貴方との運命

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 店内はとても広く明るい。お店の奥はガーデンテラスになっているようでガラスの窓が開け放せるようになっている。しかし、今は暑い時期になってきたので、その窓は閉ざされている。

 美緒は店内に他のお客さんがいないのに気がついた。

「ああ、ランチタイムは貸切だ。俺の店だからな」

 葉月は美緒の手を繋いだまま店内の奥に向かう。

ウェイターが花が咲き誇る庭が見渡せる席に案内する。

「何でも頼め」

 葉月にメニューを差し出されが、どれも美味しそうで選べない。

「えっと、さっぱり系の野菜中心で」

 ざっくりした意見を伝える。

「あ？勝手に選ぶぞ？」

 葉月さんが控えていたウェイターに顔を向けると、彼はスッと席に近づいてきた。そして葉月さんがオーダーすると直ぐに下がって行った。

 あまり待つ事無く料理が運ばれて来る。盛り付けにも気が配ってあり、とても綺麗で食べるのが勿体ない位だ。勿論、頂く美緒であるが。

 前菜はそれぞれ一皿置かれたが、それ以降のお料理は葉月さんがお皿に取り分けてくれる。今までのアレコレを知ってる美緒は意外だなと、目の前の葉月の行動をみつめる。

「何だ？1人で全部食いたいのか？」

「えっ、いえ。取り分けてくれるなんて意外だなと思って。優しいと言うか、気配り？出来るんですね」

 そう言うと葉月さんは眉間にシワを寄せ聞いてくる。

「お前は俺をどんなヤツだと思ってるんだ？」

「え・・・っと、俺様な嫌な人？顔は良い方なのに野獣」

 後半はポソリと呟く。

「それは、野獣になって欲しいと言うリクエストか？」

 ククッと喉の奥で葉月さんは笑う。

「リクエストでは無く事実ですっ」

 葉月さんを睨みながら言うが気にせずに葉月さんは食事を進めていく。

「野獣な。夜を楽しみにしておけ」

 流し目で見られ、美緒はドキリとしてしまいながら、視線を避けるために顔を背けた。しかし、葉月は美緒を見続けていた。