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02溺愛?
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一方その頃、勇者アルドたちのパーティーは地獄を見ていた。
保存食が尽き、現地調達を試みるもテアビリムの光の浄化ではどうにもならなかったのだ。
光魔法は穢れを払うが、魔物の肉体構造そのものを変えるわけではない。硬い皮は硬いまま。毒袋は光って綺麗になるだけで毒性は消えない。
「痛い!お腹が痛い!うあああ!」
「うが!テアビリム!毒が消えてないじゃないか!」
「そんなはずありません!私は聖女ですもの、キラキラしましたもの!やりましたもの!」
口にできたのは生焼けで臭みが酷く、痺れ薬のような味がする魔物の肉だけ。
全員が食中毒で痩せこけて肌は土気色になり、剣を振るう力も残っていなかった。
そんな時、彼らは海上で遭遇した。巨大な戦艦の甲板で宴を開いているこちらに。
風に乗って漂ってくるのは暴力的なまでに食欲をそそる焼き肉の匂い。ニンニクと果実を合わせたタレが、炭火で焼ける肉汁と混ざり合う抗いがたい香り。
「な、なんだあれは……くんくんくん!」
「肉だ……まともな肉だ……ああ!」
アルドたちは半狂乱で手漕ぎボートを出し、戦艦に近づいてきた。甲板から見下ろす自分と目が合う。
「シャルディ!シャルディじゃないか!」
「ああ、シャルディ!探していたんだ!お前がいなくなって寂しかったぞ!」
アルドが頬をこけさせながら、必死に猫なで声を出すと隣のテアビリムもプライドを捨てて叫んだ。
「お姉様!私お姉様のご飯が食べたいです!特にお味噌汁!茶色いスープが恋しいの!」
「……茶色いから汚いって、捨てたのは貴女じゃない。ふざけてるのね?」
冷ややかに見下ろすとガレオスが腰に手を回し、ドスの効いた声で一喝。
「我が船の料理長に気安く話しかけるな薄汚い連中め」
「て、提督!?なぜシャルディがそこに!?え?」
「彼女はおれの女神。貴様らのような舌の腐った連中には勿体無い」
ガレオスは焼きたての海竜カルビを箸で掴み、わざと見せつけるようにこちらの口元へ運んだ。それをパクりと食べる。
噛み締めた瞬間、濃厚な肉汁が口いっぱいに広がる。美味しい!
「ぐぬぬ……!シャルディ、命令だ!今すぐ戻ってこい!お前はおれの婚約者だろう!」
「婚約破棄したのはそっちでしょ?私はここで料理を作るので忙しいので」
合図を送ると船員たちが一斉に残飯(魔物の硬い骨や皮)を海に放り投げた。
「ひぃぃ!」
「それがお似合いです。自分たちの光とやらでお腹を満たせばいい」
戦艦は加速し、呆然とする勇者たちを波間に置き去りにした。
彼らがその後、どうなったかは知らない。言えることは、二度と美食を味わうことはできなかっただろうこと。
提督室にてガレオスと二人きりで晩酌をしていた。肴は新鮮な白身魚の昆布締めと熱燗。
「シャルディ。帝国に戻ったら結婚してくれないか」
酔いのせいか、それとも本気かガレオスの顔が赤い。
「食料係としてですか?」
「一人の男としてだ……もちろん味噌汁を一生飲みたいという下心も否定はしないが」
真剣な眼差しで手を取った。手は武骨で大きくてとても温かい。
「私でよければ。ふふ。その代わりに好き嫌いしたら許しませんからね?」
「望むところだ」
海の上、月明かりの下。腐敗と呼ばれた手は今、誰よりも愛しい人を幸せな笑顔にしている。
明日はどんな美味しいものを作ろうかおメニューを考える心は、満腹感と幸福感で満たされていた。
勇者たちを置き去りにした戦艦リヴァイアサンは帝都の港へと帰還した。
港にはガレオス提督の凱旋と噂の料理聖女を一目見ようと、数万の市民が詰めかけている。いつの間にか自分のことまで伝わっているとはどういうことなのだろう。
「提督!提督~!戻られましたか~!」
出迎えたのは、帝国宰相の老紳士。しかし、顔は心なしか青白い。
実はガレオス不在の間に、帝国の食糧事情は最悪の事態を迎えていた。隣国の呪いによって家畜は病に倒れ、穀物は実をつけない。国民は当たり前だが飢えた。帝国は崩壊の危機に瀕している。
「宰相、そんな顔をするな。最高の解決策を連れて帰ってきた」
ガレオスは力強く引き寄せ、広場に設置された特設ステージへと促す。
戦艦の倉庫に眠っていた食材を取り出す。道中で討伐した超巨大な深海魚キング・グルーパーの身と魔法で品種改良したミラクルライス。
「帝都の皆さん、お腹が空いているでしょう?今から心も体も熱くなる料理を作りますよ!」
ステージ上で巨大な鉄板に火をかけた。今日のメニューは帝国の危機を救う海鮮あんかけ黄金チャーハンにしようと黄金色に輝く卵を鉄板に割り入れる。
ジュワァァァァッ!
鮮烈な音が広場に響き渡る。間髪入れずに炊きたてのパラパラとしたライスを投入。 分解魔法で米粒一つ一つに魔力を通し、一瞬で卵と油をコーティングしていく。
「見てくれあの手つき!魔法を使っているのか、それとも神の業か!?」
市民たちが息を呑む中でサイコロ状に切った海竜の肉と、深海魚の身、彩りのパプリカを投入。
鉄板の上で具材が躍り、香ばしい醤油の香りが風に乗って帝都全域に広がっていく。
「これだけじゃありません。仕上げは特製海鮮あんです」
海竜の骨から取った濃厚な出汁にホタテに似た魔物の貝柱をたっぷり加え、片栗粉でとろみをつけた黄金のあん。
山盛りに盛られた熱々のチャーハンの上から、一気に注ぎ込む。
ドロリ、ジュワッ!
湯気と共に立ち上る磯の香りと濃厚な旨味の香り。拷問に近いものが数万人の空腹を直撃。
「食べてください!」
兵士たちが次々と配膳していくものを、一口食べた市民たちが次々と膝をついて涙を流した。
「う、うますぎる……ああ!体の芯から力が湧いてくるぞ!」
「の、呪いが消えていく……すごい!料理に聖なる力が宿っているわ!」
毒素中和は土地や体に染み付いた呪いさえも不純物として分解し、栄養に変えることができたのだ。後で知ったことだけどね。
帝都は一瞬にして絶望の淵から歓喜の渦へと変わった。
一方その頃、ボートで漂流し、ようやく王国の海岸へ辿り着いた勇者アルドとテアビリム。彼らが目にしたのは変わり果てた故郷の姿。
「シャルディがいないせいで、土地が腐り始めている……と?」
王国の農地は女が密かに毒抜きをしていた頃の肥沃さを失い、文字通り腐敗していた。
作物には虫が湧き、家畜は逃げ出し、贅沢三昧だった王族たちも今や泥まみれの根野菜を齧って飢えを凌いでいる。
「アルド様、お腹が空きましたわ……何か、何か美味しいものを……なにか」
「うるさい!おれだって腹が減ってるんだ!テアビリムの浄化魔法で泥水をスープに変えろ!」
「そんなの無理です!光を出すことしかできませんから!無茶なことを言われても無理ですもの!」
二人は泥濘の中で掴み合いの喧嘩を始めた姿は、輝かしい勇者と聖女の面影はどこにもない。
口にできるのは自分たちがシャルディを追い出して手に入れた不毛な自由の味のみ。
保存食が尽き、現地調達を試みるもテアビリムの光の浄化ではどうにもならなかったのだ。
光魔法は穢れを払うが、魔物の肉体構造そのものを変えるわけではない。硬い皮は硬いまま。毒袋は光って綺麗になるだけで毒性は消えない。
「痛い!お腹が痛い!うあああ!」
「うが!テアビリム!毒が消えてないじゃないか!」
「そんなはずありません!私は聖女ですもの、キラキラしましたもの!やりましたもの!」
口にできたのは生焼けで臭みが酷く、痺れ薬のような味がする魔物の肉だけ。
全員が食中毒で痩せこけて肌は土気色になり、剣を振るう力も残っていなかった。
そんな時、彼らは海上で遭遇した。巨大な戦艦の甲板で宴を開いているこちらに。
風に乗って漂ってくるのは暴力的なまでに食欲をそそる焼き肉の匂い。ニンニクと果実を合わせたタレが、炭火で焼ける肉汁と混ざり合う抗いがたい香り。
「な、なんだあれは……くんくんくん!」
「肉だ……まともな肉だ……ああ!」
アルドたちは半狂乱で手漕ぎボートを出し、戦艦に近づいてきた。甲板から見下ろす自分と目が合う。
「シャルディ!シャルディじゃないか!」
「ああ、シャルディ!探していたんだ!お前がいなくなって寂しかったぞ!」
アルドが頬をこけさせながら、必死に猫なで声を出すと隣のテアビリムもプライドを捨てて叫んだ。
「お姉様!私お姉様のご飯が食べたいです!特にお味噌汁!茶色いスープが恋しいの!」
「……茶色いから汚いって、捨てたのは貴女じゃない。ふざけてるのね?」
冷ややかに見下ろすとガレオスが腰に手を回し、ドスの効いた声で一喝。
「我が船の料理長に気安く話しかけるな薄汚い連中め」
「て、提督!?なぜシャルディがそこに!?え?」
「彼女はおれの女神。貴様らのような舌の腐った連中には勿体無い」
ガレオスは焼きたての海竜カルビを箸で掴み、わざと見せつけるようにこちらの口元へ運んだ。それをパクりと食べる。
噛み締めた瞬間、濃厚な肉汁が口いっぱいに広がる。美味しい!
「ぐぬぬ……!シャルディ、命令だ!今すぐ戻ってこい!お前はおれの婚約者だろう!」
「婚約破棄したのはそっちでしょ?私はここで料理を作るので忙しいので」
合図を送ると船員たちが一斉に残飯(魔物の硬い骨や皮)を海に放り投げた。
「ひぃぃ!」
「それがお似合いです。自分たちの光とやらでお腹を満たせばいい」
戦艦は加速し、呆然とする勇者たちを波間に置き去りにした。
彼らがその後、どうなったかは知らない。言えることは、二度と美食を味わうことはできなかっただろうこと。
提督室にてガレオスと二人きりで晩酌をしていた。肴は新鮮な白身魚の昆布締めと熱燗。
「シャルディ。帝国に戻ったら結婚してくれないか」
酔いのせいか、それとも本気かガレオスの顔が赤い。
「食料係としてですか?」
「一人の男としてだ……もちろん味噌汁を一生飲みたいという下心も否定はしないが」
真剣な眼差しで手を取った。手は武骨で大きくてとても温かい。
「私でよければ。ふふ。その代わりに好き嫌いしたら許しませんからね?」
「望むところだ」
海の上、月明かりの下。腐敗と呼ばれた手は今、誰よりも愛しい人を幸せな笑顔にしている。
明日はどんな美味しいものを作ろうかおメニューを考える心は、満腹感と幸福感で満たされていた。
勇者たちを置き去りにした戦艦リヴァイアサンは帝都の港へと帰還した。
港にはガレオス提督の凱旋と噂の料理聖女を一目見ようと、数万の市民が詰めかけている。いつの間にか自分のことまで伝わっているとはどういうことなのだろう。
「提督!提督~!戻られましたか~!」
出迎えたのは、帝国宰相の老紳士。しかし、顔は心なしか青白い。
実はガレオス不在の間に、帝国の食糧事情は最悪の事態を迎えていた。隣国の呪いによって家畜は病に倒れ、穀物は実をつけない。国民は当たり前だが飢えた。帝国は崩壊の危機に瀕している。
「宰相、そんな顔をするな。最高の解決策を連れて帰ってきた」
ガレオスは力強く引き寄せ、広場に設置された特設ステージへと促す。
戦艦の倉庫に眠っていた食材を取り出す。道中で討伐した超巨大な深海魚キング・グルーパーの身と魔法で品種改良したミラクルライス。
「帝都の皆さん、お腹が空いているでしょう?今から心も体も熱くなる料理を作りますよ!」
ステージ上で巨大な鉄板に火をかけた。今日のメニューは帝国の危機を救う海鮮あんかけ黄金チャーハンにしようと黄金色に輝く卵を鉄板に割り入れる。
ジュワァァァァッ!
鮮烈な音が広場に響き渡る。間髪入れずに炊きたてのパラパラとしたライスを投入。 分解魔法で米粒一つ一つに魔力を通し、一瞬で卵と油をコーティングしていく。
「見てくれあの手つき!魔法を使っているのか、それとも神の業か!?」
市民たちが息を呑む中でサイコロ状に切った海竜の肉と、深海魚の身、彩りのパプリカを投入。
鉄板の上で具材が躍り、香ばしい醤油の香りが風に乗って帝都全域に広がっていく。
「これだけじゃありません。仕上げは特製海鮮あんです」
海竜の骨から取った濃厚な出汁にホタテに似た魔物の貝柱をたっぷり加え、片栗粉でとろみをつけた黄金のあん。
山盛りに盛られた熱々のチャーハンの上から、一気に注ぎ込む。
ドロリ、ジュワッ!
湯気と共に立ち上る磯の香りと濃厚な旨味の香り。拷問に近いものが数万人の空腹を直撃。
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「うるさい!おれだって腹が減ってるんだ!テアビリムの浄化魔法で泥水をスープに変えろ!」
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