ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

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さあ、始めよう!

禁酒の勧め

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 恋愛に対して、俺がこんなに粘っている事に自分でも驚いている。


 そして、ついに彼女が交際を受け入れてくれると言った……と思う。


「もしかして、交際をしてくれると言ったの?」


 智也は、半信半疑で確認してみた。


「はい。私でよければ……」


「本当に?本当?じゃあ、改めて言わせてもらう……」


「えっ、何?」


 運転席の智也が助手席にいる柚花を見つめて言う。


「柚花さん、結婚を前提として、私と お付き合いをしてくれませんか?」


 柚花は 恥ずかしそうに、うつ向きながら返事をする。


「はい……お願いします」


「柚花、ありがとう。
こちらこそ、よろしくお願いします」


 智也さんが私の手をぎゅっと握って言った。


 手の温もりがじかに伝わってきて、私は高揚する。


 しかも、結婚前提と言ってくれた。


  この先の事は、どうなるのかは分からないけれど、その気持ちがあることが嬉しい。


「じゃあ、さっさと買い物をして、和希に渡してしまおう。

その後に、交際初デートしようよ」


 それから2人は、猛スピードで買い物をして、若干、車のスピードも速めに和希のアパートへ向かったのだった。

…………………

「こんばんは。昨夜から今朝まで、大変、ご迷惑をかけてすみませんでした。

勝手に食材を使って、ごめんなさい。
これ、どうぞ」


 柚花は、和希に渡して謝った。


「何もいらなかったのにな。
今朝、俺もご馳走になったのに、買ってきてくれて ありがとう。

さあ、上がって!智也、早く入れよ」


「うん?和希、今日は帰るからいいよ」
 

 智也は、さっさと行こうとした。


「ダメ!アヤがご飯を作ってくれたから、食べて行って。

ほら、2人とも上がって!」

 
 智也は、柚花をチラリと見たら、柚花が頷いているから、和希の言う通りにした。


 柚花は、軽米がアヤと言われていることに、今頃、気づいた。


 そういえば軽米さんの名前は、彩香だものね。前沢さんと上手くいっているんだね。良かった。

 喜んでいる柚花とは逆に、智也は2人きりになりたいと思っていたから、引き止められ、少し残念に感じていた。


 柚花は、キッチンにいる軽米の元へ行った。


「軽米さん、何を作ったの?」
 
 
「炊き込みご飯とお味噌汁を作りました。あと、今からお肉を焼きますね」


「軽米さんは、お料理ができるのね」


「炊き込みご飯の素を使っているし、あとは簡単なものですからね。

 そんなに料理が作れるわけではないですよ。

 柚花は、鍋の蓋を開けて味噌汁を覗いて言う。


「わぁ、美味しそう。

これだけできれば十分でしょう。

何か手伝おうか?」


「じゃあ、取り皿とか箸とかの用意をお願いします」


「了解」


 柚花も手伝って、それからすぐに食事となったのだった。

………………………

「頂きます」

 テレビの前にあるテーブルに料理を運んで、4人で食べ始めた。

私の前には智也さん、私の隣は軽米さんで、その前には前沢さんが座っている。

「美味しいね」などと和気藹々わきあいあいで食事をしていた。


 すると突然、智也さんが私に聞いた。


「ユキって、友達なんでしょ?」


「 ! 」


 はっ?ユキ?どうして智也さんが知っているの?


 ユキ……もちろん女友達にも その名前はいます!


 ユキ……元彼の幸徳ゆきのりのことじゃないよね?


「ユキ?どうして、いきなりそんな事を聞くの?」


 柚花は、訳がわからず智也に聞いたら、代わりに軽米が答える。


「ああ昨日、丸山さんが酔って、ユキがきたとか ユキがどうのこうの、結構 言っていたんですよ!

 で、西崎さんとしては、ユキさんのことが気になるんですよね?」


 軽米さんは、ユキの存在を知らないから、軽い感じで私に教えて、続けて智也さんにも聞いたんだ。


「あ、うん。ユキって言いながら、泣いたり怒ったりしていたからね。

 “まったく、勝手に結婚してんじゃねぇよ!”って、言ってたから少し気になって……」


「 ! 」

 ひい、何て口が悪いんだ!そんなとんでもないことを言っていたの?最悪だ!

 多分、そのユキというのは幸徳のことだわ!

 もう何とも思っていないのに、そんな事を口走っていたなんて……!


 笑ってごまかせ。

「……ははは、お騒がせしました。
 
 そう、そう、女友達なの。

 先に結婚をされて、悔しかったのかな?

 皆さん、ごめんなさい。
 酔っ払いは困っちゃうね。

 もう、恥ずかしいわ。私、禁酒します」


「そっか、友達かぁ。失恋の歌を歌っていたから、ユキって誰かな?って思っただけ。友達ならいいや」


 う、歌まで歌っていたのぉ?

 恥ずかしすぎるわっ!


「そうですね、禁酒がいいかも。
 丸山さんが和希さんの車の中で、ここに泊まるって騒いでうるさかったんですから。

 で、ここに来たら、和希さんの頬にチュウして、私には口にしたんですよ!

 それから、西崎さんがさっさと寝て、和希さんも寝て、私が丸山さんを見張っていたんですからね。

 ぶつぶつ怒っていて、大変でしたよ」


 そう言って、軽米さんが私に教えたのだった。
 

(丸山さんは、イビキが凄いから対策をした方がいいですね)

 などと、軽米は思っていた。


「えっ、嘘!軽米さんの唇を奪ってしまったの?

わぁ、全然、知らないわ。私、最悪だ!

 前沢さん、すみません。軽米さんもごめんね。 

 で、智也さんには何をしたのかしら?」


「……ない」


 智也がボソッと答えた。


「え?何って言ったの?」

 柚花が聞き返した。


「俺には、何もしてくれなかった!

どうしてしてくれないんだ?って考えたよ!」


「はあ?お前、それで突然、不機嫌になって、ふて寝したのかぁ?
馬鹿な奴だな……」

 
 和希が呆れたように言ったが、智也は思い出した事があったようで、満面の笑みを浮かべて話す。


「でも、もう、そんな事はどうでもいいんだ!

 和希、軽米さん、聞いて。

 俺達は、付き合うことになったんだ!
 ねっ、柚花?」


  柚花は、照れながら頷いた。


「えっ?本当ですか、おめでとうございます。丸山さん、良かったですね」


 軽米は、自分のことの様に喜んでいた。


 この後も話しは盛り上がり、結局、智也の望んでいたデートはできなかったのだった。


 帰りの車の中で、がっかりしていた智也に柚花が聞いた。


「智也さんの誕生日はいつなの?
そういえば、智也さんのこと何も知らないわ……」


「誕生日は、来月なんだ。
俺のことは、これから知ってくれればいいさ。

俺、今 実家暮らしだから、近々アパートを探すよ。

 一緒に探してくれる?」


「はい、喜んで!」


  こうして、2人は交際を、スタートさせたのだった。

…………………

 その翌日のこと。


 倉田チーフが私を呼んだ。


「丸山さん、合同説明会でドレスを展示する予定だったでしょう?

 あれね、原口さんからの提案で、モデルが着て見せることになったの……」


「は?まさか、また私がやるんですか?」


「ち、違うわよ!私にオファーがきたの」


 倉田チーフは、照れながら言った。


「え?いいじゃないですか!

新郎役は当然 支配人ですよね?」

 
 一応、柚花は確認をしてみたのだ。


「違うわ!新郎役をするのは、原口さんなのよ」


「は?原口さんが新郎役なんですか?」


 何故に原口さんが?


 不思議な組み合わせだわ。


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