ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

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番外編

お互い…… 2

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 僕は緑川、 下の名前は、あえて言わない23歳。


カレンダホテルの婚礼チームに属している。


 実は、大きな声では言えないが、今の今まで、彼女がいたことが無い。


告白?した事もされた事も無い。


 女性が多くいる専門学校にいたが、幸か不幸か、童顔が影響したのか、人畜無害な友人として受け入れられてきた。


 彼女達は僕の前で、堂々と真の姿をさらけ出すのに、他異性の前に出ると、途端に猫を被っていた。


なんか理不尽だし、正直、女は怖いと思った。


 だから僕は、誰の前でも裏表がない、それでいて、一歩ひいてついて来てくれるような、そんな優しい女性が現れるのを待っているんだ。

…………………

 先日、お花屋さんの後藤さんが、合コンをしようと言った。


古風な娘がいるという、実に興味深い話しを聞かされた。


なのに、なのに、あのまま放置をされている。


 今日は、ロビーの大花瓶にお花屋さんの誰かが、花を生けにくる予定だ。


もうそろそろだろう。


後藤さん、来るかな?もし来たら……。


偶然を装って、再び声を掛けられるように仕向けてみるか……。


 よしっ、行こう!


緑川は、ブライダルサロンで仕事中の外崎とのさきをチラッと見やり、席を離れようとする。


その時。


「失礼します。緑川さん、今、少し話すことができますか?格安婚についてなんだけど」


「あ、丸山さん。はい、格安婚ですか?
さっき、外崎さんからサラッと話しは、聞きました」


「そう。聞いていたなら良かった。
それでね、みどり……はっ、はっ、ハックショーン!
あっ、ごめん、じゅる。ちょっ、タイム……」


 クシャミをした柚花が、テッシュケースを持って、窓際のテーブルへと行き、背を向けマスクを外す。


「ふーんっ!ふーんっ!」


「 ! 」


 げっ!鼻をかんだ!しかも、思いっきり!


ここには、一応、男性が2人もいるんですが!


やっぱり僕は、男性として見られていないのか?きっと、外崎さんもね……。


外崎さんは、下を向いて笑いを堪えている。


「……ガッハッハ丸山さん、だ、大丈夫っすかー?
随分と豪快に鼻をかんだから、びっくりしましたよー!はははっ。
早く風邪を治して下さいよ」


「ごめんね、外崎さん。
緑川さんも、驚いたね、ごめんね。
ちょっと海に行ったら、風邪をひいてしまって!すみません」


「えっ?海って、だーれーとですかぁ?
もしかしてーあの方ですかぁ?」


「コラっ、外崎さん!先輩をからかわないでよっ!

あ、そうそう、緑川さん!
格安婚の相談なんだけど、いいアイデアがないかなー?と思って!」


 そうして丸山さんは、僕のところに居座った。


結局、今日もまた、後藤さんには会えないらしい。


 仕事が終わり、僕は噴水広場を通っていると、後方から声が聞こえてきた。


「おーい!緑川さーん、まってーー」


僕が待ち焦がれていた声だった。

…………………

「緑川さん、電車通勤なんすね。
車の免許はあるんすか?」


 僕は夜飯に誘われ、後藤さんの軽自動車に、乗せてもらっている。


僕の仕事終わりをぶっつけ予想して、アポ無しでやって来たのか?


僕が公休だったら、無駄足だったのに。


それでも会えていることに、驚かされる。


「あるよ。ほとんど身分証明代わりになっているけど。
ねえ、どこの店に行くの?」


「とんかつキャベツ」


「豚カツかあ、いいね。
僕は、卵とじ定食が好きなんだ」


「はあ?何で?
揚げ物は、煮たらダメっすよ!
サクサクがいいんですって!」


 ハンドルを握りながら、助手席の緑川の方を見た後藤。


「後藤さん、前、前を見て運転して!
僕が何を食べてもいいじゃないか。
じゃあ、カツ屋さんは却下で!」


 ムッとして緑川が言ったから、後藤は慌てて謝った。


「黙っていて、すんません。実は、とんかつキャベツで約束があるんすよね。
ほら、ほら、例の合コンですよ」


「えっ!マジ?これから?ちょっと待って!
心の準備ができてないよ!
それに、合コンって 基本みじゃないの?
悪いけど、仕切り直してくれないかな?」


「あー悪いっすね。俺、アルコール一切受け付けないんすよね。めちゃめちゃ弱いです。
だから、メシでお願いしますよ。

あっ、着いちゃったっすよ。
駐車しまーす」


 がーん!何の情報も心構えもなく、来てしまった…。


 僕は、自分に自信が持てない。


劣等感の塊なんだ。


童顔で、どちらかというと可愛いと言われる事が多い。


 でも、それ以上に気にしているのは、背がちょっと低めということなんだ。


何だそんな事!って、思う人もいるかもしれないが、本人にとっては切実だ!


 それでも職業柄、色んなカップルを多数見てきたら、自分でも良いと言ってくれる人がいるんじゃないかな?って、ほんの少し思ったりしてさ。


「ところで、緑川さんは23歳すよね?
んで、下の名前は何すか?

聞いてなかったすよね?」


「あー!そうだったかな?」


緑川は、とぼけて見せたが、言うのが礼儀だろうと、教えることにする。


「緑川 実里みのりだよ。
何か、女のような名前でしょ?
病院で呼ばれると、他の患者から、男なんだ!って顔をされて、恥ずかしいよ。
そう言う、後藤さんの名前は?」


「良い名前じゃないっすか!芸名みたいで、格好いいっすね!

俺こそ、言いたくないっす!
俺は、俺は、後藤……信玄しんげんだよ!俺のキャラに合って無いって、よく言われるんだよなぁ」


「あ……。い、いいよ。良い名前だよ。
うん……」


「後藤さん」


 車から降りた所で、そんな話しをしていたら、女性の声がした。


僕は、振り向き息を飲んだ。
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