ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

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番外編2

そこに愛がある?きっと、ある。

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 ごくごく、ごくん。


はあ、烏龍茶が美味しい!


ホッとするわぁ。


あ、お花。


「凄っ!」


「えっ、何?」


 柚花がつぶやいたことに、智也が反応した。


「あ、今、気づいたけど、このメインテーブルの装花が、凄くダイナミックだなって思って……」


 さっきまでは、お花を見る余裕が無かったけど、ぐるっと見渡すと、ゲストテーブルの装花にしても、かなりの気合いが入ってる。


「あ、やっぱりそう思う?

会場全体の装花は豪華で、頑張った感があるけど。

このメインは、それとは感じが違うんだよなぁ。

それに、俺たちの後ろも、凄いことになっているんだよな……」


 智也の語尾が沈んだから、柚花は何事かと振り向いた。


「あっ!ああ、素敵だわ。

大きな木 2本の間に、棒が掛けてある。

で、そこに観葉植物をいくつも吊るして、沢山の葉っぱを枝垂しだれさせているんだね。

これは、もしかしてジャングルのイメージかな?

ふふっ、それに、お花屋さんの電飾付きの看板もぶら下がってる。可愛いわ」


「ごめん。普通は、主役2人の名前にするはずなのに。

ガーデンプロデュースって……ピカピカ看板を吊るしてあって、本当にごめん。

きっと、父の指示でこうなったんだな」


「この木目の看板、観葉植物の緑と馴染んでいて、オシャレで素敵。

お花屋さんに全面協力をしてもらっているし、これくらい、逆に!してもらった方がいいわよ」


 会場全体は、ピンク色が主体の装花になっているが、メインテーブルは、花に負けないくらい、細長い葉っぱを立たせたアレンジメントになっていた。


 まあ、これはこれで個性的でいいね。
というのが、2人の結論だ。


 それから少し経ち、兄にエスコートされて、柚花がお色直しへと行った。

………………

 会場では、2人のフォトムービーが上映され、智也も見ていたところへ、ゲストが寄ってきた。


「わか!今日は、おめでとうございますっ!その服、なかなか似合ってるじゃないっすか!

俺、こんな結婚式に呼ばれたの、初なんすよね。

料理が、すげー上手いですよ」


「後藤君、川口さん!」


「西崎さん、本日はおめでとうございます。

私たちまで披露宴に招いて頂いて、ありがとうございました」


「いやいや、私のチームだから2人を呼ぶのは、当然です。

それより、この会場とチャペルの飾り付けをしてもらってから、出席してくれてありがとう。

作業後で、疲れているでしょう?
大変、お疲れ様でした」


 智也は、2人をねぎらった。


「そうでもないっすよ。
今日が、うちの会社の腕の見せ所!だって、応援がけっこう来たんすよ」


「そうなんです。
親方まで手伝ってくれて……」


「お、おやかた?川口さん、うちの会社に、そんな人はいないけど?」


 智也は、自分の知る人の顔を思い浮かべて言った。


「え?ああ、親方って社長のことですよ。
西崎さんの、ワカのお父さんのことですよ。
昔は、皆んながそう呼んでいたんです。フッフッ」


 川口に言われて、智也は驚いた。


「えー!父が手伝った?あ、それより親方って、どうして?」


「ああ、社長が若い頃はね、主に造園業を担当していて、あだ名が親方だったの。

まあ、たまに花屋の方にも来て、アレンジメントの修行をしていたんですよ。

私の方が年下だけど、当時は教えたりしてたんだから!」


 智也は驚き、パッチリした目を更に大きくさせた。


「川口さん、内緒だって言われたけど、言っちゃいましょうよ。

このメイン装花をやったのは、社長さんっすよ」


(ふええぇ、俺に厳しいあの父が?息子の結婚式当日に花を生けた?嘘みたいだ!)


「あらら、後藤君、バラしちゃったね。

親方が、2人の前も後ろも大事だって言って、前は自分が。

後ろは、スタッフに指示を出したんですよ。

誰かが、まるでジャングルみたいです!って、言ったのよ。

そしたら、親方、いえ社長が言ったの。

新しく家庭を作る2人は、ジャングルの中を開拓しながら、拠点を作っていくんだ!

だから、これでいい!ってね」


「ふたりとも……教えてくれて、ありがとう……」


 智也は、胸がじーんと熱くなるのを感じた。


そして、テーブルにあるビール瓶を持ち、歩き出したのだった。

…………………

 智也は、両家親族、ゲスト席を回りながら、会場を盛り上げる。


「これから丸山さんが着て出てくる、花嫁さんの次の衣装当てクイズって、面白いな。

俺の時もやろうかなぁ。

匠海もやれば?」


「ばか、和希!なんて事を言うんだ!
結婚式をやればなんて言うなよ」


 智也は、慌てて和希をいさめると、匠海は、わざと落ち込んだ様子を見せて言う。


「いいんだよ、僕は。
なかなか出来ない経験を、しているからさ。

いいんだよ、僕は」


「はい、匠海、ごめんなさい」


「いや、いいんだ。
この先の事は、誰にも分からないし。
結婚なんてしないかもしれないし、もしかしたらだって、あるかもしれないし。

ただ、このホテルでは式は挙げない!

僕は、人生諦めないからな!」


 そう言って、匠海は笑った。
…………………

 一方、早着替えをした柚花は、扉前で兄と軽米と待機している。


だが、なぜか軽米の表情がやや硬い。


(丸山さんに伝えたかったけど、他の人の前では、言えないし……。
もう、仕方が無いよね?そうよね)


「今度のは、動きやすそうでいいな。
柚、似合ってるよ」


「ありがとう、お兄ちゃん。
お兄ちゃんが結婚する時は、私が選んであげようか?」


「割烹着を着せるつもりだろう?
遠慮しとくよ。って、相手もいないぞ」


 笑い合う兄妹。


そこには、穏やか空気が流れていた。
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