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165.閑話とあるスーパーでの情景1
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三連休の初日、千晴は特に予定もなく、
掃除・洗濯・炊事を終えると、暇になり、
布団という恋人から、睡魔に誘われていた。
(ちなみに炬燵は季節限定の千晴の愛人であった)
強烈な誘惑に打ち勝ち、食料等々を買いに外へ出た。
外は強い日差しの晴天であった。
一瞬、強い光が千晴の視界を奪った。
ううっ眩しい。
日差しを左手で遮りながら、
近場のスーパーへ向かった。
日差しの割に気温は低く、時節吹く冷たい風が
千晴には心地よかった。
千晴は、立ち止まり思いっきり両手を伸ばした。
「ふー」
一呼吸して、周りを見渡した。
普段と変わり映えのない風景であった。
10時のタイムセールにはギリギリ間に合うかなと、
てくてくと歩きながら、考えていた。
総菜は、夜にならないと値引きシールは付かないが、
今回は料理を作るため、午前中のタイムセールに狙いを
定めていた。
スーパーで品物の値段と睨み合いながら、
千晴は昨晩の清涼や莉々子たちのことを考えていた。
「ヴェルトゥール王国戦記」に何故、
あれだけ課金できるのだろうか。
(株)山田電設の給与は決して高いとは言えず、
どちらかと言えば、安月給の部類だったために
一体、何を削って課金しているのか甚だ疑問であった。
ぼんやりと考えている千晴の前で賞味期限が
近い食料品がどんどん、消えていった。
千晴も慌てて、幾つかの肉や野菜を手に取った。
10%offとは言え、千晴にとっては貴重な値引きであった。
周囲の視線が気になり、きょろきょろ、周りを見渡して、
赤色と黄色で形成された値引きシールの貼ってある品物を
手に取った。
「うーんうーん、魚の値段がまた、上がったなー。
鍋はちょっと、きついかな」
先の大戦以来、乱獲と生態系の回復という名目で、
漁獲域が世界協定で限定されており、
魚の値段は上がる一方であった。
「イナゴの佃煮にしようか。
それともうーん、どうしよう。
蝉のスナックかな」
昆虫も家畜化が進み、ごく一般的に認知され、
どこのスーパーでも手軽に入手できるようになっていた。
千晴は、イナゴの佃煮をかごにいれた。
結構な量を両手に抱えて、帰路につく千晴だった。
金さえあれば、無人配送も可能であったが、
周りに目をやると結構な人たちが自分で持ち運んでいた。
2年ほど前から、物価が緩やかに上昇し、
景気は冷え込み始めていた。
そんな世相を反映している風景であった。
「重い。重い」
独り言を呟きながら、何とか部屋に
たどり着いた千晴だった。
カーテンを開けると、一瞬、強い光が千晴の視界を奪った。
眩しい日差しのためと思ったが、光に慣れると、
周りを見渡して、部屋に戻った。
掃除・洗濯・炊事を終えると、暇になり、
布団という恋人から、睡魔に誘われていた。
(ちなみに炬燵は季節限定の千晴の愛人であった)
強烈な誘惑に打ち勝ち、食料等々を買いに外へ出た。
外は強い日差しの晴天であった。
一瞬、強い光が千晴の視界を奪った。
ううっ眩しい。
日差しを左手で遮りながら、
近場のスーパーへ向かった。
日差しの割に気温は低く、時節吹く冷たい風が
千晴には心地よかった。
千晴は、立ち止まり思いっきり両手を伸ばした。
「ふー」
一呼吸して、周りを見渡した。
普段と変わり映えのない風景であった。
10時のタイムセールにはギリギリ間に合うかなと、
てくてくと歩きながら、考えていた。
総菜は、夜にならないと値引きシールは付かないが、
今回は料理を作るため、午前中のタイムセールに狙いを
定めていた。
スーパーで品物の値段と睨み合いながら、
千晴は昨晩の清涼や莉々子たちのことを考えていた。
「ヴェルトゥール王国戦記」に何故、
あれだけ課金できるのだろうか。
(株)山田電設の給与は決して高いとは言えず、
どちらかと言えば、安月給の部類だったために
一体、何を削って課金しているのか甚だ疑問であった。
ぼんやりと考えている千晴の前で賞味期限が
近い食料品がどんどん、消えていった。
千晴も慌てて、幾つかの肉や野菜を手に取った。
10%offとは言え、千晴にとっては貴重な値引きであった。
周囲の視線が気になり、きょろきょろ、周りを見渡して、
赤色と黄色で形成された値引きシールの貼ってある品物を
手に取った。
「うーんうーん、魚の値段がまた、上がったなー。
鍋はちょっと、きついかな」
先の大戦以来、乱獲と生態系の回復という名目で、
漁獲域が世界協定で限定されており、
魚の値段は上がる一方であった。
「イナゴの佃煮にしようか。
それともうーん、どうしよう。
蝉のスナックかな」
昆虫も家畜化が進み、ごく一般的に認知され、
どこのスーパーでも手軽に入手できるようになっていた。
千晴は、イナゴの佃煮をかごにいれた。
結構な量を両手に抱えて、帰路につく千晴だった。
金さえあれば、無人配送も可能であったが、
周りに目をやると結構な人たちが自分で持ち運んでいた。
2年ほど前から、物価が緩やかに上昇し、
景気は冷え込み始めていた。
そんな世相を反映している風景であった。
「重い。重い」
独り言を呟きながら、何とか部屋に
たどり着いた千晴だった。
カーテンを開けると、一瞬、強い光が千晴の視界を奪った。
眩しい日差しのためと思ったが、光に慣れると、
周りを見渡して、部屋に戻った。
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