11 / 53
嫌なババァと思っていたけれど気前がいいわね(ミランダ視点)
しおりを挟む
私は、お姑様のカトレーネ・トマス公爵夫人に呼び出された。
「大奥様のお屋敷に急いでいらっしゃるようにとのことです」
なにか、ご機嫌を損ねるようなことをしたかしら? あのババァは苦手だわ。あの見透かしたような目つきがどうにも落ち着かなくなるのよ。別に、悪いことなんかしていなくても居心地が悪いったらないのよね?
だから、なるべく関わらないようにしていたのに、呼びつけられたら行かないわけにはいかないわ。
私は、すぐ隣にそびえ立つ屋敷に向かった。社交界の頂点に立つカトレーネ・トマス公爵夫人、早く死ねばいいのに!
☆
ーーカトレーネ・トマス公爵夫人の屋敷の来客用の居間にてーー
「ミランダでございます。お義母様、どのようなご用件でしょうか?」
「あぁ、よく来たわねぇ。まぁ、そこのソファにお座りなさい。お菓子は召し上がる?」
「いいえ、結構です。子供達が心配なので早く戻りたいので」
「そう? いつも、子育てで大変よねぇーー。そのご褒美にしばらく、子供達を預かるわ。と言っても私とマーガレットで別荘に行くので、ついでに連れて行くのだけれど・・・・・・私が絵を描くのは知っているわね?近々、絵のコンテストがあってね、山の絵やら、そこに咲く高山植物などを描きたいのよ。マーガレットも絵を描くのを趣味にしたいのですって」
まずいわよ。マーガレットに口止めしないと。子供達にも余計なことは言わないように言い含めよう。いつも、あんなに頻繁に預けていると知ったら実家に行っていないことがこのババァにばれちゃう。マーガレットめ、なんでそんな趣味を作ろうとするのよ?あんたは大人しく家にいて私の子供の面倒を見ていればいいのよ!
「あぁ、それと。湖の畔に良い物件があったから孫達のために購入しましたよ。名義はメイソンとクリストファーの二人です。中庭付きの大きな館です。家具もカーテンもすべて揃えています。鍵はこの5個で、ミランダに預けておきますよ。息子達の為にミランダが管理しなさい」
え?屋敷をくれるって言ったわよね? このババァ、たまにはいいことするじゃない?
しかも、鍵も五個もくれて管理しろって・・・・・・ぷっ、あははっ・・・・・・なんて素敵なの?
そのうえ、子供までしばらく別荘に連れて行ってくれるなんて!マーガレットも行くならジェームズは自由。私達は自由に、いつでも会えちゃうってことじゃぁないのかしら?
これって、パラダイス?うふふ。マーガレットにも子供にも余計なことは言わないようにすれば大丈夫よ。
子供なんて、まだ小さいから、よくわかっていないはず。お菓子で釣ればオッケーだわ。
マーガレットは、ただのお人好しだから楽勝だわ。
「あぁ、お義母様。私も決して暇なわけではありませんが、その鍵をお預かりしてしっかり管理していきたいと思います」
私は、わざと困ったような顔をしてみせたのだった。
-・-・-・おまけ
「ふっ。愚かな嫁だこと。別荘には、ミランダの弟夫婦も招待しよう」
カトレーネ・トマス公爵夫人のその独り言は、もちろんミランダには聞こえてはいない。
「大奥様のお屋敷に急いでいらっしゃるようにとのことです」
なにか、ご機嫌を損ねるようなことをしたかしら? あのババァは苦手だわ。あの見透かしたような目つきがどうにも落ち着かなくなるのよ。別に、悪いことなんかしていなくても居心地が悪いったらないのよね?
だから、なるべく関わらないようにしていたのに、呼びつけられたら行かないわけにはいかないわ。
私は、すぐ隣にそびえ立つ屋敷に向かった。社交界の頂点に立つカトレーネ・トマス公爵夫人、早く死ねばいいのに!
☆
ーーカトレーネ・トマス公爵夫人の屋敷の来客用の居間にてーー
「ミランダでございます。お義母様、どのようなご用件でしょうか?」
「あぁ、よく来たわねぇ。まぁ、そこのソファにお座りなさい。お菓子は召し上がる?」
「いいえ、結構です。子供達が心配なので早く戻りたいので」
「そう? いつも、子育てで大変よねぇーー。そのご褒美にしばらく、子供達を預かるわ。と言っても私とマーガレットで別荘に行くので、ついでに連れて行くのだけれど・・・・・・私が絵を描くのは知っているわね?近々、絵のコンテストがあってね、山の絵やら、そこに咲く高山植物などを描きたいのよ。マーガレットも絵を描くのを趣味にしたいのですって」
まずいわよ。マーガレットに口止めしないと。子供達にも余計なことは言わないように言い含めよう。いつも、あんなに頻繁に預けていると知ったら実家に行っていないことがこのババァにばれちゃう。マーガレットめ、なんでそんな趣味を作ろうとするのよ?あんたは大人しく家にいて私の子供の面倒を見ていればいいのよ!
「あぁ、それと。湖の畔に良い物件があったから孫達のために購入しましたよ。名義はメイソンとクリストファーの二人です。中庭付きの大きな館です。家具もカーテンもすべて揃えています。鍵はこの5個で、ミランダに預けておきますよ。息子達の為にミランダが管理しなさい」
え?屋敷をくれるって言ったわよね? このババァ、たまにはいいことするじゃない?
しかも、鍵も五個もくれて管理しろって・・・・・・ぷっ、あははっ・・・・・・なんて素敵なの?
そのうえ、子供までしばらく別荘に連れて行ってくれるなんて!マーガレットも行くならジェームズは自由。私達は自由に、いつでも会えちゃうってことじゃぁないのかしら?
これって、パラダイス?うふふ。マーガレットにも子供にも余計なことは言わないようにすれば大丈夫よ。
子供なんて、まだ小さいから、よくわかっていないはず。お菓子で釣ればオッケーだわ。
マーガレットは、ただのお人好しだから楽勝だわ。
「あぁ、お義母様。私も決して暇なわけではありませんが、その鍵をお預かりしてしっかり管理していきたいと思います」
私は、わざと困ったような顔をしてみせたのだった。
-・-・-・おまけ
「ふっ。愚かな嫁だこと。別荘には、ミランダの弟夫婦も招待しよう」
カトレーネ・トマス公爵夫人のその独り言は、もちろんミランダには聞こえてはいない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,774
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる