ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

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ある日、突然。

複雑な気持ち……

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「わっ、たっ君、いえ、折原さん、どうして、ここにいるの?」

 柚花は、とても驚いている。

「えっ、コンビニの前を通ったから、夜ご飯を買おうと思って……。そしたら、丸山さんが入って来たから、びっくりです」

 匠海も驚いて言った。

「私は、持ち帰りの仕事をしていたんですけど、煮詰まっちゃって、気晴らしにきました。

 折原さんは、何を買うのかな?」

 柚花は、匠海の持つカゴの中を覗いて言った。


「夜ご飯のエビサラダとお握り2個、中身は、ツナマヨ、エビマヨです」

 匠海は、中を見ながら柚花に報告をした。


「あー、たっ、折原さん、もしかして、マヨラーなの?私も、いつもこの2つは外せないんです。

 美味しいですよね。

 それにしても、夜ご飯なのに、これで足ります?」

 男性には物足りないだろうと、思わず聞いてしまったのだ。


「あ、わりと少食なんです」

 恥ずかしそうに匠海が答えた。


「えっ、そうなの?以前、一緒に食事をした時に大盛りを注文していましたよね?」


「ああ、あの時は軽米さん1人だけだと大盛りを注文しづらいかな?って僕が勝手につきあって頼んだだけです」


「あっ、そういえば、そんな事も言っていたような?折原さん優しいんですね」


「えっ?そんな言われるほどの事していないから!

 優しくないから、お嫁さんに逃げられたんだし!」

 匠海は、自虐気味に自分で過去を蒸し返した。


「もう過去は忘れた方がいいですよ。

 折原さんなら、新しい出逢いがあるだろうから、前だけ見て進んで下さいね」

 柚花は、小さな声ではあったが、匠海を励ますように言ったのだった。


「丸山さん、ありがとう!

最近、ちょっとした出逢いがあったけど、どうしようか躊躇ちゅうちょしていたんだ。

 でも、今、丸山さんに背中を押してもらった気がするよ。

  ありがとう、じゃあ、またね」

 そう言って、匠海はレジへ向かい、店から出て行った。

 匠海は、振り返りはしなかった。

……………………

 柚花は、エビマヨお握りをひとつだけ買い、小さな袋をぶら下げて歩いている。

 夜空を見上げて見ると、星が輝いていた。

「たっ君……私を越して行くんだね。

応援しているよ……」


 今、この星を眺めている人は、どれくらいいるのかしら?

 どんな気持ちで見ていますか?

 楽しい気分?それとも悲しい気分?

 柚花は、立ち止まり、暫し空を見上げ、深呼吸をした。

「さっ、仕事、仕事!やっるぞぉ!」

……………………

 部屋に帰って、早速、真っ白な画用紙と対峙する。

 もう、こんな宿題は嫌だぁ。


 倉田チーフも描いてくるよね?


  皆んなも描いてくるよね?

 もう、難し過ぎるわ!

「人物は、まる書いて点々書いて、こんな感じでいいか?

 まあ、口で説明するから何でもいいや」

 
 柚花は、絵を描くことを中断し、思い浮かんだシーンを文章にして、ノートに書き留めていくことにした。

 そうすると、どんどんイメージが湧いてきて、いい感じになってきたのだった。


「これを明日、絵で表現しないとね!

あっ、明日か……。
……明日、明日は智也さんが花を飾りにホテルに来るよね?

私がいなかったら、どう思うかしら?

 公休日だって、誰かが言ってくれればいいけど……。

 私が智也さんを避けているとか勘違いをされたら嫌だな……」

 独り呟いて気づく。


 ちょっと待って、私は付き合いを断った人間なんだから、今更、どう思われようが関係ないんじゃないのかな?

 良く思われたいとか、虫が良過ぎるもの。

 それにしても、私は本当に大バカ者だ。


 もう こんなモテ期も二度とやって来ないだろうし、しかも、あんなイケメンが!なんて事も有り得ないだろう。


 後悔したって、もう遅いんだよ!

 私のバーカ!大バカ者!


 私は、このまま、干からびていくんだ!

 潤いのない生活にどっぷりと浸かって生きていくんだ!

 
 でもさ、お金さえ持っていれば、何とかなると思わない?

 
 そうだよ、お金さえあれば、楽しみを見つけられる。

 
 私は、絶望することはないんだ!

 
 この世は、お金が全てだ!

 だから、ひとりでも大丈夫……。


 はぁ。虚しい。


 こうして、私は日々を暮らして行くのだろう……。

 …………………

 翌日。


 カレンダホテルの会場に智也は来ていた。


 軽米が準備状況を見に来て言う。

「おはようございます。
本日は、よろしくお願いします」


「あ、軽米さん、おはようございます。
こちらこそ、よろしくお願いします。

 今日、丸山さんは……?」


 智也は、柚花が気になって軽米に聞いてみた。


「丸山さんは、本日、公休です。

それでは、皆さん、後をお願いいたします」


 そう言って、軽米は出て行った。


「わか、前から思ってたんですけど、今の人、可愛いっすね!


「えっ、後藤君、丸山さんの方が可愛いだろう?と言うより、綺麗でしょう?」


 智也が言うと、後藤は不思議だという顏をして言う。


「わか、視力は大丈夫っすか?」


 「後藤君、失礼だぞ!

早く、花を生けなさい!」

 
「ワカ、後藤君、あっちのテーブルをお願いします」


 川口に言われて仕事に戻る2人だった。


(今日は、柚花に会えないのか……。

電話をしたいけれど、しつこい男と思われるだろうな。我慢するか……)

 
 その頃、柚花は お絵描きに悪戦苦闘していた。


「ふぅ、何とかできたけど、自分でも何を描いたかわからないわ。

だけど、これで勘弁してもらうしかない!」



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