(完結)「泥棒猫の寄生虫!」と罵倒されましたが、それはあなたの思い違いです。

青空一夏

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(ミスティ・カドバリー公爵令嬢視点)

 私は7歳の頃に高熱を出し、この世界より前に生きた日本という国を思い出した。そこでの私は高校生で、勉強は苦手なちょっぴり太めで冴えない女の子だった。ボーイフレンドもいないし、友人は漫画や逆ハーレムのネット小説とゲームだ。

 現実の世界ではコミュ障気味だったし、自分に自信がないからおしゃれも楽しめない。でも二次元の世界では、私はヒロインで超絶イケメンが私だけを奪い合う。

 ゲームで課金しまくって親に叱られ、携帯やタブレットを取り上げられそうになったことは何度もある。でもこの神な世界からは抜け出せない。私はここでは絶対的ヒロインなのだから。現実では叶わない夢をぎゅっと詰め込んだこの世界をこよなく愛している。イケメンがたくさんいて、ヒロインの最後は王子様と結ばれるのはど定番なのよ。

 新発売されたばかりの乙女ゲーム、買ったばかりのそれはパッケージのイラストだけで、長時間眺めていられるほど好みの男性がずらりと並んでいた。


 説明書をざっと読む。ここでは、ヒロインの婚約者は男性にしては愛らしい顔の侯爵令息。彼には従姉妹がおり、なにをするにも彼女を優先する。ヒロインは屈辱的に婚約者から放置された。この従姉妹は、侯爵家の離れを独占し我が物顔で威張っている勘違い女らしい。ヒロインはその勘違い女に誘惑された婚約者に婚約破棄をし、未来を見ることのできる力を授かる。次々に未来を予言するヒロインを、諸外国のイケメン王子やイケオジ王達が妃に欲しがり、そこで奪い合いが始まるのよ。なんて素敵な展開なの! 

 それにしてもお腹が減った。お母さんはまだパートから帰って来ないし、コンビニまで走ってプリンでも買ってこよう。早くゲームがしたいから急がなくっちゃ。

 




 私はあたりをよく見もせず、コンビニがある通りに出る為に道路を横ぎり・・・・・・目が覚めたらこの世界にいたのだ。豪華な部屋に侍女やメイドのいる世界。一瞬で理解した。これってあのゲームの世界でしょう?


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