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神世への追憶編

第二次エルヴスヘイム事件10(“完全なる無”と“究極の有”)

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「魔法や呪術、祈祷を行う上で大切な事は集中力ですノエルさん、それにレアンドロも。二人とも素質はあるみたいだから後は、と言うよりも此処だけは本当に良く覚えておいて欲しいんだけれども周りの雑音に一切耳を貸すことなく“その一瞬”に何処まで集中する事が出来るか。全てはそこに掛かっています、集中する事で精神は徐々に研ぎ澄まされ、感覚は冴え渡ってその結果、自分自身の深い領域の中に眠っている霊魂や神の部分と直結する事が出来るようになるのです。・・・何故ならば自身の霊力や神力を意識下で感得する事が出来るようになると、後は自然と注意や神経の矛先が其方へと向いて行くようになる為なのですが、先ずはこれらが出来るようになって下さい。具体的な話はそれからです」

「・・・・・」

「・・・・・」

 “なんだかとっても”と旅を続ける傍らで蒼太から、術式や霊能力に付いてのレクチャーを受けているノエルが呟いた、“ファンタジーな話をしているわね?”とそう告げて。

「まあでも取り敢えず、魔法に必要なのは集中力なのは解ったけれど・・・。でもどんなに頑張って集中しても、今までに一度だって私の周囲で何らかの“超常現象”が起こった試しは無いわよ?それに付いてはどう説明をするつもり?ソー君・・・( ̄○ ̄)( ̄○ ̄)( ̄○ ̄)」

「それに漫画なんかだと、集中力よりもむしろ、怒りとかの感情がある一定値を超えると爆発的な変化が起きているようだけれども・・・。あれらはどう説明を付ける気なんだい?蒼太・・・」

「先ずはノエルさんの方から解説して行くけど、それはノエルさんの集中力が魔法を扱う程の“規定値”に足りていなかったのと何処かで“自分には超能力はない”、“魔法なんか使える訳がない”と言う“思い込み”があったからだと思われます。要するにそれらの思考や意識がモロに“現実化”してしまっているんですね、それに加えてノエルさんもレアンドロも産まれてこの方、魔法や霊力なんか発動させたり使ったりなんてした事も無かったから、尚更使い方が解らなかったんでしょう。ああ言うのって鉄棒の“逆上がり”なんかと一緒で理屈よりもむしろ感覚で解るモノですからね、体で覚えるモノですから。その結果として脳ミソや意識に“出来て当然”、“こうやれば良いんだ”と言う思考回路が刻み込まれる訳なんですけど、二人にはそれがまだ無いんですよ。だから自らの秘めたる能力を理解して感じ取り、それを自由に発揮する事が出来ないんです」

 “要するに”と蒼太は続けた、“コツを掴んでないだけなんですよ”とそう告げて。

「“能力発動”の成功体験が無いから、余計に自分でもどうすれば良いのかが解らない。その結果“やっぱり無理だ”と言う思いばかりが増大して尚更、魔法を発動させる事が出来なくなっているんです。それにもう一つのレアンドロの話なんですけれども何で漫画なんかだと、主人公が怒りとかの感情で大幅なパワーアップするのか、と言えばそれは怒りや憎しみに集中する事で他の不要な感情や思考に見向きもしなくなる為だと思われます。僕自身にも何度か経験があるんですけど人って本当に愛情一色に染まったり、また或いは怒りに飲み込まれてしまった場合は“今、この瞬間”だけに精神が集中して来るモノなんですよ。要するに“後先考えなくなってくる”んですね、そうすると徐々に“意識のリミッター”が解除されて余計な思考が失われ、“真なる自分自身”と素直に直結して行ってその結果、普段は秘められている己の本性や本質が顕在化して来るんです。そしてそれに伴って自らが宿している“本当の力”が芯底から沸き上がり、漲って来る、と言う訳なんですよ。それが“怒り”とか“憎しみ”、或いは“愛情”によって大幅なパワーアップを果たしたり、その人の持っている“本当の光り”を顕現させたりする事の正体なのです」

「・・・・・っ(・_・;)(・_・;)(・_・;)」

「ううーむ・・・っ!!!」

「特に“己の持っている真なる輝き”が表面化して来ると凄いですよ?あれらは時空や次元の法則性を遥かに超えて、その人の思いを一瞬で現実化させますから。何しろ真っ当な人間ならば誰しもが持っている“根源神”の光り煌めきですからね、それは所謂(いわゆる)不可能を可能にする力、即ち“愛そのモノの波動”であり宇宙や世界を自由自在に創造して改変して行く“創造能力”の発現発露、それそのものに他なりませんから・・・!!!」

「・・・・・?」

「・・・創造、能力?」

「そうさ」

 レアンドロが恐る恐る発した言葉に、蒼太が頷いた。

「創造と言うのはこの宇宙を生み出した原初の神にして“最上の愛そのもの”、“無限の光そのもの”だと言って良いんだけれども、その能力は人間達にもちゃんと宿っているんだよ?何故ならば人間と言うのは“創造”の分身である“根源創造神”、そのまた分身体である“創造神”の更なる分身体である“宇宙神”の、これまた分身体である各銀河神霊、各星座神霊、そして各太陽系惑星神霊達、要するに“天津神”が土着の自然神である“国津神”と力を合わせて生み出したモノだからね。それも自分の血肉や霊魂までをも分け与えて“至上なる愛の顕現”、“完成形”としてこの3次元に生み落として行ったモノなんだ。だから人間には皆にちゃんと“神々の力”が宿っているし、本来であれば“愛”だって知っている筈なんだよ。・・・例え上手く“言語化”出来なかったとしてもね、誰もがそれらが途轍もなく貴重で尊くて、大切なものだって事は感じて解っている筈なんだ・・・!!!」。

「・・・・・」

「・・・・・」

「僕達全員が“現実を作る能力”を備えているのにはここに、その原因がある。兎にも角にも“創造”は“愛”によって無から全てを創造し、またそれらを受け入れて存続させ、顕現させた。“産まれておいで?”、“ここにいて良いんだよ?”と言ってね。それがどれだけ有難い事か、ノエルさん達にだって解るでしょう?」

「・・・ね、ねえソー君!!!」

「何ですか?ノエルさん・・・」

「取り敢えずはお呪(まじな)いに必要な要素が集中力にあるのは良く解ったけれども・・・でも一体、あなたの言っている“愛”って言うのはこの場合、具体的に何なのかしら・・・?」

「存在する事ですよ」

 続けてもっともな疑問を投げ掛けてくるノエルに対してにべも無く、蒼太が告げるが彼の言う所に因れば創造は他の存在、取り分け重要な役割を持ったそれらを生み出す際には魂を新たに作り与えるのではなく、基本的に先ずは“最上の愛”たる自分自身の“分け御霊”を与えてそこから姿形をその者達に似合ったモノへとデザインして行くのである、との事であって、その末端にいるのが所謂(いわゆる)“人類”だ、との結論であったのだ。

「みんなまだ良く解っていないと思うんだけれども。そもそも論として宇宙や世界、そして何より“存在”を創造する時ってその持てる集中力を最大限にまで発揮して精神力をギリギリまで削り込み、己自身に不断の実直さを貫き通す事によってのみ漸くそれらが顕現して来るモノなんだよ。自身に纏わり付いて来る妄想や雑念、悪意等の不要なモノや紛い物等を全て残らず刮ぎ落として行ってその結果、最後の最後で漸く本物の光だけが現れて来るようになるんだけれどもそれこそが“偽ざる答え”であり“真なる思いの丈の結実”、それそのモノに他ならないんだ・・・!!!」

 “要するに”と蒼太は続けた、“自身の持てる全能力と誠意とを出し切り、尽くし切った上で初めて顕現させる事の出来る真心の結晶、それこそが所謂(いわゆる)存在であり世界であり宇宙であり、そしてそれは紛う事無き本物の、目眩く愛の輝きを放つモノに他ならないのです”と。

「己の願いと祈りの全てを賭けて生み出されて来た“確かなる煌めきのエネルギー”。それこそが“愛”ですよ・・・!!!」

「・・・・・」

「・・・・・」

「そうした“愛のエネルギー”と言うのはだから、極めて純粋無比でありその為、始原の神である“創造”と同じ波長、力、特性を持っています。つまりそれはこの宇宙のありとあらゆる次元や時空、そして事象を貫いて凜として存在し続ける、と言う事でありその光り輝きの前には何物も、太刀打ちする事が出来ないのです・・・」

「・・・・・っ。つまりは、“愛こそが真実であり最強”って事ね?」

「そう言う事です。まあ解りやすく言い換えると愛とは要するに“自身の純粋なる真心を顕現させる事”であり、それは=で自分の中に眠る原初の神“創造”と直結する事と同義語なのです。この“創造”こそは最高の愛の体現者にして全ての大元であり、加えて“最強の存在”でもあります。そしてこの“創造”と己を同調させる事で現実を自由に創造したり改変したりする能力(ちから)、所謂(いわゆる)“創造能力”を駆使する事が出来るようになる訳なのですが、そうするとつまりは“不可能を可能にする”事も決して夢物語では無くなって来る、と言う訳なのですよ・・・!!!」

「・・・・・」

「うーん・・・っ!!!」

「・・・まあ、難しく考えなくても良いですよ。それよりもなによりもノエルさん達は先ずは“自分自身の能力”と“その発動の仕方”を学びましょう。その為には最初に左右の脳波を安定させて同調させ、“Θ波”を出現させる事から始めなくてはなりません」

「まだちょっと良く解らない所もあるけれど・・・。だけど要するに“真心”を尽くせば所謂(いわゆる)“奇跡の力”を使う事も出来るようになってくる、と言う訳ね?」

「そうです。ただし本当に神と直結する程にまで、真心を尽くし切る事が出来ればね・・・?」

 そう言って青年はチラリとメリアリア達“花嫁組”に視線を送るが何を隠そう彼自身もまたその領域、心境に達した彼女達の愛と奇跡の力によって一度ならずも助けられた事があるのであり、それに加えて“神人化”を会得している蒼太はだから、自らに“偽りざる祈りを捧げる事”の難しさをよくよく思い知っていたのであってそれ故、ノエル達がこれから突破しなければならない障壁の大変さ、面倒臭さに付いて頭を悩ませていたのである。

「先ずは呼吸を整える事から始めましょう。呼吸は全ての元ですからね、これを疎かにしては何も始まりません・・・!!!」

 そう言って蒼太は尚も話を続けた、“肉体の中で最も魂に近しいモノって何だか知っていますか?”とそう言って。

「ええっ!!?解んない。頭かな・・・(;¬_¬)(;¬_¬)(;¬_¬)」

「やっぱり心臓、じゃないかな・・・?」

「レアンドロ。君のはかなり近いんだけれども実は臓器そのものでは無いんだ」

 “正解は血液だよ”と蒼太は告げた、“血液こそがこの肉体の中で最も魂に近しいと言われているんだ”とそう述べて。

「魂には実体が無い。だけど確かに存在していて波動を放っているだろう?血液だって同じだよ、決まった形を持っていないけれども無くてはならないモノであり、また“ドク、ドク、ドク”って脈を打ち続けているだろう?ちなみにこの脈と言うのは主に精神や心理面に直結していてそこに何か変動があると忽ちの内に反映されるようになっているんだ・・・!!!」

「へえぇぇっ。なるほどねえぇぇ・・・( ̄。 ̄;)( ̄。 ̄;)( ̄。 ̄;)」

「でも確かに、怒りや恐怖を感じたりすると脈を打つスピードが増したり。逆に安らいでいる場合は落ち着いて来たりするモノなぁ・・・っ!!!」

「そうだろう?で、先ずはこの脈拍を整える為の呼吸法をマスターする事から始めて欲しいんだけれども。これをやる事によってとにかく、脳波を左右で同調させて活性化し、その結果肉体を一般人バージョンから超能力者のそれへと変えて行くんだよ」

 “大きく息を吸って!!!”と蒼太は指示した、“肺呼吸じゃないよ?腹式呼吸だ、腹の底から空気を取り入れて、それを全部吐き出させる!!!”と。

「丹田を活性化させて、心中を伸ばす。そうすると自然と横隔膜も反応して伸び縮みするから断然、呼吸がし易くなるんだ・・・」

「スウゥゥゥー、ハアァァァー・・・ッ!!!」

「スウウゥゥゥッ。ハアアァァァ・・・ッ!!!」

「呼吸を整えるとね?それに連れて意識が段々と穏やかになって行くんだ。そうすると脳波が活性化して行ってβベータ波からαアルファ波、そしてΘシータ波、δデルタ波と移り変わって行く。君達二人は先ずは脳波レベルをΘ波にする事から取り組むんだ、旅の途中は勿論、休憩や食事の時、寝る前までも常に意識してこの呼吸をやり続けること。二人は既にフォルジュナ様から潜在能力を呼び覚まされているから脳波は必ず、直ぐさま反応を示してくれる筈なんだよ」

 “一般人がゼロからスタートするよりは、大幅に楽が出来る筈だよ・・・”と青年が語るが果たして、それは間違い等では決して無かった。

 それから僅か1週間と経たない内にノエルとレアンドロの脳波レベルは改善されて部分的にではあるが超能力者の脳波である“Θ波”を覚醒状態でも観測するに至っていたのだ。
ーーーーーーーーーーーーーー
 愛とは一体、何なのでしょうか。

 それは“存在する事”でありもっと言ってしまえば“己の持っている真心を顕現させる事”です。

 何故ならば人間の本質とは愛の光り輝き、それそのモノに他ならないからです(だから自分自身に誠意を尽くし切りますと、それが最後の最後でこの世に顕現して来るのです)。

 そもそも人間には“始原の神”の“分け御霊”が宿っておりその為にその能力(ちから)である“創造能力”を駆使する事が出来るのですが、ちなみにこの“創造”と言うのは(ちょっと意味不明な表現になりますが)何処までも連綿と続く“満ち満ちていた無”の只中から最初に現れた存在だとされています←つまりは“無”が“無”でいる事に我慢が出来なくなってしまった、と言う事なのでしょうか(“無”にも意志や意識が生じて来る、と言う事なのでなのしょうか?その辺の事情についてはまだ良く解ってはいないそうです)、とにかく“完全なる無”が一挙に反転して生み出されて来た“究極の有”、それこそが“創造”でありそして“創造”はだから、最初から全く以て混じり気の無い“愛と光そのもの”だったのだそうです。

 その分霊を、人間達も(大半は)宿しているのですがしかし、それをこの世に改めて顕現させるとなると物凄く大変です、何しろ自分自身の全能力を出し切ると同時に己に対して誠意を尽くし、実直さを貫き通さなくてはなりません(何故かと言えばそれは“真なる煌めき”を体得する為には妄想や雑念、悪意等の紛い物や不純物を取り除き、振り解かなくてはならないからであり、そうして最後の最後まで添削を繰り返し続けてもう、それ以上刮(こそ)ぎ落とす所が何も無い、と言う状態にまで磨き上げられた“純粋なる真心の光り輝き”こそが“偽りざる愛のエネルギー”、それそのモノに他ならないからです)。

 このエネルギーは(自然状態に於いては)全てを劈(つんざ)いて事象の本質を直撃し、それを自身の望んだように、或いは自らの意志の赴くままに震わせる力を持っています(つまりは物事や現実を創造したり変化、変質させる力を持っている、と言う事です)、何故ならばその煌めきは“原初の神”である“創造”の愛の光り輝き、それそのモノだからであり、それと同じ波長、力、特性を有しているからです(この宇宙にある、ありとあらゆる次元や時空、存在等を貫いてその物事自体に徹底的に作用します←つまりはこれこそが呪術や魔法、或いは祈祷によって摩訶不思議な現象が起こったり、所謂(いわゆる)“奇跡”が顕現して来る事の所以(ゆえん)です)。

 ただしそれを可能にする為には凄まじい迄の集中力と屈強なる精神力を要しますが、ここで言う“集中力”とは即ち“自分がどれだけ創造に近付けたのか”と言う指標を指し示す物差しであり(自分自身に回帰する能力、と言い換えてもよろしいでしょう)、そしてもう一つの“精神力”とは“願いが叶うまで決してブレない意識力”、つまりは“根性”の事だと思っていただいて差し支えないかと考えます。

 それらを極限まで発揮して途中でありとあらゆる誘惑や悪意、また障害と障壁とにぶち当たっても決してへこたれず、また惑わされる事も無くただひたすらに努力をし続ける事(或いは祈り続ける事)に於いてのみ、初めて達成させる事の出来る現象、それこそが“創造能力”なのであり、それは言い換えれば混じり気の無い極めてピュアなる“意思の力”、また或いは“純粋なる光の波動法力”とでも呼ぶべきモノなのです(だから所謂(いわゆる)“愛する人”とは“己の偽りざる真心を尽くすべき人”と言う事になります、そしてそれをお互いに尽くし合った時にはもう、凄い事が起きるのです←愛しさが何処までも何処までも、後から後から溢れ出して止まらなくなってしまうのですが、特にこの辺りの事は今後、小説に於いては蒼太君とメリアリアちゃん達、或いはノエルちゃんとレアンドロ君を通してしっかりと書かせていただく所存です)。

 ではちなみにこの波動法力、即ち“エネルギー”とは一体全体何でしょうか。

 それは創造の意志が波動(振動、揺らぎ)と化して具現化したモノです(この世に具象化したモノです、そしてこの時、一番最初に顕現したモノこそがあの世もこの世も含めた全ての宇宙全体に遍(あまね)く充満している“始原波動粒子”とでも呼ぶべきモノであり“数多の存在”を生み出して来た大元のエネルギーに他なりません←それ故にそれら全てに内包されています)。

 “生きよ”、“産まれよ”、“在れ!!”と言った“創造の意志の力”が大いなるうねりとなって(即ち“振動”となって)遍(あまね)く宇宙中に伝播していったものなのです(だから存在している全てのモノは須(すべから)く皆、振動しています、即ち“波動”を発しているのです)。

 ではどうして波動は(即ちエネルギーは)何かをなす際の力(原動力)となるのでしょうか?

 先にも述べさせていただきましたが、存在しているモノは皆、須(すべから)く“固有の波動”を発しています、そして自身の発している波動と言うのは、どんなに微弱なモノであっても必ず、周辺の空間に伝わって行くモノのなのですが、するとこの時、何も無い状態の時に比べて空間には歪み(或いは空間的に波打つ揺らぎ)が生じるのです。

 これは即ち“状態が変化する”と言う事を意味します(ここで言う“歪み”と言うのは即ち“変化”の事を指し示します)が、この揺らぎが凝り固まって強大なモノになりますと、最早空間に単なる波紋を広げるのみならず、この世界や宇宙全体にまで、ハッキリとした“影響”を及ぼす程の強大なる力を持つ、凄まじいまでのエネルギー源(振動源)となります。

 これが所謂(いわゆる)“力場”と呼ばれているモノの正体です(逆に言い換えれば、それだけのエネルギーが溜め込まれたモノだけが“力場”として顕現するのです)、またここで出て来る影響を及ぼす力、即ち“影響力”と言うモノはですから、物凄く大事なモノなのです、何故ならそれは現実を、世界を、そして宇宙そのものを“作り変える力”である事を意味するモノであるからです。

 例えば皆様、前にチョロッと出て来ましたが(確か第三章の半ばの話である“龍神の咆哮”でも登場したかと思われますが)“宇宙戦艦ヤマト”に出て来る“タキオン波動粒子収束砲”(通称“波動砲”)を御存知ですか?

 あれは極限まで増幅、圧縮したタキオン(波動)粒子エネルギーを一方方向に向けて一挙に押し出し(即ち“バーストセクション”で解放させて)、その時に発生するバースト波動流で以て(より正確に言わせていただきますと、その正体はタキオン粒子で包み込まれた非常に不安定な時空の連続体であり、これが光速に近い速度で前方に向かって周囲の時空を歪曲、爆砕しながら直進して)最終的には敵を滅茶苦茶に押し潰して粉砕する、そう言った砲撃でした(正直に申し上げて自分では絶対に食らいたく無いです)。

 ですがこれを“波動が現実を創造して行く”と言う観点から見てみますと、“宇宙にそう言った影響力のある極めて強力なエネルギー源が顕現してその効能が現実化していった”、と見ることが出来るのです。
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