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縁日の夜 アーサーとミッシェル

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レオールとセバスの、近いテーブルのアーサーとリュート。

「リュート、見たか! 兄上がセバスさんにかき氷を食べさせたぞ」

「はい、見ました。セバス兄が照れています」

「俺たちを気にして照れているな。兄上は気付いていないみたいだけど……」

ナチュラルにいちゃついているから、普段からやっているのだろうな――兄上、同じかき氷を仲良く食べるとはーー俺もリュートとしたい。しかし、兄上のようには自然にできないよな。

「しかし、目のやり場に困るな」  

見ている、こちらが照れる。羨ましっちゃ羨ましいけど。

「アーサー様、見てください。セバス兄のあの表情ーーレオール王太子殿下を愛していると言った表情です」

「レオール兄上もだな、優しい瞳でセバスさんを見ている」

2人にあてられてリュートに触れると、最終的に俺が我慢できなくなる。

「はぁー俺も、リュートと、かき氷の食べあいっこやりたいな」

「僕はいいですよ、何味を貰ってきますか?」

「俺は苺がいい!」

「かしこまりました」







ところ変わってミッシェルのテーブル。

「ハサハ、いま、見ました」

「はい、ミッシェル様、見ました」

「レオールお兄様がセバスさんにあーんしましたわ。それにお兄様とセバスさんの距離が近くなっている!」

「ミッシェル様、落ち着いてください」

これは我慢できない。

お兄様、セバスさん、ごめんなさい。良いネタ提供感謝します。と、もしものためにと持ってきていた、手帳を取り出した。

ハサハも隣で私を止めたくせに、ゴゾゴゾと何やらメモっている。そうね。あなたも小説のコンテストに出すと言っていたわね。

――負けわせんわ!

「レオール王太子殿下と側近は仲が良いのだな――良い」

私の反対側に座るジェダ様まで、スケッチブックを取り出して、お兄様たちのスケッチを始めていた。


お兄様とセバスさんは誰が見ても、美男子同士ですもの書かず(描かず)にいられないわね。



――その後。夜空に上がった花火を、様々な思いで眺めたのであった。

(いま、レオールお兄様とセバスさんが顔を寄せ合ったわ!)

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