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654.新しき武器1
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「お騒がせしてすみません」
ラッセルがペコペコと何度も頭を下げた。
「いやまあ、大丈夫ですけど、
そこのお金をどうしますか?」
誠一はテーブルのお金を指差した。
「どうしましょう?」
逆にラッセルから指示を仰がれる誠一だった。
「既にここに置いてある以上、どうにもなりませんね。
ラッセルさん、受け取って有効活用してください。
それに宣伝に使おうと思ってもそこまで僕の名声は
高くないですから」
「いやそんなことないぞ。
高名な吟遊詩人ファーリに謳われた詩は
ここソルテールの酒場でも話題になっている。
それにS級の冒険者の剣豪鬼谷、
神剣の担い手マリアンヌがクランに
所属しているとなると、やはり人々の話題になるだろうな」
カーリーは即座に誠一に反論した。
「まあ仕方ないです。
ここで諍いの元を増やしても面倒事が増えるだけですしね。
行き過ぎた宣伝や噂を流すようでしたら、
ヨークさんの鍛冶場に直接出向きます」
ぎこちない不敵な笑みを浮かべる誠一だった。
「アル、それ、似合わないわよ」
シエンナやヴェルから指摘された。
「すみません、アルフレート様。
お手数をおかけします」
「オーケー!オーケー!
それよりラッセルさん、武器だ武器!早く見せてくれ」
ヴェルは我慢の限界を迎えていたようだった。
他のメンバーも同じようにうずうずしていた。
工房に誠一たちの武器が並べられた。
漆黒で黒い魔石、透き通るような透明の魔石をはめ込まれた7面メイス。
誠一はそのメイス手に取った瞬間、魔石の持つ力を感じ取った。
青白く赤白くゆっくりと変色する魔石がはめ込まれたハルバート。
ヴェルはそのハルバートを掴むと荒ぶる魔石の意思を感じ取った。
見た者の瞳を捉えて吸い込む様な深青の魔石をはめ込まれた杖。
シエンナはその杖を握ると込められた魔石の魔力を感じ取った。
4本の鉤爪が鈍い光を放つ鉄鋼鈎。
「ぴったりと両手にフィットしているです」
アミラは、満足そうだった。
刃の逆側に櫛のような奇妙な形状が目を惹くソード・ブレイカー。
「ほう、思ったより扱いやすそうだな」
マリアンヌは、片手で柄を握り、剣の重さや長さを念入りに確認した。
のこぎりのような形状の刃が禍々しさを醸し出すフランベルジェ。
「悪くないな。だが、少し手入れが大変そうだな」
ロジェは、目を細めて、のこぎり状の刃を注視した。
8本の投擲用の短剣と補助系と雷系の魔術が
込められた魔石の埋め込まれた2本の刺突用の短刀。
「これを私が受け取っていいのか」
サリナは目の前に置かれた短剣と短刀を前におろおろしていた。
「当たり前でしょ。手に取って使い勝手を確認しなさい」
キャロリーヌに勧められて、サリナは剣を手に取った。
ほど良い重さにしっくりとくる握り、サリナは自然に言葉が出た。
「ありがとう」
「いーの。気にしなくていいから。
それよりしっかりと仕事なさい。いいわね」
キャロリーヌがにこやかに笑った。
「あーでも私だけ何もなしか。
アル、何かないのかしら?」
キャロリーヌの言葉に反応せずに
誠一、ヴェル、シエンナは額に少し汗を流しながら、
三者三様に真剣な面持ちで武器を見つめていた。
ラッセルがペコペコと何度も頭を下げた。
「いやまあ、大丈夫ですけど、
そこのお金をどうしますか?」
誠一はテーブルのお金を指差した。
「どうしましょう?」
逆にラッセルから指示を仰がれる誠一だった。
「既にここに置いてある以上、どうにもなりませんね。
ラッセルさん、受け取って有効活用してください。
それに宣伝に使おうと思ってもそこまで僕の名声は
高くないですから」
「いやそんなことないぞ。
高名な吟遊詩人ファーリに謳われた詩は
ここソルテールの酒場でも話題になっている。
それにS級の冒険者の剣豪鬼谷、
神剣の担い手マリアンヌがクランに
所属しているとなると、やはり人々の話題になるだろうな」
カーリーは即座に誠一に反論した。
「まあ仕方ないです。
ここで諍いの元を増やしても面倒事が増えるだけですしね。
行き過ぎた宣伝や噂を流すようでしたら、
ヨークさんの鍛冶場に直接出向きます」
ぎこちない不敵な笑みを浮かべる誠一だった。
「アル、それ、似合わないわよ」
シエンナやヴェルから指摘された。
「すみません、アルフレート様。
お手数をおかけします」
「オーケー!オーケー!
それよりラッセルさん、武器だ武器!早く見せてくれ」
ヴェルは我慢の限界を迎えていたようだった。
他のメンバーも同じようにうずうずしていた。
工房に誠一たちの武器が並べられた。
漆黒で黒い魔石、透き通るような透明の魔石をはめ込まれた7面メイス。
誠一はそのメイス手に取った瞬間、魔石の持つ力を感じ取った。
青白く赤白くゆっくりと変色する魔石がはめ込まれたハルバート。
ヴェルはそのハルバートを掴むと荒ぶる魔石の意思を感じ取った。
見た者の瞳を捉えて吸い込む様な深青の魔石をはめ込まれた杖。
シエンナはその杖を握ると込められた魔石の魔力を感じ取った。
4本の鉤爪が鈍い光を放つ鉄鋼鈎。
「ぴったりと両手にフィットしているです」
アミラは、満足そうだった。
刃の逆側に櫛のような奇妙な形状が目を惹くソード・ブレイカー。
「ほう、思ったより扱いやすそうだな」
マリアンヌは、片手で柄を握り、剣の重さや長さを念入りに確認した。
のこぎりのような形状の刃が禍々しさを醸し出すフランベルジェ。
「悪くないな。だが、少し手入れが大変そうだな」
ロジェは、目を細めて、のこぎり状の刃を注視した。
8本の投擲用の短剣と補助系と雷系の魔術が
込められた魔石の埋め込まれた2本の刺突用の短刀。
「これを私が受け取っていいのか」
サリナは目の前に置かれた短剣と短刀を前におろおろしていた。
「当たり前でしょ。手に取って使い勝手を確認しなさい」
キャロリーヌに勧められて、サリナは剣を手に取った。
ほど良い重さにしっくりとくる握り、サリナは自然に言葉が出た。
「ありがとう」
「いーの。気にしなくていいから。
それよりしっかりと仕事なさい。いいわね」
キャロリーヌがにこやかに笑った。
「あーでも私だけ何もなしか。
アル、何かないのかしら?」
キャロリーヌの言葉に反応せずに
誠一、ヴェル、シエンナは額に少し汗を流しながら、
三者三様に真剣な面持ちで武器を見つめていた。
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