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さあ、始めよう!
和希さま
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軽米は、ブライズルームの前で、智也を見送った後「倉田チーフ、私もお見送りをしてきます」と言い、倉田チーフの返事も聞かずに、足早に階段の方へと行ったのだった。
「えっ、ちょっと、軽米さん?
もう、いない。
若い人は、羨ましいわ。
今が一番、輝ける時なんだものね。
あー!過去に戻って若さを手に入れたいわっ!
そしたら、あれをやって、これをやって、ふんふんふんをするわ」
倉田チーフは、心の声が外へと漏れていたのだった。
倉田チーフを探して、2階に上がって来た支配人が、その声を聞いてしまっていた。
(倉田さん、君が若さを手に入れたら、何をする気なんだ?
ふんふんふんって、何だ?教えてくれ!
気になるなぁ)
「あら、根岸君。今日も有難うございました。すっごく演技が上手だから私まで、本気の涙が出ちゃったわ。
司会者も役者もできるカレンダホテルの総支配人として、売り出した方がいいかも。
何かイベントを考えましょうか?」
「そんな暇は無い!君の頼みだから、特別に出ただけ」
(えっ!根岸君、今回は、あなたから出演希望してきたと思いますけど?
まあ、父親役は頼みましたけど……)
「ところで、倉田さん。以前のランチの約束ですが、首を長くして待っていますけど、いつなんでしょうか?」
「あっ!そっか、今度ね」
倉田チーフは、軽く言った。
(“今度と化け物”って、見た事がないですよ!また、すっぽかされるのか……)
………………………
軽米は、前方のエントランスから自動ドアへ向かっている和希を見つけたが、ホテルのスタッフが大きい声を出すわけにはいかないから、軽米は1人競歩大会をしている状態だ。
(あっ、外へ出ちゃった!あーあ)
それでも、軽米は自動ドアから外に急いで出た。
ドンッ!
「わっ!」
軽米は、入って来た客とぶつかってしまい、よろけてしまった。
「大丈夫ですか」
その時、大きな手が軽米の腕を掴み、転ぶのを防いでくれた。
「あっ、申し訳ございません。
大変、失礼しました……あっ、和希さん」
「軽米さん……君に待っていてと言われていたのを思い出したから、戻ってきたんだ。
忘れていて、ごめんね。
俺に何か用だった?」
「あっ、えっと、そうだ、丸山さんが妊娠しているって、本当のことなの?」
「えっ?そっか、確かめるの忘れた!
でも、それはきっと、俺と匠海の妄想だから気にしないで!
今日が本当の結婚式だと思って来ていたから……あんまり急な結婚だから、妊娠をしているだろうと勝手に考えただけだ。
まさか、撮影だったなんて驚いたよ!
だから、これから智也がお詫びにご馳走してくれるって……。
軽米さんは、まだ仕事が残っているんでしょ?」
「そうなの、定時上がりの予定です」
「そっか、なら、夜ご飯を一緒に食べようか?何がいい?あっ、言わなくてもいいや。
俺、君が食べたい物を当てる!
焼肉食べ放題じゃないのかな?」
(えっ?……うんうん、そうなの、何でわかったの?凄いよ、和希さん)
軽米は、感激して沈黙していた。
「あれ?ごめん、違ったのか。えっと……」
「合ってる!そうなの、焼肉がいいの!
しかも、食べ放題がいいの。
うんうん、行きましょう。
詳細は携帯に入れておいてね。
じゃあ、私、体調を整えておきます」
そうして、再び1人競歩大会を始めた彼女は、職場に戻って行ったのだった。
…………………
この後、和希は“すし 創作料理 ひとすじ”に行ったが、コース料理はやめて、単品アワビ料理のみにしておいた。
「どうした、和希?
遠慮しなくてもいいよ。
コース料理を頼んだらいいのに」
自分に気を遣ってくれていると思って、智也が言ったのだ。
(軽米さんよりも多く食べないとカッコ悪いだろうから、今は足りないくらいで丁度いい。
あっ、そうだ、一応、あの事を確認しておくか)
「智也、妊娠してるの?」
唐突に和希が聞いたから、
「ぶっ!」
智也は、飲んでいた水を和希に吹いてしまった。
「うわっ、きったねー!智也、何するんだよっ!」
「あ、わっ、ごめん、ごめん。お前が変な事を言うからさ!
俺が妊娠しているわけないだろう!」
智也は、和希を拭きながら謝り抗議をする。
笑っていた匠海もひと言。
「念のため聞くけど、丸山さん妊娠しているの?
ちょっと、和希から聞いたけど、先日、丸山さんが腹痛で、それを智也が心配して追いかけていったとか?
それって、妊娠しているから凄く心配だったの?」
「はあぁ?お前ら、勝手に妄想しないでくれよ!
そんな行為もした事が無いのに、あり得ないだろう!
さっき、フラれた事をカミングアウトしたのに、よくそんな事を言えるよな?」
匠海と和希は、顔を見合わせて「やっぱ、そうかぁ」と同時に言った。
……………………
その後、CM制作は順調に進んでゆき、とうとう完成となったのだ。
「丸山さん、西崎さんに試写会の事を知らせて下さい」
倉田チーフから言われた柚花は、智也にメッセージを送った。
すると、すぐに返信が返ってきた。
“明日、お休み?”
あれ?私は試写会の日時を教えたのに、意味不明な返事がきた!
やだ、明日、私はお休みだよ。
よくわかったな……。
“休みですけど……”
送信!
(和希経由で軽米さんから休みの情報は、ゲット済み!)
“プラネタリウムに行かない?”
えっ?なぜ、いきなりプラネタリウム?
あれは恋人同士が行くものでしょう?
困る……。
だって、静かで暗い所だと……。
私、爆睡する自信があるもの……。
でも、この前、花婿を頑張ってくれたし、私が眠らなければいいだけか……。
お誘いにのりましょう。
“行きます” 送信。
「よっしゃあー!」
携帯画面を見ながら、智也は踊っている。
それは、何とか音頭という昔、一世風靡した踊りだ。
この男は、時々、トンチンカンな事をするのだ。
「やった!やった!和希さまの言う通りだ。流石、和希のアドバイスだ!」
先日の お詫びのアワビを食べながら、和希が智也に 細かく恋愛指南をしたのだった。
「えっ、ちょっと、軽米さん?
もう、いない。
若い人は、羨ましいわ。
今が一番、輝ける時なんだものね。
あー!過去に戻って若さを手に入れたいわっ!
そしたら、あれをやって、これをやって、ふんふんふんをするわ」
倉田チーフは、心の声が外へと漏れていたのだった。
倉田チーフを探して、2階に上がって来た支配人が、その声を聞いてしまっていた。
(倉田さん、君が若さを手に入れたら、何をする気なんだ?
ふんふんふんって、何だ?教えてくれ!
気になるなぁ)
「あら、根岸君。今日も有難うございました。すっごく演技が上手だから私まで、本気の涙が出ちゃったわ。
司会者も役者もできるカレンダホテルの総支配人として、売り出した方がいいかも。
何かイベントを考えましょうか?」
「そんな暇は無い!君の頼みだから、特別に出ただけ」
(えっ!根岸君、今回は、あなたから出演希望してきたと思いますけど?
まあ、父親役は頼みましたけど……)
「ところで、倉田さん。以前のランチの約束ですが、首を長くして待っていますけど、いつなんでしょうか?」
「あっ!そっか、今度ね」
倉田チーフは、軽く言った。
(“今度と化け物”って、見た事がないですよ!また、すっぽかされるのか……)
………………………
軽米は、前方のエントランスから自動ドアへ向かっている和希を見つけたが、ホテルのスタッフが大きい声を出すわけにはいかないから、軽米は1人競歩大会をしている状態だ。
(あっ、外へ出ちゃった!あーあ)
それでも、軽米は自動ドアから外に急いで出た。
ドンッ!
「わっ!」
軽米は、入って来た客とぶつかってしまい、よろけてしまった。
「大丈夫ですか」
その時、大きな手が軽米の腕を掴み、転ぶのを防いでくれた。
「あっ、申し訳ございません。
大変、失礼しました……あっ、和希さん」
「軽米さん……君に待っていてと言われていたのを思い出したから、戻ってきたんだ。
忘れていて、ごめんね。
俺に何か用だった?」
「あっ、えっと、そうだ、丸山さんが妊娠しているって、本当のことなの?」
「えっ?そっか、確かめるの忘れた!
でも、それはきっと、俺と匠海の妄想だから気にしないで!
今日が本当の結婚式だと思って来ていたから……あんまり急な結婚だから、妊娠をしているだろうと勝手に考えただけだ。
まさか、撮影だったなんて驚いたよ!
だから、これから智也がお詫びにご馳走してくれるって……。
軽米さんは、まだ仕事が残っているんでしょ?」
「そうなの、定時上がりの予定です」
「そっか、なら、夜ご飯を一緒に食べようか?何がいい?あっ、言わなくてもいいや。
俺、君が食べたい物を当てる!
焼肉食べ放題じゃないのかな?」
(えっ?……うんうん、そうなの、何でわかったの?凄いよ、和希さん)
軽米は、感激して沈黙していた。
「あれ?ごめん、違ったのか。えっと……」
「合ってる!そうなの、焼肉がいいの!
しかも、食べ放題がいいの。
うんうん、行きましょう。
詳細は携帯に入れておいてね。
じゃあ、私、体調を整えておきます」
そうして、再び1人競歩大会を始めた彼女は、職場に戻って行ったのだった。
…………………
この後、和希は“すし 創作料理 ひとすじ”に行ったが、コース料理はやめて、単品アワビ料理のみにしておいた。
「どうした、和希?
遠慮しなくてもいいよ。
コース料理を頼んだらいいのに」
自分に気を遣ってくれていると思って、智也が言ったのだ。
(軽米さんよりも多く食べないとカッコ悪いだろうから、今は足りないくらいで丁度いい。
あっ、そうだ、一応、あの事を確認しておくか)
「智也、妊娠してるの?」
唐突に和希が聞いたから、
「ぶっ!」
智也は、飲んでいた水を和希に吹いてしまった。
「うわっ、きったねー!智也、何するんだよっ!」
「あ、わっ、ごめん、ごめん。お前が変な事を言うからさ!
俺が妊娠しているわけないだろう!」
智也は、和希を拭きながら謝り抗議をする。
笑っていた匠海もひと言。
「念のため聞くけど、丸山さん妊娠しているの?
ちょっと、和希から聞いたけど、先日、丸山さんが腹痛で、それを智也が心配して追いかけていったとか?
それって、妊娠しているから凄く心配だったの?」
「はあぁ?お前ら、勝手に妄想しないでくれよ!
そんな行為もした事が無いのに、あり得ないだろう!
さっき、フラれた事をカミングアウトしたのに、よくそんな事を言えるよな?」
匠海と和希は、顔を見合わせて「やっぱ、そうかぁ」と同時に言った。
……………………
その後、CM制作は順調に進んでゆき、とうとう完成となったのだ。
「丸山さん、西崎さんに試写会の事を知らせて下さい」
倉田チーフから言われた柚花は、智也にメッセージを送った。
すると、すぐに返信が返ってきた。
“明日、お休み?”
あれ?私は試写会の日時を教えたのに、意味不明な返事がきた!
やだ、明日、私はお休みだよ。
よくわかったな……。
“休みですけど……”
送信!
(和希経由で軽米さんから休みの情報は、ゲット済み!)
“プラネタリウムに行かない?”
えっ?なぜ、いきなりプラネタリウム?
あれは恋人同士が行くものでしょう?
困る……。
だって、静かで暗い所だと……。
私、爆睡する自信があるもの……。
でも、この前、花婿を頑張ってくれたし、私が眠らなければいいだけか……。
お誘いにのりましょう。
“行きます” 送信。
「よっしゃあー!」
携帯画面を見ながら、智也は踊っている。
それは、何とか音頭という昔、一世風靡した踊りだ。
この男は、時々、トンチンカンな事をするのだ。
「やった!やった!和希さまの言う通りだ。流石、和希のアドバイスだ!」
先日の お詫びのアワビを食べながら、和希が智也に 細かく恋愛指南をしたのだった。
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