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第3話 真夏の怪~台所で鳴る奇妙な音

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《タイトル画面》


これは今年の夏休み話です。……原因が分かるまでは恐かった。
____________________________

家族で岐阜県の妻の実家に行って、
新東名を飛ばして、23時頃に家に着いた。
岐阜はどこに行っても暑かったけど、
並んで買った飛騨牛メンチは旨かった。
 
旅行バックから、洗い物とかを出していると、
台所で、たくさんもらってきた野菜や、
あゆやスイカとかを冷蔵庫に入れていた娘が、

「なにか音がする!」と、急に声を上げた。

「何かってなんだよ」と、台所に行って見ると、
たしかに「キュッ!……キュッ!」という生き物の鳴き声なのか、
体育館シューズで床を擦るような音が、定期的にどこからともなく聞こえる。

「マジか!?」
台所のどこから聞こえるのかを探っていると、床下のような、
流し台の下の水道管のような、
その横にある食洗器の裏なのか、良く分からない。

3日間留守にしている時に、家になにかが住み着いてしまったのか?
そういえば、いつか見たTVで、屋根裏に住み着いたアライグマかなにかを
駆除する番組を思い出した。

だけど今日は、みんな疲れているので、気にはなるけど、
そのまま放置で、寝ることにした……。

このまま夜中に何も起きなければ、
明日、キッチンの床下にある収納を開けてみることにしよう。


―――翌朝。
目を覚まして、リビングに行くと、娘が台所で、食事の支度をしていた。

「原因、分かったよ」
岐阜の実家から貰って来た食材を切りながら、娘が言った。

ソファを周って、台所へ行くと、脇の台の上に、
何かの装置が取り外されて置いてあった。

「原因はこれだったのか?」と、天井を見上げると、
「うん」と、娘が微笑んだ。

……ビビリの一人住まいが、仲間に無理やり心霊スポットに付き合わされて、
家に帰って夜中にこれやられたら、きっと気を失いますな。



『住宅用火災警報器は、10年で電池の寿命がくるものが多く、その際に「キュッ!」や「ピッピッ!」といった電子音で電池切れをお知らせる機種があります。』
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