ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

文字の大きさ
47 / 129
揺れる想い

いよいよだ!

しおりを挟む
 智也は、癒しの小道を足早に歩き、駐車場を目指している。


「ヤバーい!俺、完全にスベったな!はぁ」

 智也は、呟いて小走りとなった。


(どさくさに紛れて微妙な事をしてしまった……!

 柚花が、縁は何処にも転がっていないと言ったから……。

 巻きリボンは円形だろう?エンだ!
 
 つまり、巻きリボンを縁に見立てて転がして、縁が転がっているという事にしてみた!

 それで、柚花がその縁を拾った!って事にしたんだけど……。

 伝わっていないみたいだった。

 あー、恥ずっ!

 もう、気がつかないでいいですから!
 忘れて下さい、お願いします!)


 こうして、智也はカレンダホテルを後にしたのだった。

…………………

 さて、その後、目まぐるしく時は過ぎ。


 いよいよ、元木様 菊乃様の婚礼式当日となった。


 スタッフルームでは、柚花を中心にミーティングをしている。


 心配していた雨ではなく晴れとなり、ひとまずホッとした柚花だ。



「本日の披露宴の司会を 支配人が引き受けて下さいました。

 なので、倉田チーフは披露宴会場担当として、支配人のサポートも お願いします」


 柚花が言うと、倉田チーフが「はい」と頷いた。


「軽米さんは、新郎新婦担当です。
よろしくお願いします」


「挙式担当は、野村さんです。
よろしくお願いします」

 軽米も野村も返事をした。

「そして、外崎さん、緑川さんは、私と共に何でもサポートをして下さい。よろしくお願いします」


「はい、僕たちは丸山さんのシモベっすね?

 了解しました!」


「コラっ!外崎さん、そんな言葉はいけません!」


「はい、すみません。倉田チーフ!」

 すぐさま、外崎は謝ったのだった。

「丸山さん、何でもしますが、着ぐるみは勘弁して下さい!」と緑川が言った。


「さあ、どうかな?多分、大丈夫かしら?」

 予定は無いが、緑川の反応が面白いから、曖昧に答えた柚花なのだった。


「それでは、皆さん、打ち合わせ通りでお願いします!
 スタッフ全員で、楽しい婚礼式にするべく、盛り上げていきましょう!

本日も一日、宜しくお願いします」


 大きな声で柚花が言うと、皆も応じる。


「はい、よろしくお願いします!」

 スタッフ全員の気合いが入った瞬間だ。

 ………………………

「外崎さん、緑川さんはチャペルの準備をしていて下さい。私は、ブーケを受け取り、新婦に渡してからチャペルへ行きます。

 それと、アルバイトさん2名が来るはずだから、説明をよろしくお願いします」


 そう言い残し、柚花は披露宴会場に行く。


 会場は予定通り中広間だが、ゲストは随分と少なく36人となった。


 ゴールデンウィーク中ということで、都合がつかない方と、海外ウェディングに付いて行くと言う友人が現れた為なのだ。


柚花は、「お疲れ様です」と小さな声で言い、会場の中へ入って行く。


 披露宴会場の装花は、思っていた以上に、とても華やいだ雰囲気となっていた。


「わぁ、素敵!会場のメインカラーは、黄色なんですね。

 黄色のガーベラを中心に、黄色のダリア、白のカスミ草が入っていて、元気で可愛い感じですね。

 メインテーブルの下に垂れているグリーンも素敵!」


 柚花は、マイクスタンドの飾り付けをしていた智也に言った。


「でしょう?いい感じになりました。

あのメインテーブルのグリーンは、造花です。

本物そっくりで、見分けがつかないような物です」


 智也に言われて、驚き近くへ寄って見てみる。


「本当に作り物の葉っぱですか?

へぇ、分かりません。凄いわ」


「あと、司会者台の装花は、みんな造花です。

本物みたいだけど、実は……ってヤツです」

智也に言われて見てみると、グリーンが多めで白いバラが飾られていた。
本物にしか見えず、柚花は驚いたのだった。


「造花なんて!とバカにできないですね。

 分からないものなんですね」


  柚花は、仕事中の智也から離れて、今度はゲストテーブルを見に行く。


 そこでは智也と会場に来た後藤が、作業をしていた。


「おはようございます。お疲れ様です。

こちらも黄色いガーベラとダリアがメインなんですね。このグリーンは本物ですか?

ゲストテーブルは、レース生地とリボンを使用して、とっても可愛いです。ブーケみたい」


 柚花が言うと、後藤が答える。


「葉っぱ は、本物です。これ同じチームの川口さんから言われ、昨日、作っておいて持って来たんす。

 なんせ、今日は人件費削減だから、川口さんはいないんですよ。

 んで、花束を作って花瓶に挿すだけにすれば、効率がいいってことっすね」


「こらっ、余計な事を言うな!

 すみません、気にしないで下さい。

 それより、生花のブーケとブートニアとブーケプルズ用を作りました。

 この袋の中にありますから、あとは、よろしくお願いします」


 袋を受け取り、中を見ると濃いピンクの芍薬とグリーンのブーケとブートニアで、もうひとつは、色んなピンクと白と緑の大輪のカーネーションのみで、丸く仕上げてあるブーケだった。


「あっ、どれも可愛いですね。
ありがとうございました。菊乃さんも、きっと喜びますね。では、お預かりします」


……………………

 菊乃は、ブーケを見て とても感激した様子だった。


「ブーケを作ってくれたお花屋さんに、宜しくお伝え下さい。とても素晴らしいブーケです。

 ありがとうございましたって……」


 嬉しそうにしている新婦と新郎を見て、柚花は思うのだ。


 智也さんって、心が広い人なんだな……。


 元カノの結婚の為にブーケを作って、しかもプレゼントするなんて、なかなか出来る事じゃないもの!


 智也がプレゼントをしてくれるのだと勘違いをして、こうなった事を知らない柚花は、感激していたのだった。


 そして、チャペルの方の準備も整った頃、受付担当を依頼された新郎新婦の関係者がチャペルを訪れた。


「丸山さん、久しぶりだね」


 その声に振り向くと、たっ君がいたのだった。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

結婚する事に決めたから

KONAN
恋愛
私は既婚者です。 新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。 まずは、離婚してから行動を起こします。 主な登場人物 東條なお 似ている芸能人 ○原隼人さん 32歳既婚。 中学、高校はテニス部 電気工事の資格と実務経験あり。 車、バイク、船の免許を持っている。 現在、新聞販売店所長代理。 趣味はイカ釣り。 竹田みさき 似ている芸能人 ○野芽衣さん 32歳未婚、シングルマザー 医療事務 息子1人 親分(大島) 似ている芸能人 ○田新太さん 70代 施設の送迎運転手 板金屋(大倉) 似ている芸能人 ○藤大樹さん 23歳 介護助手 理学療法士になる為、勉強中 よっしー課長(吉本) 似ている芸能人 ○倉涼子さん 施設医療事務課長 登山が趣味 o谷事務長 ○重豊さん 施設医療事務事務長 腰痛持ち 池さん 似ている芸能人 ○田あき子さん 居宅部門管理者 看護師 下山さん(ともさん) 似ている芸能人 ○地真央さん 医療事務 息子と娘はテニス選手 t助 似ている芸能人 ○ツオくん(アニメ) 施設医療事務事務長 o谷事務長異動後の事務長 雄一郎 ゆういちろう 似ている芸能人 ○鹿央士さん 弟の同級生 中学テニス部 高校陸上部 大学帰宅部 髪の赤い看護師(川木えみ) 似ている芸能人 ○田來未さん 准看護師 ヤンキー 怖い

今宵、薔薇の園で

天海月
恋愛
早世した母の代わりに妹たちの世話に励み、婚期を逃しかけていた伯爵家の長女・シャーロットは、これが最後のチャンスだと思い、唐突に持ち込まれた気の進まない婚約話を承諾する。 しかし、一か月も経たないうちに、その話は先方からの一方的な申し出によって破談になってしまう。 彼女は藁にもすがる思いで、幼馴染の公爵アルバート・グレアムに相談を持ち掛けるが、新たな婚約者候補として紹介されたのは彼の弟のキースだった。 キースは長年、シャーロットに思いを寄せていたが、遠慮して距離を縮めることが出来ないでいた。 そんな弟を見かねた兄が一計を図ったのだった。 彼女はキースのことを弟のようにしか思っていなかったが、次第に彼の情熱に絆されていく・・・。

政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅
恋愛
きみのことなんてしらないよ 関係ないし、興味もないな。 ただ一つ言えるのは 君と僕は一生一緒にいなくちゃならない事だけだ。

【完結】逃がすわけがないよね?

春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。 それは二人の結婚式の夜のことだった。 何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。 理由を聞いたルーカスは決断する。 「もうあの家、いらないよね?」 ※完結まで作成済み。短いです。 ※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。 ※カクヨムにも掲載。

妹のために愛の無い結婚をすることになりました

バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」 愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。 婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。 私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。 落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。 思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。

リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした〜

ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。 イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。 8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。 ※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。

処理中です...