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揺れる想い
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「丸山さんの携帯でしょうか?
私は、花屋 ガーデンプロデュースの西崎です。
例の格安婚の打ち合わせをしたいと思いまして……
都合が良ければ、そちらのホテルに行きますが、いかがですか?」
智也は、あくまでも仕事モードで話した。
「あ……あっ、そうですか。わかりました、2階にあるブライダルサロンで、お待ちしております」
柚花はそう言って、着替え直したのだった。
そうだ、このマスクを外した方がいいかしら?
智也さんが、風邪を引かせてしまった!と気にするといけないな……。
柚花は、着替えの為に閉めていたカーテンを開けて、再び、倉田チーフのいる方に行った。
「どうしたの?帰らないの?書類を持って、どこへ行くつもり?」
倉田チーフが戻ってきた柚花に驚いて聞いたのだ。
「はい、元木様の婚礼式のことで、お花屋さんとサロンで打ち合わせをしてきます。
今、サロンで打ち合わせをしているのは、野村さんですね。
倉田チーフと外崎さんは、もう上がりますよね?
お疲れ様です。では、行ってきます」
「丸山さん、無理をしないで早く帰るのよ」
倉田チーフは結構、部下思いなのだった。
……………………
倉田チーフは、心配をしてくれているけれど、市販の風邪薬が効いてきたみたい。
もうマスクは外しておこう。
サロンに行くと、お客様2人と野村さんが話していた。
柚花は、お客様に軽く会釈をして、一番奥にあるテーブルに行き、開けてあるドアの方向が見えるように座った。
柚花は、見積もりを見て考える。
この婚礼式は、ここをこうして、これは、アレにして頑張ってもらって……こうすれば……うん、ぼんやりと考えがまとまってきた!
「こんばんは、ガーデンプロデュースです。
失礼します」
いつもの仕事着を着て、智也がやって来たのだ。
「こんばんは。御足労頂き すみません。こちらへどうぞ」
柚花は、智也を迎え入れ席へと掛けてもらった。
……………………
智也は、ガーデンプロデュースの見積もり書を見せて言う。
「私の上司に値引きをする事を言ったら、生花代は大幅には下げられないと言われてしまいました。
その代わり、全体の色合いを任せてもらえたら、造花の方をリース無料にできますが……。
いかがでしょうか?」
「いえ、充分です。造花代をサービスしてもらえるなんて、それだけでも有難い事です。
当方が無理を言って申し訳ありません」
めちゃくちゃな事を頼んでいて悪いと思い、柚花は心から謝っている。
「いえ、私が紹介をしたので、返って すみません。
それで、どれくらいのゲストの人数になりそうですか?
会場の広さ、テーブルの数で花の量を検討しますから、決まっていれば知りたいです」
智也が言ったので、柚花が答える。
「はい、これから招待状を出すので何とも言えませんが、予定は50名くらいと考えています。
ですから、2階にある中広間辺りで考えています。
式の日取りは、5月1日に予定しています。
ゴールデンウィーク中ですから、結婚式を行う事を敬遠される方が多いのです。
招待状が着ても、既に都合が付かないゲストも多いかと思いますが、料金を削る為にこの日を利用します」
「そうですか、日数的に時間があまり無いですね。
早急に招待状を送ってもらわないと、こちらも準備ができません」
智也は、花屋として当然の事を言った。
「はい、ごもっともです。普通は、式場予約は挙式の1年から1年半前に予約をしていただきますから、今回は、本当に日数が足りません。
ゲストの人数も もっと少なくなる可能性もあるので、小会場の場合も想定しておきます」
「せめて、6月にしたら?」
智也が当たり前のように言った。
「はい、ジューンブライドですから、割と人気のある月なんです。
そして、夏ならと思い提案したところ、海外ウエディングに行くと仰って……その前に国内でやってしまいたいとのご希望です」
「はあ?海外……でもやるぅ?何だそれ!
その為の節約なのかっ?皆んなを悩ませて!
俺は、てっきり金が無いのかと……だから、協力しようとしていたのに!
柚花、ごめん、ごめんなさい。巻き込んですみません」
怒りと動揺で、素の智也に変身してしまっていた。
「あっ、他のお客様がいらっしゃいます!落ち着いて下さい!
……菊乃さんは、小さな頃から、海外ウエディングに憧れていたんですって。
それで、海外ウエディングに家族や友人を連れて行こうと打診をしたところ、実現するのは難しいという事になったそうです。
でも、皆んなにも祝ってもらいたい……だから、ここでも式を挙げる……。
贅沢かもしれないけれど、その気持ち、何となく分かります。
せっかく、このホテルにいらして下さったなら、精一杯の事は、させて頂きたいと思います。
お花屋さんには、御負担をかけてしまいますが、すみません」
「あ、取り乱してすみません。
こちらこそ、無理を言って申し訳ありませんが、菊乃たちの結婚式をよろしくお願いします。
それで、業務の話しに戻りますが、チャペル挙式ですか?」
「はい、そうです」
その後に、細かい事を決め何となくだが、婚礼式の大雑把な形が見えてきたのだった。
「お花屋さ……西崎さん、本日は有難うございま……ハァ……」
「うん?はあ?」と智也が不審に思って言った言葉は、柚花には届いていない。
次の瞬間……。
「ハックッショォイ!じゅる!」
柚花は、盛大にくしゃみをした。
はっ!
この感覚は!鼻から下の濡れてる感覚は!
やってしまいました……紙、紙はどこ?
智也は、上着のポケットに手を入れて、ティッシュペーパーを取り出し、3枚を柚花に黙って差し出す。
下を向くとテーブルに落ちそうだから、やや上向きの正面のまま受け取った。
穴があったら、入りたいとはこの事だ!
よりにもよって、二本氷柱だ!
もう、あなたに合わせる顔が無い!と思うけれど、菊乃さんの婚礼式があるから、そうもいかないよ!
神様、何故に今?こんな迫力のある くしゃみをさせたのですか?
「大丈夫?昨日、寒い思いさせてごめんね。
今度は、あったかい所にするからね」
智也さんに優しく言われ、私は天に昇って行きそうです……。
今度があるのですか?
こんな鼻垂れ氷柱女を誘ってくれるのですか?
ありがとう、神様!
ありがとう、智也さん!
私は、花屋 ガーデンプロデュースの西崎です。
例の格安婚の打ち合わせをしたいと思いまして……
都合が良ければ、そちらのホテルに行きますが、いかがですか?」
智也は、あくまでも仕事モードで話した。
「あ……あっ、そうですか。わかりました、2階にあるブライダルサロンで、お待ちしております」
柚花はそう言って、着替え直したのだった。
そうだ、このマスクを外した方がいいかしら?
智也さんが、風邪を引かせてしまった!と気にするといけないな……。
柚花は、着替えの為に閉めていたカーテンを開けて、再び、倉田チーフのいる方に行った。
「どうしたの?帰らないの?書類を持って、どこへ行くつもり?」
倉田チーフが戻ってきた柚花に驚いて聞いたのだ。
「はい、元木様の婚礼式のことで、お花屋さんとサロンで打ち合わせをしてきます。
今、サロンで打ち合わせをしているのは、野村さんですね。
倉田チーフと外崎さんは、もう上がりますよね?
お疲れ様です。では、行ってきます」
「丸山さん、無理をしないで早く帰るのよ」
倉田チーフは結構、部下思いなのだった。
……………………
倉田チーフは、心配をしてくれているけれど、市販の風邪薬が効いてきたみたい。
もうマスクは外しておこう。
サロンに行くと、お客様2人と野村さんが話していた。
柚花は、お客様に軽く会釈をして、一番奥にあるテーブルに行き、開けてあるドアの方向が見えるように座った。
柚花は、見積もりを見て考える。
この婚礼式は、ここをこうして、これは、アレにして頑張ってもらって……こうすれば……うん、ぼんやりと考えがまとまってきた!
「こんばんは、ガーデンプロデュースです。
失礼します」
いつもの仕事着を着て、智也がやって来たのだ。
「こんばんは。御足労頂き すみません。こちらへどうぞ」
柚花は、智也を迎え入れ席へと掛けてもらった。
……………………
智也は、ガーデンプロデュースの見積もり書を見せて言う。
「私の上司に値引きをする事を言ったら、生花代は大幅には下げられないと言われてしまいました。
その代わり、全体の色合いを任せてもらえたら、造花の方をリース無料にできますが……。
いかがでしょうか?」
「いえ、充分です。造花代をサービスしてもらえるなんて、それだけでも有難い事です。
当方が無理を言って申し訳ありません」
めちゃくちゃな事を頼んでいて悪いと思い、柚花は心から謝っている。
「いえ、私が紹介をしたので、返って すみません。
それで、どれくらいのゲストの人数になりそうですか?
会場の広さ、テーブルの数で花の量を検討しますから、決まっていれば知りたいです」
智也が言ったので、柚花が答える。
「はい、これから招待状を出すので何とも言えませんが、予定は50名くらいと考えています。
ですから、2階にある中広間辺りで考えています。
式の日取りは、5月1日に予定しています。
ゴールデンウィーク中ですから、結婚式を行う事を敬遠される方が多いのです。
招待状が着ても、既に都合が付かないゲストも多いかと思いますが、料金を削る為にこの日を利用します」
「そうですか、日数的に時間があまり無いですね。
早急に招待状を送ってもらわないと、こちらも準備ができません」
智也は、花屋として当然の事を言った。
「はい、ごもっともです。普通は、式場予約は挙式の1年から1年半前に予約をしていただきますから、今回は、本当に日数が足りません。
ゲストの人数も もっと少なくなる可能性もあるので、小会場の場合も想定しておきます」
「せめて、6月にしたら?」
智也が当たり前のように言った。
「はい、ジューンブライドですから、割と人気のある月なんです。
そして、夏ならと思い提案したところ、海外ウエディングに行くと仰って……その前に国内でやってしまいたいとのご希望です」
「はあ?海外……でもやるぅ?何だそれ!
その為の節約なのかっ?皆んなを悩ませて!
俺は、てっきり金が無いのかと……だから、協力しようとしていたのに!
柚花、ごめん、ごめんなさい。巻き込んですみません」
怒りと動揺で、素の智也に変身してしまっていた。
「あっ、他のお客様がいらっしゃいます!落ち着いて下さい!
……菊乃さんは、小さな頃から、海外ウエディングに憧れていたんですって。
それで、海外ウエディングに家族や友人を連れて行こうと打診をしたところ、実現するのは難しいという事になったそうです。
でも、皆んなにも祝ってもらいたい……だから、ここでも式を挙げる……。
贅沢かもしれないけれど、その気持ち、何となく分かります。
せっかく、このホテルにいらして下さったなら、精一杯の事は、させて頂きたいと思います。
お花屋さんには、御負担をかけてしまいますが、すみません」
「あ、取り乱してすみません。
こちらこそ、無理を言って申し訳ありませんが、菊乃たちの結婚式をよろしくお願いします。
それで、業務の話しに戻りますが、チャペル挙式ですか?」
「はい、そうです」
その後に、細かい事を決め何となくだが、婚礼式の大雑把な形が見えてきたのだった。
「お花屋さ……西崎さん、本日は有難うございま……ハァ……」
「うん?はあ?」と智也が不審に思って言った言葉は、柚花には届いていない。
次の瞬間……。
「ハックッショォイ!じゅる!」
柚花は、盛大にくしゃみをした。
はっ!
この感覚は!鼻から下の濡れてる感覚は!
やってしまいました……紙、紙はどこ?
智也は、上着のポケットに手を入れて、ティッシュペーパーを取り出し、3枚を柚花に黙って差し出す。
下を向くとテーブルに落ちそうだから、やや上向きの正面のまま受け取った。
穴があったら、入りたいとはこの事だ!
よりにもよって、二本氷柱だ!
もう、あなたに合わせる顔が無い!と思うけれど、菊乃さんの婚礼式があるから、そうもいかないよ!
神様、何故に今?こんな迫力のある くしゃみをさせたのですか?
「大丈夫?昨日、寒い思いさせてごめんね。
今度は、あったかい所にするからね」
智也さんに優しく言われ、私は天に昇って行きそうです……。
今度があるのですか?
こんな鼻垂れ氷柱女を誘ってくれるのですか?
ありがとう、神様!
ありがとう、智也さん!
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