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うっかりの代償
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息苦しさを感じてハッと目が覚めると息のかかる距離にフリードの寝顔があった。
思わず仰け反るが、腰に回された手が肩甲骨まで上がってきて、それを許してはくれない。
ん、これ肌に触れられていないか?
密着した身体に意識を向けてみると、フリードの肌と思われる、温かくしっとりしたものが触れている。布団の中の手でフリードの体に触れる。
このでこぼこ、見事な腹筋なようで素晴らしい。
これはなんてご褒美だとばかりに、つい状況を忘れて撫で回してしまう。
「ぅん…クロエ…?…起きたの?」
「イイエ。ゼンゼンオキテイマセン」
サッと手を離して自分の方へ手を後ろに回すと、自分のお尻に手の甲が触れて、現実に引き戻された。
これは一体?
「ならそのまま寝てていいよ。おやすみ」
チュッと額にキスをしてぎゅうぎゅうと締め付けられる。
とりあえず転移して逃げようと、目を瞑ったが、一瞬裸のまま部屋に戻ってもいいものかと悩む。
この状態よりはマシだと思い、イシュトハンの自室へ転移しようと試みるが、魔法は発動しなかった。
魔力欠乏したことを思い出して段々と夜のことが蘇ってくる気がした。
動かない体に意識が朦朧とした中、甘い魔力が口から流し込まれて、甘ったるくて熱い魔力が体の中心で渦を巻いて暴れ回るように溜まっていき、身体が酷く汗ばんだ……夢。
昨日の魔力欠乏は頭があまり働かなかったが、命の危機を感じるほど朦朧となるほどではなかったはずだ。
だとしたら夢。なんだか官能的な夢だった気がするが、忘れることにしよう。
「クロエの身体あったかい。僕の魔力と合わさるとオーラの色まで変わるんだね」
魔力供給にそんな効果が?ジュリアンとはオーラが似ているから全然気付かなかったんだけど、もっとそんな重要な事は事前に知らせておいてもらえるかな?オーラが変わったらみんな何が起きたのかと聞きにくるに決まっている。家に帰りたくなくなってきた。
「いつまでくっついてるの!!離れてよ!なんで私は裸なの!脱がしたの?脱がしたのね!?このケダモノッ!」
「もークロエは魔力が足りなくなるくらいがちょうどいいかも。昨日はあんなに可愛く強請ってたのに…」
「強請った覚えなんてないんだけど?」
これでもかと身を捩って抵抗するが、全然体は離れない。それどころかさらに力を込められて無い胸が押し潰されそう。
さりげなくお尻を揉まれている気もする。
自分の何か大切な物がすり減って空気中に逃げていってしまっているのではないかと悲しくなる。
「一度落ち着きなよ。まだそんなに時間も経ってないから、魔力はそんなに回復してないでしょ。くっついているのも肌の接着面を増やすためだけど、不満ならまた口から直接あげようか?」
「口からあげるってどういうことよ…」
もう自己生産できるのだから触れ合う必要はこれっぽっちもない。肌が触れたくらいじゃ微量すぎて役に立たないのに裸で抱き合ったって高が知れている。
「かろうじて意識はあったと思ったけど…覚えてないの?」
肩に乗せていた顔を離して不思議そうなフリードの顔が目の前にくる。
記憶が更新されたかのように、定まらない視界の映像に補足情報が追加されていく。
めくるめく大人の世界の登場人物が自分であることが信じられない。
夢であって欲しかった。
私の唇はまたもやこの男に奪われたと言うことだ。
愛する人がいながらナンバーワン娼婦の乳を揉み、私の唇まで2度も奪うとは悪魔のような男だ。
「思い出した?」
「思い出しました。唾液で魔力供給できるなんてよく知っていましたね。やはりフリード殿下が流し込んだ魔力では、循環させるほどの魔力は流せなくて魔力欠乏に再び陥ったということですね」
忘れたと言ったら再び口を貪られるだけに違いない。
手口は大体分かってきてるんだから!
嫌味の一つでも言わないと私の唇の価値が下がってしまいそうで強がるが、その魔力を強請った自分を思い出して赤面物だ。
「それなんだけど、君は常時魔法を使いすぎてるんじゃ無いかな?欠乏状態から抜け出せてなかったとしても、いくらなんでも消費が多すぎるよ」
魔力生産がストップしてしまったからと言って、そこから代謝分が目減りしていったとしても、確かに悪化しすぎている気はした。
「そういえば…」
快適すぎて忘れていたが、虫除けの為に家全体に弱い結界を張っている気がする。
それだっ!
なるほど。そりゃ魔力の減りも早いはずだし、今回は無茶な方法をとったとはいえ、短期間で2度も魔力欠乏に陥るわけだ。
一人で納得していくと、ツンツンとほっぺを指でつつかれる。
「すごく心配したんだからね」
「う…ありがとうございました」
何故お礼を言う羽目に?
まんまとフリードの罠に嵌められたクロエは、暫く大人しく布団の中で抱きしめられることになった。
思わず仰け反るが、腰に回された手が肩甲骨まで上がってきて、それを許してはくれない。
ん、これ肌に触れられていないか?
密着した身体に意識を向けてみると、フリードの肌と思われる、温かくしっとりしたものが触れている。布団の中の手でフリードの体に触れる。
このでこぼこ、見事な腹筋なようで素晴らしい。
これはなんてご褒美だとばかりに、つい状況を忘れて撫で回してしまう。
「ぅん…クロエ…?…起きたの?」
「イイエ。ゼンゼンオキテイマセン」
サッと手を離して自分の方へ手を後ろに回すと、自分のお尻に手の甲が触れて、現実に引き戻された。
これは一体?
「ならそのまま寝てていいよ。おやすみ」
チュッと額にキスをしてぎゅうぎゅうと締め付けられる。
とりあえず転移して逃げようと、目を瞑ったが、一瞬裸のまま部屋に戻ってもいいものかと悩む。
この状態よりはマシだと思い、イシュトハンの自室へ転移しようと試みるが、魔法は発動しなかった。
魔力欠乏したことを思い出して段々と夜のことが蘇ってくる気がした。
動かない体に意識が朦朧とした中、甘い魔力が口から流し込まれて、甘ったるくて熱い魔力が体の中心で渦を巻いて暴れ回るように溜まっていき、身体が酷く汗ばんだ……夢。
昨日の魔力欠乏は頭があまり働かなかったが、命の危機を感じるほど朦朧となるほどではなかったはずだ。
だとしたら夢。なんだか官能的な夢だった気がするが、忘れることにしよう。
「クロエの身体あったかい。僕の魔力と合わさるとオーラの色まで変わるんだね」
魔力供給にそんな効果が?ジュリアンとはオーラが似ているから全然気付かなかったんだけど、もっとそんな重要な事は事前に知らせておいてもらえるかな?オーラが変わったらみんな何が起きたのかと聞きにくるに決まっている。家に帰りたくなくなってきた。
「いつまでくっついてるの!!離れてよ!なんで私は裸なの!脱がしたの?脱がしたのね!?このケダモノッ!」
「もークロエは魔力が足りなくなるくらいがちょうどいいかも。昨日はあんなに可愛く強請ってたのに…」
「強請った覚えなんてないんだけど?」
これでもかと身を捩って抵抗するが、全然体は離れない。それどころかさらに力を込められて無い胸が押し潰されそう。
さりげなくお尻を揉まれている気もする。
自分の何か大切な物がすり減って空気中に逃げていってしまっているのではないかと悲しくなる。
「一度落ち着きなよ。まだそんなに時間も経ってないから、魔力はそんなに回復してないでしょ。くっついているのも肌の接着面を増やすためだけど、不満ならまた口から直接あげようか?」
「口からあげるってどういうことよ…」
もう自己生産できるのだから触れ合う必要はこれっぽっちもない。肌が触れたくらいじゃ微量すぎて役に立たないのに裸で抱き合ったって高が知れている。
「かろうじて意識はあったと思ったけど…覚えてないの?」
肩に乗せていた顔を離して不思議そうなフリードの顔が目の前にくる。
記憶が更新されたかのように、定まらない視界の映像に補足情報が追加されていく。
めくるめく大人の世界の登場人物が自分であることが信じられない。
夢であって欲しかった。
私の唇はまたもやこの男に奪われたと言うことだ。
愛する人がいながらナンバーワン娼婦の乳を揉み、私の唇まで2度も奪うとは悪魔のような男だ。
「思い出した?」
「思い出しました。唾液で魔力供給できるなんてよく知っていましたね。やはりフリード殿下が流し込んだ魔力では、循環させるほどの魔力は流せなくて魔力欠乏に再び陥ったということですね」
忘れたと言ったら再び口を貪られるだけに違いない。
手口は大体分かってきてるんだから!
嫌味の一つでも言わないと私の唇の価値が下がってしまいそうで強がるが、その魔力を強請った自分を思い出して赤面物だ。
「それなんだけど、君は常時魔法を使いすぎてるんじゃ無いかな?欠乏状態から抜け出せてなかったとしても、いくらなんでも消費が多すぎるよ」
魔力生産がストップしてしまったからと言って、そこから代謝分が目減りしていったとしても、確かに悪化しすぎている気はした。
「そういえば…」
快適すぎて忘れていたが、虫除けの為に家全体に弱い結界を張っている気がする。
それだっ!
なるほど。そりゃ魔力の減りも早いはずだし、今回は無茶な方法をとったとはいえ、短期間で2度も魔力欠乏に陥るわけだ。
一人で納得していくと、ツンツンとほっぺを指でつつかれる。
「すごく心配したんだからね」
「う…ありがとうございました」
何故お礼を言う羽目に?
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