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揺れる想い
チャペルでの ひと時 ★
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柚花は、今 カレンダホテルのチャペルに来ている。
中に入り、壇上に立ち当日のシミュレーションをしていた。
プロポーズ大作戦の時に使用したテーブルは撤去してあるから、ベンチだけが並んでいる。
「ベンチの背もたれ脇に造花を挿せばいいかな。
あと、祭壇はどうしようか?」
シーンとしているチャペル内で、1人は寂しいから声に出して言ってみた。
ブルブル、ブルブル……
突然、携帯電話の振動がしてドキッとした。
智也さんの先約仕事が早く終わったから、こちらに来るという連絡だった。
「丸山さん、今、何処にいますか?」
智也は、キッチリと仕事モードで尋ねた。
柚花がチャペルにいると答えたら、ここで待つように言われたのだ。
それから、すぐにドアノック音がした。
あれ、もう、来た?
「こんにちは、実は ここの駐車場から電話をしました。驚きました?」
訪ねて来たのは、やはり智也だった。
智也は、腕時計を確認して言う。
「はい、只今、私の休憩時間となりました。
さあ、フレンドリーに話そうか?
他の人がいたら無理だけど、2人きりならいいよね?」
そんな事を言う智也に驚いた。
キャラが違うのでは?と戸惑う柚花。
「こんな事言ったら失礼ですが、智也さんのお友達、えーと、前沢さんは、あなたの事を無口と言っていたけど、私には、そうは思えないです……。
本当に無口なんですか?」
「えっ?俺が?無口だって?えー!
あー、言われてみれば……女性の前では自分から話さないかも!
でも、聞かれた事には、きちんと答えているつもりだよ。
特に綺麗な女性なら尚更、話しかけたりしないかも……。恥ずかしいと言うより、苦手かな?」
ぐさっ!
私には、思いっきり 話しかけていると思います!
ふーん、そういうことですかっ!
あっ、でも私と居ても、ほとんど話さない時もある!
もしかして、少しだけ綺麗という事でいいのかな?そうなの?
柚花の心の声が届いたのか定かでないが、智也が付け加えて言う。
「あっ、俺は基本、食事中は話さない。
和希たちと食事に行っても、食べている間は話さないかな?聞かれた事だけは返事をするけど。
子どもの頃に親から、口に物が入っている時は、話さないようにと言われて、育ったからかもしれない……。
うーん、だから、俺的には友達と普通に話していると思うよ?」
「あ、そっか、だから私には普通に接してくれるのね!あはは……」
あはは……虚しい。お友達と言う、お言葉を頂きました!
まっ、別にいいですよ。
男友達が出来ただけでも良しとします。
では、では、仕事を頑張りましょう!
「じゃあ、休憩中の智也さんには悪いですけど、こっちは仕事をさせて頂きますね」
柚花は、智也にブーケなどの件を確認した。
「ブーケとコサージュ……てか、ブートニアとブーケトス用を俺が作ってプレゼントするけど、本人たちには、言わないで!
元彼からだなんて、変だから!」
そう智也が言ったが、柚花は菊乃に既に伝えてあるのだった。
「ごめんなさい、菊乃さんだけには言ってあるの。
それで、ブーケトスなんだけど、そんな大切なブーケを投げられない!と菊乃さんが言って、代わりにブーケプルズをする事になったんだ」
「へえ、ブーケプルズかぁ。
作る側としては、その方が嬉しいよ」
智也が喜んでくれて、柚花も嬉しくなった。
「ブーケに1つだけリボンを結びつけて、女性ゲスト全員に数本のリボンの中から、1つ選んで引き当ててもらうというゲーム。
このチャペルドア内から外へと、女性ゲストがリボンを引いて歩いて外に出てもらうくらいで、正解が判るって感じにしようかな」
柚花が言うと、智也は盛り上がるといいねと言ったのだった。
「あ、またまた、休憩中で悪いけど、この祭壇の飾りは造花だとショボいかしら?
ここは写真に残こる可能性が高いから、生花がいいでしょ?」
「うん、あまりゲストからは気にならない場所かもしれないけど、写真に残って後悔されたら嫌だし、ここは生花の方がいいかもね」
「そっか、そうよね。じゃあ、ここは生花の装花でお願いします」
「了解」
智也は、笑顔で軽く返事をしてから話す。
「柚花って、いっつも他人の事に一生懸命なんでしょう?
ストレスが溜まるんじゃない?大丈夫?」
うわっ!異性から、こんな心配をされたのは初めてです!
ありがとう、ありがとう!智也さん!
いや、とても感激でございます!
「うーん、私 この仕事が好きなんだと思う。
お客様の幸せな顔を見ていると、自分も その時は幸せ気分になれるの。
けど、自分の事も考えているよ?
だって、去年、智也さんに恋人のフリをしてもらって、元彼をギャフンと言わせたし!
最近、老後の為に小銭貯金を始めたし!」
ほら、私、自分の事も考えているでしょっ?と言うように、最後のところを特別、得意そうな顔で言ったのだった。
「もう、老後の事?何故?
まさか、結婚をしないで、1人で生きていく!とかってヤツなの?」
智也は、驚いて思わず聞いたのだった。
「そりゃあ、出逢いがあれば結婚をするかもしれないけど、その兆しが見えないもの。
縁なんて、何処にも転がっていないもの。
行末を考えておかないとって、覚悟を決めたところなの!」
柚花は、切実な思いを吐露したのだった。
人に聞いてもらえて、少しスッキリした気分になった。
「あ、智也さん、そろそろ仕事に戻らなくていいの?
後は、詳細を書面にして送ります。
わざわざ、お越し頂きありがとうございました」
柚花は、丁寧にお辞儀をしたのだった。
下を向いていると、巻きリボンがコロコロと転がってきた。
「 ! 」
「あれ?智也さん、リボンが落ちてる!」
柚花は、転がったリボンを智也に手渡した。
ふふっ、ポケットから落ちたのかしら?
柚花は、そう思っているが、智也はポケットから巻きリボンを取り出し、わざと落としたのだ。
「拾ってくれて、ありがとう。
これ、丸いよね?エンだよね?
じゃあ、エンって事にしよう。じゃあ、仕事に戻るよ!」
「?、はい、本日はありがとうございました。
気をつけて、仕事に戻って下さい」
外に出て智也を見送り、再び、チャペルの中に戻り、何を言われたのかを考えてみる……。
なんか、ダジャレを言ったのかも?
残念ながら、智也が言った言葉は、今の柚花には伝わっていないようだ。
日が暮れてきた、もう、ホテルに戻ろう!
「もうすぐ、元木様、菊乃様の婚礼式だ!
笑顔一杯の婚礼式になるといいなぁ」
柚花がいなくなったチャペルはシーンと静まり返っていた……。
中に入り、壇上に立ち当日のシミュレーションをしていた。
プロポーズ大作戦の時に使用したテーブルは撤去してあるから、ベンチだけが並んでいる。
「ベンチの背もたれ脇に造花を挿せばいいかな。
あと、祭壇はどうしようか?」
シーンとしているチャペル内で、1人は寂しいから声に出して言ってみた。
ブルブル、ブルブル……
突然、携帯電話の振動がしてドキッとした。
智也さんの先約仕事が早く終わったから、こちらに来るという連絡だった。
「丸山さん、今、何処にいますか?」
智也は、キッチリと仕事モードで尋ねた。
柚花がチャペルにいると答えたら、ここで待つように言われたのだ。
それから、すぐにドアノック音がした。
あれ、もう、来た?
「こんにちは、実は ここの駐車場から電話をしました。驚きました?」
訪ねて来たのは、やはり智也だった。
智也は、腕時計を確認して言う。
「はい、只今、私の休憩時間となりました。
さあ、フレンドリーに話そうか?
他の人がいたら無理だけど、2人きりならいいよね?」
そんな事を言う智也に驚いた。
キャラが違うのでは?と戸惑う柚花。
「こんな事言ったら失礼ですが、智也さんのお友達、えーと、前沢さんは、あなたの事を無口と言っていたけど、私には、そうは思えないです……。
本当に無口なんですか?」
「えっ?俺が?無口だって?えー!
あー、言われてみれば……女性の前では自分から話さないかも!
でも、聞かれた事には、きちんと答えているつもりだよ。
特に綺麗な女性なら尚更、話しかけたりしないかも……。恥ずかしいと言うより、苦手かな?」
ぐさっ!
私には、思いっきり 話しかけていると思います!
ふーん、そういうことですかっ!
あっ、でも私と居ても、ほとんど話さない時もある!
もしかして、少しだけ綺麗という事でいいのかな?そうなの?
柚花の心の声が届いたのか定かでないが、智也が付け加えて言う。
「あっ、俺は基本、食事中は話さない。
和希たちと食事に行っても、食べている間は話さないかな?聞かれた事だけは返事をするけど。
子どもの頃に親から、口に物が入っている時は、話さないようにと言われて、育ったからかもしれない……。
うーん、だから、俺的には友達と普通に話していると思うよ?」
「あ、そっか、だから私には普通に接してくれるのね!あはは……」
あはは……虚しい。お友達と言う、お言葉を頂きました!
まっ、別にいいですよ。
男友達が出来ただけでも良しとします。
では、では、仕事を頑張りましょう!
「じゃあ、休憩中の智也さんには悪いですけど、こっちは仕事をさせて頂きますね」
柚花は、智也にブーケなどの件を確認した。
「ブーケとコサージュ……てか、ブートニアとブーケトス用を俺が作ってプレゼントするけど、本人たちには、言わないで!
元彼からだなんて、変だから!」
そう智也が言ったが、柚花は菊乃に既に伝えてあるのだった。
「ごめんなさい、菊乃さんだけには言ってあるの。
それで、ブーケトスなんだけど、そんな大切なブーケを投げられない!と菊乃さんが言って、代わりにブーケプルズをする事になったんだ」
「へえ、ブーケプルズかぁ。
作る側としては、その方が嬉しいよ」
智也が喜んでくれて、柚花も嬉しくなった。
「ブーケに1つだけリボンを結びつけて、女性ゲスト全員に数本のリボンの中から、1つ選んで引き当ててもらうというゲーム。
このチャペルドア内から外へと、女性ゲストがリボンを引いて歩いて外に出てもらうくらいで、正解が判るって感じにしようかな」
柚花が言うと、智也は盛り上がるといいねと言ったのだった。
「あ、またまた、休憩中で悪いけど、この祭壇の飾りは造花だとショボいかしら?
ここは写真に残こる可能性が高いから、生花がいいでしょ?」
「うん、あまりゲストからは気にならない場所かもしれないけど、写真に残って後悔されたら嫌だし、ここは生花の方がいいかもね」
「そっか、そうよね。じゃあ、ここは生花の装花でお願いします」
「了解」
智也は、笑顔で軽く返事をしてから話す。
「柚花って、いっつも他人の事に一生懸命なんでしょう?
ストレスが溜まるんじゃない?大丈夫?」
うわっ!異性から、こんな心配をされたのは初めてです!
ありがとう、ありがとう!智也さん!
いや、とても感激でございます!
「うーん、私 この仕事が好きなんだと思う。
お客様の幸せな顔を見ていると、自分も その時は幸せ気分になれるの。
けど、自分の事も考えているよ?
だって、去年、智也さんに恋人のフリをしてもらって、元彼をギャフンと言わせたし!
最近、老後の為に小銭貯金を始めたし!」
ほら、私、自分の事も考えているでしょっ?と言うように、最後のところを特別、得意そうな顔で言ったのだった。
「もう、老後の事?何故?
まさか、結婚をしないで、1人で生きていく!とかってヤツなの?」
智也は、驚いて思わず聞いたのだった。
「そりゃあ、出逢いがあれば結婚をするかもしれないけど、その兆しが見えないもの。
縁なんて、何処にも転がっていないもの。
行末を考えておかないとって、覚悟を決めたところなの!」
柚花は、切実な思いを吐露したのだった。
人に聞いてもらえて、少しスッキリした気分になった。
「あ、智也さん、そろそろ仕事に戻らなくていいの?
後は、詳細を書面にして送ります。
わざわざ、お越し頂きありがとうございました」
柚花は、丁寧にお辞儀をしたのだった。
下を向いていると、巻きリボンがコロコロと転がってきた。
「 ! 」
「あれ?智也さん、リボンが落ちてる!」
柚花は、転がったリボンを智也に手渡した。
ふふっ、ポケットから落ちたのかしら?
柚花は、そう思っているが、智也はポケットから巻きリボンを取り出し、わざと落としたのだ。
「拾ってくれて、ありがとう。
これ、丸いよね?エンだよね?
じゃあ、エンって事にしよう。じゃあ、仕事に戻るよ!」
「?、はい、本日はありがとうございました。
気をつけて、仕事に戻って下さい」
外に出て智也を見送り、再び、チャペルの中に戻り、何を言われたのかを考えてみる……。
なんか、ダジャレを言ったのかも?
残念ながら、智也が言った言葉は、今の柚花には伝わっていないようだ。
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