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06赤ん坊の扱いが怖すぎる。親はなにをしてるんだろう
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今ここにいるのは絶望し終えた男、抜け殻なのだ。いかにもなお涙頂戴演出はフィクションだけにしてほしい。
それにしてもと首を傾げ、赤子から離してから腕を拘束しておく。
「おいおい、まるで、罪人のようではないか?外してくれ」
「外さなければ、話を聞いてあげましょう。外すのなら追い出します」
「私は王太子なのだぞ?敬いというものを」
ぴしゃりと言う。
「出て行きますか」
「イレーヌとの子として育てればいいと思ってだな」
「出て行きますか、殿下」
やはり、まともに話を聞いていないのか、亡霊のようにぶつぶつと言うだけで問答のようなものになってないので、ドミニク様もその異様な様子に赤子を見つつ聞いてないフリをしている。ずるい男なのだこの人は。初めからそうであった。
「殿下、帰ってもらってもいいのですよ?あなたはもう婚約者でも、幼馴染でもないですから。無関係な赤の他人なのです。聞こえていますよね?壊れたフリをしても私にはわかるのですよ。卑怯なところは昔からありましたからね。殿下を別名で卑怯者と呼んでも構いませんのよ」
汚いものを見る目でジルベール様に対して、嫌悪感を伝えると彼はぶるっと震える。
「なぜだ?この子を共に育てれば」
言葉に詰まる相手へすかさず挟む。堂々巡りはおしまい。
「なぜ私がジルベール様の子供でもなかった、無関係な赤子を見なければ?」
「だって、君は私の婚約者だ」
関係者一同、この部屋にいる者たちは息を呑む。また、嘘をつく。
「私はもう、婚約者じゃありません。ジルベール様が婚約を解消するように、命令なさいましたもの」
「命令なんて」
「しましたの。貴族は王族の言葉に従うようにと教育を受けて、その通り婚約はなくなりました。そうでしょう?よかったではないですか」
にっこり笑う。この人が王子ではなく、人に化けたヒトモドキなのだと思えば怖さも多少薄くなる、わけもないが。でも、言わねば。
「よかったって、どこがだい?愛するマリシアに裏切られて、王太子だって父上が弟になるって言うんだ」
「あら、そうですか。まあ、なるでしょうねぇ」
素っ気なく済ませる。
「えっ」
ジルベール様はきっと、そんなの間違ってます、私が王様に言ってあげましょう、なんて言葉がかけられると思っていた顔をしていた。同意してもらえない悲しみの顔。それさえもわざとらしい。
「裏切られたと、おっしゃいましたね」
「ああ」
「では、殿下は誰も裏切ってませんか?」
「ん?」
裏切りなんて、そんなバカなと歪んだ笑みを浮かべる王子に全員きっと(嘘だろ!?)と思い描いているに違いない。この人はこう言う人なのだ。ドミニク様も言っていただろうと想い出す。
許す、許されないのことを考えない、まず全部思った通りに動くという前提で彼は生きている、と。生まれた時から国の王にするべく育てられてきたのだ。
「私を裏切りました」
ドミニク様が少し反応したが、それよりもジルベール様が強く否定する。言うと思ったので驚かない。
「してない。何を言うんだい?」
「では、教えてください。婚約者がいる男が婚約者ではない女と、関係を持つ意味を」
「そ……れは」
すかさず切り込む。
「浮気、ですわよね?」
「な、ちがっ。マリシアとは真の愛を」
「なぜ、その前に婚約を破棄してくれなかったのですか?」
「お、大袈裟になるだろ、そうだろう?」
「大袈裟?誰がどう大袈裟になるのです?」
絶対に逃さない。
「父上や、母上。君だって大袈裟にして慰謝料をたくさん」
「ええ。正当な慰謝料ですけれど」
イレーヌは容赦なく追い詰めていく。
「では、次です。なぜ、大袈裟になると思ったのです?普通は誠意を見せるべきですよね?見せてくれませんでしたが」
「み、見せたよ。覚えてるだろ?」
思い出そうとするが、ない。
「君と婚約破棄か婚約解消をしたいと、言っただろう?」
「え、あれがあなたの誠意?」
本気か?
「ああ!イレーヌはきっと悲しかったろう。悪かったね。でも、もう大丈夫。マリシアは嘘つきで子供もあの通り、イレーヌと育てるからっ」
「えーっと、それで?育てて何になるのです?」
聞けば、焦れた様子で目をふっくらさせる。
「イレーヌは意地悪だね。育てて、好きにすればいいんだ」
「好きに、とは?」
「うーん。例えば、大きくなったら資産のある家と結ばせて、そのお金で僕の父上や母上に渡して、君の慰謝料も上乗せすればきっと僕たちは許されるだろう」
「さっっっぱり、理解できません」
思った通り、もうこの人はダメなのだなと烙印を押す。自分と関係のない赤子を勝手に誘拐して、育てて資産家に売りつける。
「殿下。王国の太陽でいなければならない、王太子殿下に申し上げますと」
つまり、恨みを赤ん坊にぶつけたいという、理屈に沿っているようで大幅にズレている計画。
「え、なんだろう」
バカだバカだと思っていたが。
「まず、ですね。この赤子は聞いていると貴族の血は薄いとなります。マリシア様は庶民の血筋。そして、さらにマリシア様の血筋を受け継いでいるこの子はさらに貴族の血が薄いのですよね?」
「ああ。そうかもね」
他人事。
「そんな薄まった、貴族の血を持つ者は貴族ならば忌避します」
血が濃くなりすぎたとなると、別の話だが。
「そうかな?」
だから、他人事。
「そして、一番重要なのですが」
ここで、一息呼吸させるとジルベール様は期待に目を輝かせた。
「ジルベール様が、この世で一番関係ないです」
真実を知ってもらう。
「……えっ?」
それでも彼はまだ気付かない。
「あのですね。ジルベール様と恋人同士だったマリシア様は他に恋人がいましたが。それって王家に保護される前ですよね?恋人になってから保護されたのですよね?」
「あ、ああ」
「婚姻なさってない。しかも、婚約もまだ。そうですね?」
「うん。まだだよ」
未婚の母状態にあるのか。
「では、ジルベール様はやはり無関係になりますわね」
「いや、だから僕はあいつが我が子だと思って、信じて待ってたのに。勝手に生まれてきたくせに。僕は王太子を外されるんだ。あの実子ではないこのせいでっ」
ここまで、映像機器で撮れればもう王家など恐るるに足りない。
「あのですね。庶民は貴族と同じようにはなりません。マリシア様は庶民の出。価値観が違っただけでしょう。それに、殿下のお子様でないなら、殿下は本当になんの関係もないのです。法的にも」
「法的?」
「ええ。この国は法を厳守してますから。当たり前ですが、血のつながりがない赤ん坊を好き勝手できる権利はあなたにありません」
ああ、やっと言えたなとふう、と息を吐く。
男が壊れかけのなにかのようなフリをしていたから、随分と遠回しになってしまった。
「権利が、ない」
一言呟き、呆然と座りこける男を尻目にドミニク様が恐る恐る声をかけた。
「取り敢えず、この子を王宮に返そう。ついでにその、父親でもないのに誘拐した男も」
ドミニク様の言葉に皆は頷き準備しながらも、簡単に予測がつくことを浮かべる。今頃、赤子とジルベール王太子が行方不明になっておおわらわだろう。
「ドミニク様」
馬車で向かう最中、二人きりの車内で礼を言う。
「あの時、駆け付けてくださりありがとうございました」
「いいえ。向かう途中、あなたが私を呼ぶ声が聞こえた時は心臓が高鳴りました」
「高鳴ったのですか?」
「ドミニク、と呼んでくださった」
「あ、そう、なのですか?覚えてません。必死でしたので。ジルベール様が赤子に睡眠薬をと言い出して」
「え!?そ、それはまだ聞いてなかったことですが。なんとも恐ろしい目にあったのですね」
「そうですね。厄年なのでしょうか」
「いいえ!」
ドミニク様はイレーヌの手を握る。
「あなたの個人店はあんなに大盛況です。たまたま巡り合わせが悪かっただけなのでしょう。それに、私と出会えたことを吉だと少しでも」
「あ、ドミニク様……」
「ドミニク、と。もう一度」
「ドミ」
ガチャ。
「イレーヌ様、着きました」
言いかけた甘い空気も飛散した。
それにしてもと首を傾げ、赤子から離してから腕を拘束しておく。
「おいおい、まるで、罪人のようではないか?外してくれ」
「外さなければ、話を聞いてあげましょう。外すのなら追い出します」
「私は王太子なのだぞ?敬いというものを」
ぴしゃりと言う。
「出て行きますか」
「イレーヌとの子として育てればいいと思ってだな」
「出て行きますか、殿下」
やはり、まともに話を聞いていないのか、亡霊のようにぶつぶつと言うだけで問答のようなものになってないので、ドミニク様もその異様な様子に赤子を見つつ聞いてないフリをしている。ずるい男なのだこの人は。初めからそうであった。
「殿下、帰ってもらってもいいのですよ?あなたはもう婚約者でも、幼馴染でもないですから。無関係な赤の他人なのです。聞こえていますよね?壊れたフリをしても私にはわかるのですよ。卑怯なところは昔からありましたからね。殿下を別名で卑怯者と呼んでも構いませんのよ」
汚いものを見る目でジルベール様に対して、嫌悪感を伝えると彼はぶるっと震える。
「なぜだ?この子を共に育てれば」
言葉に詰まる相手へすかさず挟む。堂々巡りはおしまい。
「なぜ私がジルベール様の子供でもなかった、無関係な赤子を見なければ?」
「だって、君は私の婚約者だ」
関係者一同、この部屋にいる者たちは息を呑む。また、嘘をつく。
「私はもう、婚約者じゃありません。ジルベール様が婚約を解消するように、命令なさいましたもの」
「命令なんて」
「しましたの。貴族は王族の言葉に従うようにと教育を受けて、その通り婚約はなくなりました。そうでしょう?よかったではないですか」
にっこり笑う。この人が王子ではなく、人に化けたヒトモドキなのだと思えば怖さも多少薄くなる、わけもないが。でも、言わねば。
「よかったって、どこがだい?愛するマリシアに裏切られて、王太子だって父上が弟になるって言うんだ」
「あら、そうですか。まあ、なるでしょうねぇ」
素っ気なく済ませる。
「えっ」
ジルベール様はきっと、そんなの間違ってます、私が王様に言ってあげましょう、なんて言葉がかけられると思っていた顔をしていた。同意してもらえない悲しみの顔。それさえもわざとらしい。
「裏切られたと、おっしゃいましたね」
「ああ」
「では、殿下は誰も裏切ってませんか?」
「ん?」
裏切りなんて、そんなバカなと歪んだ笑みを浮かべる王子に全員きっと(嘘だろ!?)と思い描いているに違いない。この人はこう言う人なのだ。ドミニク様も言っていただろうと想い出す。
許す、許されないのことを考えない、まず全部思った通りに動くという前提で彼は生きている、と。生まれた時から国の王にするべく育てられてきたのだ。
「私を裏切りました」
ドミニク様が少し反応したが、それよりもジルベール様が強く否定する。言うと思ったので驚かない。
「してない。何を言うんだい?」
「では、教えてください。婚約者がいる男が婚約者ではない女と、関係を持つ意味を」
「そ……れは」
すかさず切り込む。
「浮気、ですわよね?」
「な、ちがっ。マリシアとは真の愛を」
「なぜ、その前に婚約を破棄してくれなかったのですか?」
「お、大袈裟になるだろ、そうだろう?」
「大袈裟?誰がどう大袈裟になるのです?」
絶対に逃さない。
「父上や、母上。君だって大袈裟にして慰謝料をたくさん」
「ええ。正当な慰謝料ですけれど」
イレーヌは容赦なく追い詰めていく。
「では、次です。なぜ、大袈裟になると思ったのです?普通は誠意を見せるべきですよね?見せてくれませんでしたが」
「み、見せたよ。覚えてるだろ?」
思い出そうとするが、ない。
「君と婚約破棄か婚約解消をしたいと、言っただろう?」
「え、あれがあなたの誠意?」
本気か?
「ああ!イレーヌはきっと悲しかったろう。悪かったね。でも、もう大丈夫。マリシアは嘘つきで子供もあの通り、イレーヌと育てるからっ」
「えーっと、それで?育てて何になるのです?」
聞けば、焦れた様子で目をふっくらさせる。
「イレーヌは意地悪だね。育てて、好きにすればいいんだ」
「好きに、とは?」
「うーん。例えば、大きくなったら資産のある家と結ばせて、そのお金で僕の父上や母上に渡して、君の慰謝料も上乗せすればきっと僕たちは許されるだろう」
「さっっっぱり、理解できません」
思った通り、もうこの人はダメなのだなと烙印を押す。自分と関係のない赤子を勝手に誘拐して、育てて資産家に売りつける。
「殿下。王国の太陽でいなければならない、王太子殿下に申し上げますと」
つまり、恨みを赤ん坊にぶつけたいという、理屈に沿っているようで大幅にズレている計画。
「え、なんだろう」
バカだバカだと思っていたが。
「まず、ですね。この赤子は聞いていると貴族の血は薄いとなります。マリシア様は庶民の血筋。そして、さらにマリシア様の血筋を受け継いでいるこの子はさらに貴族の血が薄いのですよね?」
「ああ。そうかもね」
他人事。
「そんな薄まった、貴族の血を持つ者は貴族ならば忌避します」
血が濃くなりすぎたとなると、別の話だが。
「そうかな?」
だから、他人事。
「そして、一番重要なのですが」
ここで、一息呼吸させるとジルベール様は期待に目を輝かせた。
「ジルベール様が、この世で一番関係ないです」
真実を知ってもらう。
「……えっ?」
それでも彼はまだ気付かない。
「あのですね。ジルベール様と恋人同士だったマリシア様は他に恋人がいましたが。それって王家に保護される前ですよね?恋人になってから保護されたのですよね?」
「あ、ああ」
「婚姻なさってない。しかも、婚約もまだ。そうですね?」
「うん。まだだよ」
未婚の母状態にあるのか。
「では、ジルベール様はやはり無関係になりますわね」
「いや、だから僕はあいつが我が子だと思って、信じて待ってたのに。勝手に生まれてきたくせに。僕は王太子を外されるんだ。あの実子ではないこのせいでっ」
ここまで、映像機器で撮れればもう王家など恐るるに足りない。
「あのですね。庶民は貴族と同じようにはなりません。マリシア様は庶民の出。価値観が違っただけでしょう。それに、殿下のお子様でないなら、殿下は本当になんの関係もないのです。法的にも」
「法的?」
「ええ。この国は法を厳守してますから。当たり前ですが、血のつながりがない赤ん坊を好き勝手できる権利はあなたにありません」
ああ、やっと言えたなとふう、と息を吐く。
男が壊れかけのなにかのようなフリをしていたから、随分と遠回しになってしまった。
「権利が、ない」
一言呟き、呆然と座りこける男を尻目にドミニク様が恐る恐る声をかけた。
「取り敢えず、この子を王宮に返そう。ついでにその、父親でもないのに誘拐した男も」
ドミニク様の言葉に皆は頷き準備しながらも、簡単に予測がつくことを浮かべる。今頃、赤子とジルベール王太子が行方不明になっておおわらわだろう。
「ドミニク様」
馬車で向かう最中、二人きりの車内で礼を言う。
「あの時、駆け付けてくださりありがとうございました」
「いいえ。向かう途中、あなたが私を呼ぶ声が聞こえた時は心臓が高鳴りました」
「高鳴ったのですか?」
「ドミニク、と呼んでくださった」
「あ、そう、なのですか?覚えてません。必死でしたので。ジルベール様が赤子に睡眠薬をと言い出して」
「え!?そ、それはまだ聞いてなかったことですが。なんとも恐ろしい目にあったのですね」
「そうですね。厄年なのでしょうか」
「いいえ!」
ドミニク様はイレーヌの手を握る。
「あなたの個人店はあんなに大盛況です。たまたま巡り合わせが悪かっただけなのでしょう。それに、私と出会えたことを吉だと少しでも」
「あ、ドミニク様……」
「ドミニク、と。もう一度」
「ドミ」
ガチャ。
「イレーヌ様、着きました」
言いかけた甘い空気も飛散した。
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