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番外編 3
気づかない、気づけない
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カレンダホテルの屋上ガーデンは、わりと評判が良い場所だ。
しかしながら、宿泊客や許可を受けた者しか入れないことから、訪れる者が少ないのだ。
倉田チーフは、ブライダルサロンの中で、人目を気にしながら電話をかける。
「根岸君、今、休憩中?少しだけ上に行かない?」
………………
エレベーターで合流した2人は、屋上ガーデンに行く。
倉田チーフは、入口から さっと全体を見渡し、先客の有無を確認する。
「チェックインには少し早いから、まだお客様はいないみたいね……」
2人は、小山の下にある小さな池に向かい、自然に立ち話しを始めた。
「根岸君、ここに来るのは久しぶりだね……」
「そういえば、サクラをやって以来だな。あれは、面白かったよ」
以前、プロポーズ大作戦で、恋人のフリをした事を互いに懐かしむ。
「ふふふ、私も楽しかったわ。
実は、今日もプロポーズ大作戦があってね。
あっ、今日はサクラは必要ないけどね」
そんな会話は、池を挟んだ木々と、大きな庭石を隔てて、見えない向こう側に聞こえていた。
その向こう側には、なんと、現在 支配人が想いを寄せている彼女 天羽と、その友人 桂木という女性がいたのだ。
彼女は支配人から、ホテルの抜き打ち調査を依頼されて、支配人にも内緒で、友人と泊まりに来ている。
頼まれたからには、全力で調査をする気の彼女は、スタッフの対応を知る為に、早めのチェックインを願い出て、施設を見ていたのだ。
因みに彼女は、彼がどこの部署で働いているとか、何も知らない。
だから、偶然、彼とバッタリと会ってしまったら、仕方がないけれど、極力、隠密行動がしたいと思ってはいた。
けれど、女性と親しそうに話す彼に会ってしまうと、気まずい空気になりそうな予感がして、その場からそっと立ち去った。
支配人も倉田チーフも、人がいた事さえ気づかず、会話を続けている。
「……根岸君、プロポーズはしたの?」
「いや、まだ、そこまでは。
デートも、何となく、これデートなのかな?という感じだし……。
ただ、向こうは私に脈がありそうだから、もしかしたら、もしかするかもしれないが……」
「何よ、それ。
もう、ウダウダ言っている歳でもないでしょ?
この人だ!って思ったのなら、当たって砕けてみれば?」
「砕けろって?
そうだな、砕けてみるか。
うちの親も、私がずっと独身でいるから、心配しているしな……」
支配人の言葉を受け、倉田チーフは静かに呼吸を整える。
「プロポーズ、する気なのね?
……なら、この私がお手伝いしましょうか?」
「いや、いいよ。
君に手伝ってもらうなんて、微妙な気分になるし。
心配しなくても、大丈夫だから。
それよりも、今夜のプロポーズ大作戦の方に、しゅ、集中してくれたまえ!」
「あら、そう?わかったわ。
ま、今夜のプロポーズは成功確実だって、依頼者から伺っているから、緑川さんに任せているの。
彼、すっごい張り切っているから、期待していてね。
さてと、そろそろ休憩終わりね」
屋上ガーデンから、スタッフルームに戻った倉田チーフは、緑川に声を掛ける。
「準備はどう?」
「今、林にある癒しの小道に、電飾を取り付けてくれているので、これから見に行ってきます」
「はい、お願いね。
それにしても、雨が降らないみたいで良かったわね。
あ、そうだ、小道の清掃もやっておきなさい。
少しでも素敵な演出をしましょうね」
「はいっ。
大切な思い出のため、暗くて見えない
かもしれませんが、掃除をして参ります!」
………………
林の小道の両サイドには、青色や赤色の電飾が波型に、たるみを持たせて取り付けられていた。
夜に見たら、きっと綺麗だろう。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ
緑川は、左右に動き、砂を脇へ脇へと追いやるように掃いて、進んでゆく。
ドン!
「わっ、お客様、大変失礼いたしましたっ!」
「あ、いえ、私こそ、すみません。
……あっ、さっきチャペルを見せてくれたスタッフさんですよね。
先程は、お忙しいところありがとうございました」
緑川がぶつかったのは、支配人の想い人と一緒に来ていた友人だった。
そんな事を知らない緑川は、ただのお客様だと思っている。
実は、彼女達は、チェックインの時刻よりも早くホテルに到着し、早速、チャペルを見に来ていたのだ。
丁度、その時、チャペルに居合せた緑川が鍵を開けて、中を見せてあげたのだった。
「あ、いえ。恐れ入ります。
あのぉ、お客様、失礼ですが、どちらにおいででしょうか?
チャペルでしたら、只今、閉鎖されておりますが?」
「あ、もうチャペルには行きませんので、大丈夫です。
ちょっと、その先の方に行ってなかったので、散歩に来てみただけです」
「それは、失礼いたしました。
それでしたら……。
この先、ずっと真っ直ぐ右手にある木に……。
ええと、では、おすすめのスポットがございますので、僕がご案内致しますね。
お連れの方は?」
緑川は、周囲を見渡して聞いた。
「部屋でアンケートに答え……あっ、いえ、部屋で寛いでおります……」
そうして、緑川は案内をしながら、他愛の無い話しをする。
「えっ、海を越えてから、電車にも乗って、そして車で?
それは、大変お疲れ様でございました。
当ホテルのスポーツジムには、ジャグジーがございますので、是非、ご利用ください。
それと、水着のレンタルもございます。
あっ、宣伝になってしまいましたね。
失礼致しました」
「いえいえ、ふふっ。ジャグジーは、血行が良くなりますものね。
後で、スポーツジムに行く予定なので、プールの方にも寄ってみますね。
お仕事中なのに、案内をして頂いて申し訳ありません」
緑川は、右手に箒を持ち、左手を大きく振り、大丈夫だと言いながら、チャペル側の道を過ぎ、真っ直ぐに歩いて行く。
すると、突然、立ち止まり声を潜めて話す。
「そこの木、上の方。
幹と太い枝の間をご覧下さい。
そこに鳥の巣があります。
細かい枝を何処かから、運んで来て作っているんです」
「えっ?鳥の巣ですか?
えっ、どこ?えー、どこだろう?
あっ、あれかな?
もじゃっとしているところ、ですか?」
「そう、そうです。
キジバトが巣を作っている最中なんです。
まだ住んでいませんが、もうすぐ産卵す
るはずです」
「ええー、そうなんですか?
なら、その後が気になるので、また泊まりに来ないと!ですね。
私、桂木と申します。
珍しいものを見せて頂いて、ありがとう
ございました。
えっと、緑川さん?ご親切にありがとう
ございました」
桂木という女性が、ネームプレートを見て言った。
「恐れ入ります。
是非、近いうちにお越し下さいませ」
緑川は、童顔を更に可愛くさせた笑みを浮かべたのだった。
………………
辺りが薄暗くなってきた頃。
カレンダホテルのレストランでは、1組の男女が会計をしていた。
レジを打つレストランスタッフの横には、くじ箱を持つ野村の姿があった。
「おめでとうございます。
お客様の引かれた くじは、当たりでございます。
どうぞ、こちらの当たりくじ券をフロントへ、お持ちになって下さい」
喜ぶ彼女は、何が貰えるのかとワクワクしていた。
だが、受け取った物を見て茫然としたのだ。
「は?何これ?」
「このランタンを持って、チャペルへ行ったら、プレゼントが貰えるんだってさ」
「えっ!チャペルって、あそこでしょ?
今から、あの、木が沢山ある所を通って行くの?
えー!もう外は暗いし。虫がいるかも。
あたしは、怖いから嫌だからね。
カイリ、もらってきてよ」
杉村カップルの会話を聞いていたフロントスタッフが、こっそり倉田チーフに連絡をする。
「緑川さん、彼女がチャペルに行くのを拒否しているって連絡がきたわ」
「えっ、そんな!僕は、どうしましょう?
チャペルにいるべきですか?」
「あー、私が何とかするから、もう少し待っていて!」
電話を切った倉田チーフは、時計を見た。
(まだ、いるわよね)
しかしながら、宿泊客や許可を受けた者しか入れないことから、訪れる者が少ないのだ。
倉田チーフは、ブライダルサロンの中で、人目を気にしながら電話をかける。
「根岸君、今、休憩中?少しだけ上に行かない?」
………………
エレベーターで合流した2人は、屋上ガーデンに行く。
倉田チーフは、入口から さっと全体を見渡し、先客の有無を確認する。
「チェックインには少し早いから、まだお客様はいないみたいね……」
2人は、小山の下にある小さな池に向かい、自然に立ち話しを始めた。
「根岸君、ここに来るのは久しぶりだね……」
「そういえば、サクラをやって以来だな。あれは、面白かったよ」
以前、プロポーズ大作戦で、恋人のフリをした事を互いに懐かしむ。
「ふふふ、私も楽しかったわ。
実は、今日もプロポーズ大作戦があってね。
あっ、今日はサクラは必要ないけどね」
そんな会話は、池を挟んだ木々と、大きな庭石を隔てて、見えない向こう側に聞こえていた。
その向こう側には、なんと、現在 支配人が想いを寄せている彼女 天羽と、その友人 桂木という女性がいたのだ。
彼女は支配人から、ホテルの抜き打ち調査を依頼されて、支配人にも内緒で、友人と泊まりに来ている。
頼まれたからには、全力で調査をする気の彼女は、スタッフの対応を知る為に、早めのチェックインを願い出て、施設を見ていたのだ。
因みに彼女は、彼がどこの部署で働いているとか、何も知らない。
だから、偶然、彼とバッタリと会ってしまったら、仕方がないけれど、極力、隠密行動がしたいと思ってはいた。
けれど、女性と親しそうに話す彼に会ってしまうと、気まずい空気になりそうな予感がして、その場からそっと立ち去った。
支配人も倉田チーフも、人がいた事さえ気づかず、会話を続けている。
「……根岸君、プロポーズはしたの?」
「いや、まだ、そこまでは。
デートも、何となく、これデートなのかな?という感じだし……。
ただ、向こうは私に脈がありそうだから、もしかしたら、もしかするかもしれないが……」
「何よ、それ。
もう、ウダウダ言っている歳でもないでしょ?
この人だ!って思ったのなら、当たって砕けてみれば?」
「砕けろって?
そうだな、砕けてみるか。
うちの親も、私がずっと独身でいるから、心配しているしな……」
支配人の言葉を受け、倉田チーフは静かに呼吸を整える。
「プロポーズ、する気なのね?
……なら、この私がお手伝いしましょうか?」
「いや、いいよ。
君に手伝ってもらうなんて、微妙な気分になるし。
心配しなくても、大丈夫だから。
それよりも、今夜のプロポーズ大作戦の方に、しゅ、集中してくれたまえ!」
「あら、そう?わかったわ。
ま、今夜のプロポーズは成功確実だって、依頼者から伺っているから、緑川さんに任せているの。
彼、すっごい張り切っているから、期待していてね。
さてと、そろそろ休憩終わりね」
屋上ガーデンから、スタッフルームに戻った倉田チーフは、緑川に声を掛ける。
「準備はどう?」
「今、林にある癒しの小道に、電飾を取り付けてくれているので、これから見に行ってきます」
「はい、お願いね。
それにしても、雨が降らないみたいで良かったわね。
あ、そうだ、小道の清掃もやっておきなさい。
少しでも素敵な演出をしましょうね」
「はいっ。
大切な思い出のため、暗くて見えない
かもしれませんが、掃除をして参ります!」
………………
林の小道の両サイドには、青色や赤色の電飾が波型に、たるみを持たせて取り付けられていた。
夜に見たら、きっと綺麗だろう。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ
緑川は、左右に動き、砂を脇へ脇へと追いやるように掃いて、進んでゆく。
ドン!
「わっ、お客様、大変失礼いたしましたっ!」
「あ、いえ、私こそ、すみません。
……あっ、さっきチャペルを見せてくれたスタッフさんですよね。
先程は、お忙しいところありがとうございました」
緑川がぶつかったのは、支配人の想い人と一緒に来ていた友人だった。
そんな事を知らない緑川は、ただのお客様だと思っている。
実は、彼女達は、チェックインの時刻よりも早くホテルに到着し、早速、チャペルを見に来ていたのだ。
丁度、その時、チャペルに居合せた緑川が鍵を開けて、中を見せてあげたのだった。
「あ、いえ。恐れ入ります。
あのぉ、お客様、失礼ですが、どちらにおいででしょうか?
チャペルでしたら、只今、閉鎖されておりますが?」
「あ、もうチャペルには行きませんので、大丈夫です。
ちょっと、その先の方に行ってなかったので、散歩に来てみただけです」
「それは、失礼いたしました。
それでしたら……。
この先、ずっと真っ直ぐ右手にある木に……。
ええと、では、おすすめのスポットがございますので、僕がご案内致しますね。
お連れの方は?」
緑川は、周囲を見渡して聞いた。
「部屋でアンケートに答え……あっ、いえ、部屋で寛いでおります……」
そうして、緑川は案内をしながら、他愛の無い話しをする。
「えっ、海を越えてから、電車にも乗って、そして車で?
それは、大変お疲れ様でございました。
当ホテルのスポーツジムには、ジャグジーがございますので、是非、ご利用ください。
それと、水着のレンタルもございます。
あっ、宣伝になってしまいましたね。
失礼致しました」
「いえいえ、ふふっ。ジャグジーは、血行が良くなりますものね。
後で、スポーツジムに行く予定なので、プールの方にも寄ってみますね。
お仕事中なのに、案内をして頂いて申し訳ありません」
緑川は、右手に箒を持ち、左手を大きく振り、大丈夫だと言いながら、チャペル側の道を過ぎ、真っ直ぐに歩いて行く。
すると、突然、立ち止まり声を潜めて話す。
「そこの木、上の方。
幹と太い枝の間をご覧下さい。
そこに鳥の巣があります。
細かい枝を何処かから、運んで来て作っているんです」
「えっ?鳥の巣ですか?
えっ、どこ?えー、どこだろう?
あっ、あれかな?
もじゃっとしているところ、ですか?」
「そう、そうです。
キジバトが巣を作っている最中なんです。
まだ住んでいませんが、もうすぐ産卵す
るはずです」
「ええー、そうなんですか?
なら、その後が気になるので、また泊まりに来ないと!ですね。
私、桂木と申します。
珍しいものを見せて頂いて、ありがとう
ございました。
えっと、緑川さん?ご親切にありがとう
ございました」
桂木という女性が、ネームプレートを見て言った。
「恐れ入ります。
是非、近いうちにお越し下さいませ」
緑川は、童顔を更に可愛くさせた笑みを浮かべたのだった。
………………
辺りが薄暗くなってきた頃。
カレンダホテルのレストランでは、1組の男女が会計をしていた。
レジを打つレストランスタッフの横には、くじ箱を持つ野村の姿があった。
「おめでとうございます。
お客様の引かれた くじは、当たりでございます。
どうぞ、こちらの当たりくじ券をフロントへ、お持ちになって下さい」
喜ぶ彼女は、何が貰えるのかとワクワクしていた。
だが、受け取った物を見て茫然としたのだ。
「は?何これ?」
「このランタンを持って、チャペルへ行ったら、プレゼントが貰えるんだってさ」
「えっ!チャペルって、あそこでしょ?
今から、あの、木が沢山ある所を通って行くの?
えー!もう外は暗いし。虫がいるかも。
あたしは、怖いから嫌だからね。
カイリ、もらってきてよ」
杉村カップルの会話を聞いていたフロントスタッフが、こっそり倉田チーフに連絡をする。
「緑川さん、彼女がチャペルに行くのを拒否しているって連絡がきたわ」
「えっ、そんな!僕は、どうしましょう?
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