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番外編
幸せをかみしめて
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私、丸山 柚花 30歳。
いや、違う、西崎 柚花 になったんだ。
今だに、新しい苗字に慣れなくて、呼ばれても返事をしない事が多々ある。
近頃では、仕事の時は“丸山”で通した方がいいかもしれないと感じている。
その仕事の方は とても順調で、昨秋の合同挙式に参加してくれたお客様の関係者が、新たなお客様になってくれたりして嬉しい限りだ。
そのことに気を良くした私たち婚礼スタッフは、次は船旅を抜きにした合同挙式フェアをやろうかと計画をしているところ。
「……さん、西崎さん!西……もう、丸山さんっ!」
「あ?はい、倉田チーフ、すみません、何でしょうか?」
「もう!あなたは丸山さんって呼んだ方がいいのかもね!今はミーティング中ですよ。
ボーっとしないで下さい」
「は、はい、すみません!」
柚花は、またやってしまった!という顔をした。
「さて、皆さん、合同挙式第2弾の話しですけど、昨年の第1弾を思い出し、その時の反省を踏まえて、内容を詰めていきたいと思います。 明後日までに、それぞれ内容を考えてきて下さい」
倉田チーフから宿題を出されたけれど、明後日までって、思いつくかな?
「丸、西崎さんは、主婦だから宿題を出されても、考えている暇がないですよね?」
駐車場までの帰り道で、軽米さんが聞いてきた。
「軽米さん、丸山でいいよ。そうね、一応、主婦だからね。でもねー、だいたい旦那様の方が私より帰りが早いから、色々と家事をしてくれるのよ。けどね、けどね、ご飯は作れないの。
私の作る物が最高なんだって!ふふふん」
柚花がにやけて言った。
「……あっ、そうですか。それは、ご馳走さまです……」
(心配した私がバカだったか。
それにしても、羨ましすぎる!和希さんも協力的になるのかな?)
「丸山さんが家事分担をお願いしたんですか?」
「え?私の方が帰りが遅い時に、洗濯物を取り込んで欲しいって言ったら、畳んで置いてくれて。で、すっごく褒めてあげたら、お風呂掃除までしてくれるようになって……」
「へえ、凄い!褒めるのがコツですね。
なるほど、参考にします」
「ちょっとだけオーバーに褒めるのよ!」
…………………
チャポ……チャポン。
「ふぅ。うーん、この入浴剤、いい香り!
やすらぐわぁ」
柚花は、柚色の湯に浸かりリラックスしたのも束の間、すぐ仕事の事を考える。
第1弾の方は、ソフィア汽船社とのコラボ企画だったのよね。
原口さん、元気にしているかしら?
はっ、そんな事を考えている場合でない!
昨年の合同挙式は……
……………………
希望する方は、結局4組だった。
あの時は、宣伝コミの大御奉仕の為、スタッフの人数に限りがあったから、ホテル側としては、少なくて良かったのかもしれない。
それは、昨年10月のある日。
「さあ、いよいよ本番です。本日は、既に花嫁支度に入っているメイク担当の吉田さん、金木さん、ヘア担当の湊さん、松本さんにも花嫁介添えを手伝ってもらいます。
スタッフの人数が足りないくらいですが、力を合わせて良い挙式にしていきましょう」
倉田チーフの言葉にスタッフ達は、真剣な顔で頷いた。
「では、皆さん、よろしくお願いします」
いつものように倉田チーフが気合いを入れた。
「よろしくお願いします!」
皆の気合いが入った瞬間だ。
よし、お客様が笑顔になれる挙式を目指して、頑張ろう。
今、ブライズルームで支度中なのは、50代ご夫婦の谷川様、40代ご夫婦の吉野様の奥様方で、御主人方はブライダルサロンで着替え中なのよね。
「倉田チーフ、谷川様、吉野様のお支度状況を見てきます」
「はい、お願いしますね」
プルルルル……。
スタッフルームの電話が鳴った。
「はい、ブライダル 倉田です。はい、はあ?今、そちらに向かいます」
「外崎さん、ちょっとフロントへ行ってきます」
「はい。何かあったんですか?」
「あ、うん、よく分からないから、行ってみるわ……」
倉田チーフは、急いでフロントへと行ったのだった。
(この忙しい時に何事だろう?)
…………………
ここはブライズルーム。
「まあ、谷川様、とても素敵です。御主人の支度も整っていますから、これからお写真を撮りに行っていただきます。まもなく、迎えがやって来ます」
「本当ですか?お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます」
谷川様の奥様は、幸せそうな笑顔で言ってくれたから、私も嬉しかった。
ドレス選びの時、一時は挙式を辞めるとまで言っていたから、本当に良かったわ。
吉野様のお支度は、どうかしら?
柚花は、もう一つの支度部屋を訪ねる。
「わあ、吉野様、とてもお似合いです!
そのマーメイドラインドレスいいですね」
「そうですか?嬉しい。でも、背中が大きく開いているから、恥ずかしいのよ……。
少し寒いくらい……。ふ……」
吉野様の奥様が何かを言いかけたから、柚花は何だろうと思った。
「ふ?」
「ふあっ、ふあっ、ファックショーン!」
キツン!
「あ、イタタ……痛い!」
「吉野様、どうしましたか?」
いや、違う、西崎 柚花 になったんだ。
今だに、新しい苗字に慣れなくて、呼ばれても返事をしない事が多々ある。
近頃では、仕事の時は“丸山”で通した方がいいかもしれないと感じている。
その仕事の方は とても順調で、昨秋の合同挙式に参加してくれたお客様の関係者が、新たなお客様になってくれたりして嬉しい限りだ。
そのことに気を良くした私たち婚礼スタッフは、次は船旅を抜きにした合同挙式フェアをやろうかと計画をしているところ。
「……さん、西崎さん!西……もう、丸山さんっ!」
「あ?はい、倉田チーフ、すみません、何でしょうか?」
「もう!あなたは丸山さんって呼んだ方がいいのかもね!今はミーティング中ですよ。
ボーっとしないで下さい」
「は、はい、すみません!」
柚花は、またやってしまった!という顔をした。
「さて、皆さん、合同挙式第2弾の話しですけど、昨年の第1弾を思い出し、その時の反省を踏まえて、内容を詰めていきたいと思います。 明後日までに、それぞれ内容を考えてきて下さい」
倉田チーフから宿題を出されたけれど、明後日までって、思いつくかな?
「丸、西崎さんは、主婦だから宿題を出されても、考えている暇がないですよね?」
駐車場までの帰り道で、軽米さんが聞いてきた。
「軽米さん、丸山でいいよ。そうね、一応、主婦だからね。でもねー、だいたい旦那様の方が私より帰りが早いから、色々と家事をしてくれるのよ。けどね、けどね、ご飯は作れないの。
私の作る物が最高なんだって!ふふふん」
柚花がにやけて言った。
「……あっ、そうですか。それは、ご馳走さまです……」
(心配した私がバカだったか。
それにしても、羨ましすぎる!和希さんも協力的になるのかな?)
「丸山さんが家事分担をお願いしたんですか?」
「え?私の方が帰りが遅い時に、洗濯物を取り込んで欲しいって言ったら、畳んで置いてくれて。で、すっごく褒めてあげたら、お風呂掃除までしてくれるようになって……」
「へえ、凄い!褒めるのがコツですね。
なるほど、参考にします」
「ちょっとだけオーバーに褒めるのよ!」
…………………
チャポ……チャポン。
「ふぅ。うーん、この入浴剤、いい香り!
やすらぐわぁ」
柚花は、柚色の湯に浸かりリラックスしたのも束の間、すぐ仕事の事を考える。
第1弾の方は、ソフィア汽船社とのコラボ企画だったのよね。
原口さん、元気にしているかしら?
はっ、そんな事を考えている場合でない!
昨年の合同挙式は……
……………………
希望する方は、結局4組だった。
あの時は、宣伝コミの大御奉仕の為、スタッフの人数に限りがあったから、ホテル側としては、少なくて良かったのかもしれない。
それは、昨年10月のある日。
「さあ、いよいよ本番です。本日は、既に花嫁支度に入っているメイク担当の吉田さん、金木さん、ヘア担当の湊さん、松本さんにも花嫁介添えを手伝ってもらいます。
スタッフの人数が足りないくらいですが、力を合わせて良い挙式にしていきましょう」
倉田チーフの言葉にスタッフ達は、真剣な顔で頷いた。
「では、皆さん、よろしくお願いします」
いつものように倉田チーフが気合いを入れた。
「よろしくお願いします!」
皆の気合いが入った瞬間だ。
よし、お客様が笑顔になれる挙式を目指して、頑張ろう。
今、ブライズルームで支度中なのは、50代ご夫婦の谷川様、40代ご夫婦の吉野様の奥様方で、御主人方はブライダルサロンで着替え中なのよね。
「倉田チーフ、谷川様、吉野様のお支度状況を見てきます」
「はい、お願いしますね」
プルルルル……。
スタッフルームの電話が鳴った。
「はい、ブライダル 倉田です。はい、はあ?今、そちらに向かいます」
「外崎さん、ちょっとフロントへ行ってきます」
「はい。何かあったんですか?」
「あ、うん、よく分からないから、行ってみるわ……」
倉田チーフは、急いでフロントへと行ったのだった。
(この忙しい時に何事だろう?)
…………………
ここはブライズルーム。
「まあ、谷川様、とても素敵です。御主人の支度も整っていますから、これからお写真を撮りに行っていただきます。まもなく、迎えがやって来ます」
「本当ですか?お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます」
谷川様の奥様は、幸せそうな笑顔で言ってくれたから、私も嬉しかった。
ドレス選びの時、一時は挙式を辞めるとまで言っていたから、本当に良かったわ。
吉野様のお支度は、どうかしら?
柚花は、もう一つの支度部屋を訪ねる。
「わあ、吉野様、とてもお似合いです!
そのマーメイドラインドレスいいですね」
「そうですか?嬉しい。でも、背中が大きく開いているから、恥ずかしいのよ……。
少し寒いくらい……。ふ……」
吉野様の奥様が何かを言いかけたから、柚花は何だろうと思った。
「ふ?」
「ふあっ、ふあっ、ファックショーン!」
キツン!
「あ、イタタ……痛い!」
「吉野様、どうしましたか?」
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