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想いはどこへ
動揺しています!
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今日は定時で上がれたし、智也さんにメッセージを送ってみよう。
携帯画面を開いたら、智也さんからメッセージが着ていた。
“今夜、会える?”
という文面に気分が上がる。
ええ、会えますよ!会えますとも!
私も連絡しようと思っていました!
“仕事は終わりました。会えます。
いつでもOK、連絡下さい”
と返信した。
柚花は、駐車場に向かい軽やかに歩いていたら、智也から返信が着たのだ。
“ホテルのお客様駐車場で、待ってます”
えっ、もう来ているの?
じゃあ、取り敢えず車でお客様駐車場へ向かうから、待っていてね。
柚花が車の鍵を開けた時に、声をかけられた。
「えっ?あっ、野口!……さん。
もう仕事が終わったんだ……。
何、なんか用?」
柚花は、ぶっきら棒に聞いた。
この男は、私の元彼(私だけがそう思っていたらしい)の野口シェフだ。
コイツが私にイビキをかいているよと言った……。
「丸ちゃん、久しぶり。ちょっと海外に行ってきた。
そうだ、そうだ!お土産を買ってきたぞ。
丸ちゃんのために買ってきたんだから!
車の中に置いてある。
前からヴェネツィアングラスを欲しがっていただろう。
以前の旅行で、財布を盗まれて買ってきてやれなかったからさ……。
約束を思い出したから買ってきた。
小さな花瓶だけど、綺麗な物だよ。
取ってくるから、待っていて」
野口がそう言って、車へと走り始めたから、柚花が大声で言う。
「買ってきてくれて、ありがとう!でも、いらない!いらないから!誰か他の女にあげて!
じゃあ、さようなら」
柚花は、車に乗り込んでエンジンをかけた。
もう、縁は断ち切ったのだから、貰えるはずないじゃない。
柚花は、車に乗り込んだ野口の前を通過して、お客様駐車場へと向かった。
ここから出るには、どのみちお客様駐車場を通って帰るしかないから、当然、野口も柚花の後に続いて車を走らせている。
智也さんは、どこにいるかな?
まあ、この辺りに車を止めちゃおう。
柚花がバックで駐車をしていたら、野口は、すぐ近くにサッと入れて、車から降りた。
車から降りた柚花に、袋を差し出して言う。
「旅行中、ずっと丸ちゃんの事を考えていた。
ヴェネツィアングラスを選びながら、よりを戻せないかなって思った。
今度は、正式に付き合いたいんだ。
結婚前提でいいから、付き合って欲しい」
思いがけない言葉に、柚花は固まった。
この言葉をどんなに待っていたことか。
でもね、噂で聞いている。
お前は、私の次に付き合っていた配膳係の彼女と別れたらしいと……。
別れて寂しいから、取り敢えず、こっちでいいかって事なんでしょ?
間に合わせの女って事よね?
“結婚前提でいい”って何様だよ!
待っていたのは、お前じゃない!
付き合って下さい!って言葉を待っていたのは、お前からでは無い!
一生、無いかもしれないけど。
結婚前提というのも無いかもしれないけど、お前じゃない!
「冗談でしょ?彼女と別れて寂しいから言っているんでしょう?」
腹が立ちながらも、平静を装って柚花は言った。
「あ、知ってたのか。
他の女と付き合ってみたから、丸ちゃんの良さがよくわかったんだ。
料理なんて、慣れれば上手くなるし、そんなのどうでもいいって思った。
もう一度、やり直したいんだ。
お願いします。ダメかな?」
えっ!お願いパターンで来るのかっ!
でも……。
「もう元には、戻れない。ごめんね。
私、付き合っていなかったと言われて、随分、傷ついたんだよ。
だから、よりを戻すことはありません。
お土産は、誰かにあげて下さい。
ただ、約束を思い出してくれて、ありがとう。
これからは、同じホテルで働く仲間として、よろしくね」
柚花は、心臓のドキドキを隠しながら、やっと言い切った。
「そっか!ダメなのか。
けっこう本気で言ったつもりだったのに。木っ端微塵にフラれたっ!
わかった、仲間として、よろしくな!
今度、料理を教えてやるよ。
じゃあ、またね」
「うん、またね」
柚花は、軽く手を振るが、思っている。
そんなに私の料理が不味いってこと?
お前は、微妙に私を傷つけて帰るのか。
野口は、車に乗り込み去って行ったのだった。
柚花は、ぼうっと立ち尽くしている。
もう、こういう告白は二度とないかもしれないな……。
それでも、いい。これで、いいんだ!
まだ、胸が鼓動を打っている。
とにかく、ちょっと座って落ち着こう。
柚花は、智也のことを忘れて車に乗り込み、エンジンをかけた。
ふぅ、帰ろうかな……。
コンコン!
運転席の窓を軽くノックする手が見えた。
何だろうと窓を開けると智也さんがいた。
「 ! 」
ヤバい!すっかり忘れていた。
帰ろうかと思っていた。
「柚花、どこに行く気だったの?
俺の車、向こうだから行こう」
何となく智也さんが不機嫌な気がする。
それもそうか、私、智也さんを忘れて帰ろうとしていたものね……。
「乗って」
智也は、外から助手席のドアを開けて、柚花が乗るのを待つ。
「あっ、はい、すみません、お邪魔します……」
柚花は助手席に座る。
「じゃあ、行こう」と智也が言って、車を発進させたのだった。
何処へ行くの?と聞きたかったけれど、聞きそびれちゃった。
まだ、動揺しているから会話ができない。
智也さんの横顔をチラッと見ると、ああ、鼻が高い……って、見とれている場合じゃない。
怒っているみたい……。
ずっと無言だ……。
(俺は、君が告白されている場面に出くわした。
アイツは、元彼だろう。
何て返事をするのか、ドキドキしながら、車高の高い車の陰で聞いていた。
俺が偽彼氏になった あの日、君はアイツのせいで泣いていた。
泣くほど好きだった相手に告白されて、どう応えるのか。
俺は、動揺した。物凄く動揺した。
あと少しで、割って入ろうとしていた。
しかし、君は断った……。
良かった。でも、君の気が変わったら、どうしよう……。
俺は、まだ動揺している。
どんな話しをしたらいいかも分からない……)
「あのぉ、智也さん、どこに行くのかしら?この先は、工場しかないと思うけど……」
「あっ!ごめん」
智也は、柚花の胸辺りに腕を伸ばし庇う様な格好で、急ブレーキをかけた。
「柚花、大丈夫?ごめんね、ごめん」
智也は、平謝りだ。
「いいけど、どこに行くつもりだったの?」
柚花は、やっと聞くことができた。
「あっ、えっと、えーと、ショッピングモール?かな」
ノープランだったと分かる智也の返事だが、なぜ、工場にやって来たのかは不明なのだ。
「気を取り直して、ショッピングモールに行こう」
いつもの智也さんに戻ってくれたみたい。
「うん、行こうね」と柚花が返事をした。
柚花も平常心に戻れたのだった。
(ヴェネツィアングラスって、どこに売っているんだろう?)
智也は、考えているのだった。
携帯画面を開いたら、智也さんからメッセージが着ていた。
“今夜、会える?”
という文面に気分が上がる。
ええ、会えますよ!会えますとも!
私も連絡しようと思っていました!
“仕事は終わりました。会えます。
いつでもOK、連絡下さい”
と返信した。
柚花は、駐車場に向かい軽やかに歩いていたら、智也から返信が着たのだ。
“ホテルのお客様駐車場で、待ってます”
えっ、もう来ているの?
じゃあ、取り敢えず車でお客様駐車場へ向かうから、待っていてね。
柚花が車の鍵を開けた時に、声をかけられた。
「えっ?あっ、野口!……さん。
もう仕事が終わったんだ……。
何、なんか用?」
柚花は、ぶっきら棒に聞いた。
この男は、私の元彼(私だけがそう思っていたらしい)の野口シェフだ。
コイツが私にイビキをかいているよと言った……。
「丸ちゃん、久しぶり。ちょっと海外に行ってきた。
そうだ、そうだ!お土産を買ってきたぞ。
丸ちゃんのために買ってきたんだから!
車の中に置いてある。
前からヴェネツィアングラスを欲しがっていただろう。
以前の旅行で、財布を盗まれて買ってきてやれなかったからさ……。
約束を思い出したから買ってきた。
小さな花瓶だけど、綺麗な物だよ。
取ってくるから、待っていて」
野口がそう言って、車へと走り始めたから、柚花が大声で言う。
「買ってきてくれて、ありがとう!でも、いらない!いらないから!誰か他の女にあげて!
じゃあ、さようなら」
柚花は、車に乗り込んでエンジンをかけた。
もう、縁は断ち切ったのだから、貰えるはずないじゃない。
柚花は、車に乗り込んだ野口の前を通過して、お客様駐車場へと向かった。
ここから出るには、どのみちお客様駐車場を通って帰るしかないから、当然、野口も柚花の後に続いて車を走らせている。
智也さんは、どこにいるかな?
まあ、この辺りに車を止めちゃおう。
柚花がバックで駐車をしていたら、野口は、すぐ近くにサッと入れて、車から降りた。
車から降りた柚花に、袋を差し出して言う。
「旅行中、ずっと丸ちゃんの事を考えていた。
ヴェネツィアングラスを選びながら、よりを戻せないかなって思った。
今度は、正式に付き合いたいんだ。
結婚前提でいいから、付き合って欲しい」
思いがけない言葉に、柚花は固まった。
この言葉をどんなに待っていたことか。
でもね、噂で聞いている。
お前は、私の次に付き合っていた配膳係の彼女と別れたらしいと……。
別れて寂しいから、取り敢えず、こっちでいいかって事なんでしょ?
間に合わせの女って事よね?
“結婚前提でいい”って何様だよ!
待っていたのは、お前じゃない!
付き合って下さい!って言葉を待っていたのは、お前からでは無い!
一生、無いかもしれないけど。
結婚前提というのも無いかもしれないけど、お前じゃない!
「冗談でしょ?彼女と別れて寂しいから言っているんでしょう?」
腹が立ちながらも、平静を装って柚花は言った。
「あ、知ってたのか。
他の女と付き合ってみたから、丸ちゃんの良さがよくわかったんだ。
料理なんて、慣れれば上手くなるし、そんなのどうでもいいって思った。
もう一度、やり直したいんだ。
お願いします。ダメかな?」
えっ!お願いパターンで来るのかっ!
でも……。
「もう元には、戻れない。ごめんね。
私、付き合っていなかったと言われて、随分、傷ついたんだよ。
だから、よりを戻すことはありません。
お土産は、誰かにあげて下さい。
ただ、約束を思い出してくれて、ありがとう。
これからは、同じホテルで働く仲間として、よろしくね」
柚花は、心臓のドキドキを隠しながら、やっと言い切った。
「そっか!ダメなのか。
けっこう本気で言ったつもりだったのに。木っ端微塵にフラれたっ!
わかった、仲間として、よろしくな!
今度、料理を教えてやるよ。
じゃあ、またね」
「うん、またね」
柚花は、軽く手を振るが、思っている。
そんなに私の料理が不味いってこと?
お前は、微妙に私を傷つけて帰るのか。
野口は、車に乗り込み去って行ったのだった。
柚花は、ぼうっと立ち尽くしている。
もう、こういう告白は二度とないかもしれないな……。
それでも、いい。これで、いいんだ!
まだ、胸が鼓動を打っている。
とにかく、ちょっと座って落ち着こう。
柚花は、智也のことを忘れて車に乗り込み、エンジンをかけた。
ふぅ、帰ろうかな……。
コンコン!
運転席の窓を軽くノックする手が見えた。
何だろうと窓を開けると智也さんがいた。
「 ! 」
ヤバい!すっかり忘れていた。
帰ろうかと思っていた。
「柚花、どこに行く気だったの?
俺の車、向こうだから行こう」
何となく智也さんが不機嫌な気がする。
それもそうか、私、智也さんを忘れて帰ろうとしていたものね……。
「乗って」
智也は、外から助手席のドアを開けて、柚花が乗るのを待つ。
「あっ、はい、すみません、お邪魔します……」
柚花は助手席に座る。
「じゃあ、行こう」と智也が言って、車を発進させたのだった。
何処へ行くの?と聞きたかったけれど、聞きそびれちゃった。
まだ、動揺しているから会話ができない。
智也さんの横顔をチラッと見ると、ああ、鼻が高い……って、見とれている場合じゃない。
怒っているみたい……。
ずっと無言だ……。
(俺は、君が告白されている場面に出くわした。
アイツは、元彼だろう。
何て返事をするのか、ドキドキしながら、車高の高い車の陰で聞いていた。
俺が偽彼氏になった あの日、君はアイツのせいで泣いていた。
泣くほど好きだった相手に告白されて、どう応えるのか。
俺は、動揺した。物凄く動揺した。
あと少しで、割って入ろうとしていた。
しかし、君は断った……。
良かった。でも、君の気が変わったら、どうしよう……。
俺は、まだ動揺している。
どんな話しをしたらいいかも分からない……)
「あのぉ、智也さん、どこに行くのかしら?この先は、工場しかないと思うけど……」
「あっ!ごめん」
智也は、柚花の胸辺りに腕を伸ばし庇う様な格好で、急ブレーキをかけた。
「柚花、大丈夫?ごめんね、ごめん」
智也は、平謝りだ。
「いいけど、どこに行くつもりだったの?」
柚花は、やっと聞くことができた。
「あっ、えっと、えーと、ショッピングモール?かな」
ノープランだったと分かる智也の返事だが、なぜ、工場にやって来たのかは不明なのだ。
「気を取り直して、ショッピングモールに行こう」
いつもの智也さんに戻ってくれたみたい。
「うん、行こうね」と柚花が返事をした。
柚花も平常心に戻れたのだった。
(ヴェネツィアングラスって、どこに売っているんだろう?)
智也は、考えているのだった。
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