頷いて、エプロンを畳んで鞄に入れ、無言で部屋を後にした。
彼は、追いかけても来なかった……。
……………………
あの日から、私は立ち直る為に心の中で、野口を罵倒してきた。
お前、シェフだろう!
お前より嫁の方が料理が上手と言われたら、お前の立場がなくなるでしょ!
お前、馬鹿なのか?
……と、こんな具合で罵倒してきた。
そして、厨房には極力 近寄らなかった。
用がある時は、他の者を行かせていたから、言葉を交わすことがなかった。
そんな風にアイツを避けてきた。
やっと立ち直れそうだったのに、アイツが私の心をコテンパンに殴り倒した。
アイツからの渾身の一撃を受けてしまった!
私は、今までアイツと付き合っていたと思っていた。
今さっきまでは、そう思っていたのに。
『俺たち、ちゃんとに付き合っているって認識なかったじゃん』って、言っていた。
と言うことは、アイツは付き合っている感覚が無かったという事だった?
私の目から水が落ちた。
あんな奴のために私の身体の水を使うのも、勿体ない!
水よ、出るな!
水よ、止まれ!
「丸山さん、外灯の下で何を見ているんですか?」
その時、帰ろうと駐車場に来た軽米が声を掛けた。
「 ! 」
「丸山さん!どうしたんですか?
泣いている……んですか?」
後輩である軽米は、柚花をとても慕っており、2人は仕事の後、よくファミレスに寄って互いの話しをしている仲良しなのだ。
このホテルの中で、唯一、野口と柚花の関係を知っている人物なのだった。
…………………
ファミレスに移動した柚花と軽米。
涙の理由を聞いた軽米は、激怒する。
「付き合っていなかった!なんて、ひど過ぎますね!最低男です!
丸山さん、あの人と縁が切れて良かったですよ!」
「そうなんだけど、私に彼氏が出来たと思っていて、ちょっと面倒な事になっちゃった」
柚花は、事の次第を話した。
「はあ?何ですかそれ!
どうして、“お食事ご招待”という事になるのでしょう?
もしかして、あの人に彼女が出来て、丸山さんに対して、悪いことをしたと感じ、罪滅ぼしのつもりとか?」
「罪滅ぼしなんて、考えるかしらね?
それにしても、困った。どうしようかな。
つい、見栄を張って彼氏がいる素振りをしてしまったから、早く彼氏を見つけないといけないと思って……。
それで、さっき婚活サイトを見ていたってわけ。
彼氏の振りをしてくれる男友達はいないしね。お手上げよ」
柚花が正直に話すと、軽米が言う。
「なら、先日、身代わり花嫁をしてあげた折原さんに、彼氏の振りをお願いすればいいじゃないですか?
けっこう、お似合いでしたよ」
軽米がサラッと言った。
「ダメ!お客様にそんな事を頼めないわよ!
それに、もう、カレンダホテルには来ないだろうから、会う機会がないでしょ」
たっ君は、結婚式の事を思い出したくもないはずだから、私がいる このホテルには きっと来ないでしょう。
「だったら、今日、来ていた お花屋さんに頼みましょうよ。
きっと、またホテルに来るはずですから。
会ったら、頼んでみましょうよ」
軽米の提案を拒否した柚花だったが、もしも、また偶然に会うことが出来たら、頼んでみようかなぁとも思った。
「あっ!」
突然、柚花が思い出した。
「えっ?丸山さん、どうしたんですか?」
「うん、あのね、今日、私が転びそうになった時、お花屋さんが私を抱き止めてくれたの。
とても、優しい人なんだ。
背が高くて、たくましい身体で、とってもいい香りがしていたんだよ。
花の香りなのかな?
抱かれたまま、立ったままで眠れそうな感じだった。安心感があるのかな?」
「えっ、丸山さん!抱かれた……って、表現、エロいです!
あ、でも、丸山さん、酔うと本当にエロくなりますものね。
それも、違うか、猛獣になりますものね?
キス魔だから、この前だって……」
軽米が柚花の忘れていた事を教えたのだった。
「……それって、本当のこと?
私が、両腕を上げて、相手の肩を抱いて頬にキスしたって?
たっ君のお友達の お花屋さんともう1人の人に?」
クラッ!
柚花は、蘇る記憶に目眩がするのだった。
「軽米さん!どうして止めてくれなかったの!あー、お花屋さんが私のことをどう思っているのかな?
とんでもない女と思っているよね?
あーぁ、最悪だぁ」
これじゃあ、恋人の振りを頼めない……。
どうしよう、豪華客船の会社に勤めている原口さんに頼んでみようか……。
0
あなたにおすすめの小説
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
結婚する事に決めたから
KONAN
恋愛
私は既婚者です。
新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。
まずは、離婚してから行動を起こします。
主な登場人物
東條なお
似ている芸能人
○原隼人さん
32歳既婚。
中学、高校はテニス部
電気工事の資格と実務経験あり。
車、バイク、船の免許を持っている。
現在、新聞販売店所長代理。
趣味はイカ釣り。
竹田みさき
似ている芸能人
○野芽衣さん
32歳未婚、シングルマザー
医療事務
息子1人
親分(大島)
似ている芸能人
○田新太さん
70代
施設の送迎運転手
板金屋(大倉)
似ている芸能人
○藤大樹さん
23歳
介護助手
理学療法士になる為、勉強中
よっしー課長(吉本)
似ている芸能人
○倉涼子さん
施設医療事務課長
登山が趣味
o谷事務長
○重豊さん
施設医療事務事務長
腰痛持ち
池さん
似ている芸能人
○田あき子さん
居宅部門管理者
看護師
下山さん(ともさん)
似ている芸能人
○地真央さん
医療事務
息子と娘はテニス選手
t助
似ている芸能人
○ツオくん(アニメ)
施設医療事務事務長
o谷事務長異動後の事務長
雄一郎 ゆういちろう
似ている芸能人
○鹿央士さん
弟の同級生
中学テニス部
高校陸上部
大学帰宅部
髪の赤い看護師(川木えみ)
似ている芸能人
○田來未さん
准看護師
ヤンキー
怖い
今宵、薔薇の園で
天海月
恋愛
早世した母の代わりに妹たちの世話に励み、婚期を逃しかけていた伯爵家の長女・シャーロットは、これが最後のチャンスだと思い、唐突に持ち込まれた気の進まない婚約話を承諾する。
しかし、一か月も経たないうちに、その話は先方からの一方的な申し出によって破談になってしまう。
彼女は藁にもすがる思いで、幼馴染の公爵アルバート・グレアムに相談を持ち掛けるが、新たな婚約者候補として紹介されたのは彼の弟のキースだった。
キースは長年、シャーロットに思いを寄せていたが、遠慮して距離を縮めることが出来ないでいた。
そんな弟を見かねた兄が一計を図ったのだった。
彼女はキースのことを弟のようにしか思っていなかったが、次第に彼の情熱に絆されていく・・・。
【完結】逃がすわけがないよね?
春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。
それは二人の結婚式の夜のことだった。
何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。
理由を聞いたルーカスは決断する。
「もうあの家、いらないよね?」
※完結まで作成済み。短いです。
※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。
※カクヨムにも掲載。
妹のために愛の無い結婚をすることになりました
バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」
愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。
婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。
私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。
落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。
思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。
リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした〜
ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。
イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。
8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。
※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる