【完結】旦那様、契約妻の私は放っておいてくださいませ

青空一夏

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16 『恋人その5様』はピンク頭! 宇宙人がやって来た

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「こんばんはぁーー。ご機嫌よう! カイドの奥様はとても素敵で性格が良さそぉーー! 私達、とても良いお友達になれると思いませんかぁ? 食べ物はなにがお好き? 私はカイド様が好きなものなら大抵、大好きぃーー。ねぇ、お友達にすっごくなれそうーー!」

 突然、ご自分の名前を名乗りもせずに、ピンクの髪と瞳のとても愛らしい令嬢が友情を差し出してきました。

「まぁーー。いいですわねぇーー。名無し様。そのピンクの瞳はとても愛らしいですわ。でもそのピンクの髪は染めていらっしゃるのでしょう? 根元が少し黒いですもの。染めると髪は痛みませんか?」

「あたしにはイボンヌという名前がありますーー。『イボちゃん』って呼んでもいいですぅ。お友達になったからついでに申し上げますけれど、アイビーちゃんはカイド様に愛されていないでしょう? 私はいつもカイド様から、この愛らしい顔を見て心が和むと言われてまぁす。 癒やし系なのですって。そう、お父様もお母様もおっしゃるので間違いないですぅ。私は天然の癒やし系なのです。髪は・・・・・・ナイショでぇす」

「あら、まぁ。天然様の癒やし系なのですね? でも自分でおっしゃる方に限って、演技なさっている方が多いですわよねぇーー。毎日、ストレスがたまりますでしょう? お疲れ様でございます」

 私は、自分で天然だとおっしゃる女性は信用しません。だって、天然って自分はしっかりしていると思い込んでいるものでしょう? ちなみに、私は『しっかり者』で、天然ではありませんからね?

「演技? 演技なんかしてませぇん。せっかく友達になってあげようとしたのにぃーー。怖いぃーー! なんで、アイビーちゃんは、あたしを虐めるの? そんな意地悪な人は、公爵夫人になっちゃだめだよぉ。皆が困るとかわいそうだから、あたしがなってあげるーー」

 (^-^✿) (_ _✿)(^-^✿) (_ _✿)うんうん。これは宇宙人ですね? 間違いないです。ピンクのお花を髪に挿した宇宙人です・・・・・・

「都合が悪くなるとすぐ『いじめられているーー』と騒ぐのは良くないです。『あたし、頭悪いです』と公言しているようなものです。それから、公爵夫人は自分で勝手に志願してなれるものではありません。私に宣言してみたところで、なんの効力もありません。あと、恋人の皆さんに先ほどから申し上げていますことは、私は関係ありませんからね。恋人同士で集まってくじ引きでもなさって、まずはどなたが唯一の恋人になるか、決めるのが先決ですわ」


「へ? くじ引き?」


「そう、くじ引きですわ。この場合、当たりがでたらラッキーなのかアンラッキーなのかは、私にもわかりません」

「ひどぉーーい! カイドさまぁーー。アイビーちゃんが怖いよぉーー」

「ふーーん。なかなか、面白いですわ。私も真似してよろしくて? 『イボちゃんが、怖いよぉーー』と言えば、イボちゃんの大事な男性が構ってくださる仕組みと理解しましたわ! 『イボちゃん、怖いよおーー』と5回ほど練習しますわ」

 そして宣言どおりにその言葉を連発して、なにか楽しくなってきた私なのでした。 




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