「誰の本音も筒抜けな私を道具扱いした宮廷貴族たちが今さら泣きついても知りません。宰相閣下に溺愛されている今は特に」
没落寸前のヴェルナー子爵家に生まれたアリアには、ひとつだけ人に言えない能力があった。
それは――人の本音が、見えてしまうこと。
表情の微かな揺れ、声音のわずかな歪み。それだけで相手が何を隠しているか、瞬時にわかってしまう。
「ただ、人をよく見ているだけです」
その力を買われ、宮廷の外交補佐として雇われたアリアだったが、貴族たちにとって彼女は所詮、便利な道具に過ぎなかった。
やがてアリアは宮廷に渦巻く横領と陰謀を暴き、かつて彼女を踏みにじった者たちの本音を一人ずつ白日の下に晒していく。
そして唯一、本音が読めない男と出会った。
冷酷と恐れられる宰相、レイン・ヴォルフハルト。
千人の嘘を見抜いてきたアリアが、初めて「読めない」と感じた人間。なのになぜか、その男だけはアリアの全てを見透かしているようで――。
「あなたは私の隣にいればいい」
道具扱いされた令嬢が、言葉ひとつで宮廷を動かし、そして宮廷一冷たい男に溺愛されるまでの物語。
それは――人の本音が、見えてしまうこと。
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