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10 手中の珠を自ら捨てたバカ
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(ショーン視点)
「なんでこんなものが届くんだ?」
この屋敷の賦払金請求書? そういえば、この屋敷は私の名義で購入し毎月少しづつ、パトリシアが私の稼ぎから返済していたはず。家の管理は全て妻、パトリシアに任せていたのだ。
「イボンヌ。まだ籍は入っていないが、君はもう私の妻のようなものだからお金は預けるよ。これ今月分。家の支払いなどもこれでしっかりやってくれよ」
私は未開封の請求書と封筒に入った金を手渡す。
イボンヌは上機嫌で請求書を開封し、手渡された金と見比べて困惑した。
「どうしたんだい? 私のお給料が多くてびっくりした?」
「これ、少なっつ!! お給料の一部でしょう? 全部出してちょうだい。お給料の明細書もすべてよ。・・・・・・なんで半分以上も抜き取っているのよ? これじゃぁ、屋敷のお金を払ったら生活できないわ」
「だって、パトリシアは、ちゃんとやっていたぞ! おかしいじゃないか!」
「ちょっといい? ここに座って耳の穴かっぽじってよく聞きなさいよっ! ショーン様がぬきとったお金を戻してもらっても、多分前みたいな生活はできません! この屋敷の毎月の賦払金を払ったら半分も残らないでしょう? 呆れたわ!びっくりするぐらい少ないじゃない。見かけ倒しもいいところよ。この倍はあるって思ったら・・・・・・はっ! パトリシアお姉様めっ! 騙したわね?」
「・・・・・・この屋敷の賦払金がそこまで高いなんて・・・・・・じゃぁ、私達は今までどうやって生活できたんだろう?」
「こんにちわぁーー!! 失礼しまっす。パトリシア様のお荷物を引き取りに来ましたぁ」
どやどやとやって来る男達には見覚えがある。
「王宮の庭師? なんでここに?」
「あぁ、それは聞かないでくださいねーー。シークレット案件でっす。聞いたら王妃殿下の逆鱗に触れますよ? それでは、運ばせていただきまぁす」
屋敷の奥までずかずかと上がり込み、次々と家具を運び出していく。
「おーい。そっち持ってくれよぉーー。いちにのさん! ダメダメ。いったん置くぞ。はい、またそっち持ってぇーー!」
食堂の大理石の大きなテーブルを4人がかりで運ぶ。
「おーーいぃ!! 居間の応接セットにカーテン、絨毯、キッチン周りの鍋や食器もだぞぉお。あ、このシャンデリアもだ。いいか? ベッド以外は全てだ」
3、40人はいると思う。次々と家具を運び出し、残ったのは本当にベッドだけ・・・・・・
「なんでだよ? パトリシアのものだけ持っていくんだろう? なぜ、ここのものを全部持っていくんだ?」
「ここにあるものは全部、パトリシア様のお金でご購入なさったと聞きました。ショーン様のお給料だけだと食費さえ足が出た、とおっしゃっていましたよ」
なかでも一番年長者っぽい男が、私を軽蔑の眼差しで睨み付けた。
「文官のくせに、ヒモかよ? かっこわるっ。まぁ、パトリシア様の方があんたの何倍も稼ぐから、良い暮らしができていたのだろうなぁ。あんないい嫁もらっといて・・・・・・お前、終わったな」
庭師の若者に笑い飛ばされて、プライドはずたずただ。
「さぁ、運びこんだかぁーー? さぁて、じゃぁ、行くぞーー」
「待ってくれ。・・・・・・もしかしてパトリシアって・・・・・・王妃殿下のお気に入り?」
「ぷっ。今頃気づいたのかよ? こぉんな豪勢な屋敷に住んで親の面倒までみて、自分もたっぷり小遣いを抜き取ってたんだろう? 調べはついてるぜ? あんた地質調査班だっけ? 金の計算できねーの?」
別の男が嘲笑う。
「あ、そういえばマリアンヌって女が王妃殿下に泣きついてたなぁ。あんたに『妻とは離婚する』って口説かれていたって・・・・・・ありえねーー」
一番若くみえる男は、私を指さして笑い転げた。
「くっ・・・・・・なんでそんなことまで知っているんだよ? 庭師風情が」
「お前、なんにも知らないんだなぁ。王家の庭師って、なんで若い屈強な男ばかりか教えてやるよ。俺らは王家の影なのさ。舐めた口聞くと消すぞ! 少しは頭働かせて生きろよ。男爵家の三男坊さんよぉーー」
「こら、言葉遣いが悪い! ショーン様、王妃殿下から近いうちに呼び出されると思いますよ。あなたのなさってきたことは全て王妃殿下にご報告しましたので。では、失礼いたします」
年長者は影のリーダーか。話し方はインテリっぽいが、瞳は野生の肉食獣のように鋭くオーラがどす黒い。まさに闇の頭・・・・・・
(・・・・・・やばい・・・・・・これじゃぁ、出世どころか命の保証もないかも・・・・・・)
「パトリシアお姉様がそんなに偉い人だったなんて・・・・・・どうしよう。今から謝って・・・・・・」
イボンヌは焦って顔面蒼白だ。
「あぁ、そっちのご婦人には『慰謝料は請求しないであげる』と、おっしゃっていました。『粗大ゴミを引き取ってくれて、ありがとう!』とのことです」
言われたイボンヌは荷物をまとめだして・・・・・・
「なんでこんなものが届くんだ?」
この屋敷の賦払金請求書? そういえば、この屋敷は私の名義で購入し毎月少しづつ、パトリシアが私の稼ぎから返済していたはず。家の管理は全て妻、パトリシアに任せていたのだ。
「イボンヌ。まだ籍は入っていないが、君はもう私の妻のようなものだからお金は預けるよ。これ今月分。家の支払いなどもこれでしっかりやってくれよ」
私は未開封の請求書と封筒に入った金を手渡す。
イボンヌは上機嫌で請求書を開封し、手渡された金と見比べて困惑した。
「どうしたんだい? 私のお給料が多くてびっくりした?」
「これ、少なっつ!! お給料の一部でしょう? 全部出してちょうだい。お給料の明細書もすべてよ。・・・・・・なんで半分以上も抜き取っているのよ? これじゃぁ、屋敷のお金を払ったら生活できないわ」
「だって、パトリシアは、ちゃんとやっていたぞ! おかしいじゃないか!」
「ちょっといい? ここに座って耳の穴かっぽじってよく聞きなさいよっ! ショーン様がぬきとったお金を戻してもらっても、多分前みたいな生活はできません! この屋敷の毎月の賦払金を払ったら半分も残らないでしょう? 呆れたわ!びっくりするぐらい少ないじゃない。見かけ倒しもいいところよ。この倍はあるって思ったら・・・・・・はっ! パトリシアお姉様めっ! 騙したわね?」
「・・・・・・この屋敷の賦払金がそこまで高いなんて・・・・・・じゃぁ、私達は今までどうやって生活できたんだろう?」
「こんにちわぁーー!! 失礼しまっす。パトリシア様のお荷物を引き取りに来ましたぁ」
どやどやとやって来る男達には見覚えがある。
「王宮の庭師? なんでここに?」
「あぁ、それは聞かないでくださいねーー。シークレット案件でっす。聞いたら王妃殿下の逆鱗に触れますよ? それでは、運ばせていただきまぁす」
屋敷の奥までずかずかと上がり込み、次々と家具を運び出していく。
「おーい。そっち持ってくれよぉーー。いちにのさん! ダメダメ。いったん置くぞ。はい、またそっち持ってぇーー!」
食堂の大理石の大きなテーブルを4人がかりで運ぶ。
「おーーいぃ!! 居間の応接セットにカーテン、絨毯、キッチン周りの鍋や食器もだぞぉお。あ、このシャンデリアもだ。いいか? ベッド以外は全てだ」
3、40人はいると思う。次々と家具を運び出し、残ったのは本当にベッドだけ・・・・・・
「なんでだよ? パトリシアのものだけ持っていくんだろう? なぜ、ここのものを全部持っていくんだ?」
「ここにあるものは全部、パトリシア様のお金でご購入なさったと聞きました。ショーン様のお給料だけだと食費さえ足が出た、とおっしゃっていましたよ」
なかでも一番年長者っぽい男が、私を軽蔑の眼差しで睨み付けた。
「文官のくせに、ヒモかよ? かっこわるっ。まぁ、パトリシア様の方があんたの何倍も稼ぐから、良い暮らしができていたのだろうなぁ。あんないい嫁もらっといて・・・・・・お前、終わったな」
庭師の若者に笑い飛ばされて、プライドはずたずただ。
「さぁ、運びこんだかぁーー? さぁて、じゃぁ、行くぞーー」
「待ってくれ。・・・・・・もしかしてパトリシアって・・・・・・王妃殿下のお気に入り?」
「ぷっ。今頃気づいたのかよ? こぉんな豪勢な屋敷に住んで親の面倒までみて、自分もたっぷり小遣いを抜き取ってたんだろう? 調べはついてるぜ? あんた地質調査班だっけ? 金の計算できねーの?」
別の男が嘲笑う。
「あ、そういえばマリアンヌって女が王妃殿下に泣きついてたなぁ。あんたに『妻とは離婚する』って口説かれていたって・・・・・・ありえねーー」
一番若くみえる男は、私を指さして笑い転げた。
「くっ・・・・・・なんでそんなことまで知っているんだよ? 庭師風情が」
「お前、なんにも知らないんだなぁ。王家の庭師って、なんで若い屈強な男ばかりか教えてやるよ。俺らは王家の影なのさ。舐めた口聞くと消すぞ! 少しは頭働かせて生きろよ。男爵家の三男坊さんよぉーー」
「こら、言葉遣いが悪い! ショーン様、王妃殿下から近いうちに呼び出されると思いますよ。あなたのなさってきたことは全て王妃殿下にご報告しましたので。では、失礼いたします」
年長者は影のリーダーか。話し方はインテリっぽいが、瞳は野生の肉食獣のように鋭くオーラがどす黒い。まさに闇の頭・・・・・・
(・・・・・・やばい・・・・・・これじゃぁ、出世どころか命の保証もないかも・・・・・・)
「パトリシアお姉様がそんなに偉い人だったなんて・・・・・・どうしよう。今から謝って・・・・・・」
イボンヌは焦って顔面蒼白だ。
「あぁ、そっちのご婦人には『慰謝料は請求しないであげる』と、おっしゃっていました。『粗大ゴミを引き取ってくれて、ありがとう!』とのことです」
言われたイボンヌは荷物をまとめだして・・・・・・
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