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幕間〜敬愛する聖女様〜
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神殿で広報を担当しております、リッチェ・バード34歳。結婚願望はありますので、興味のある方は是非神殿までお手紙を送りください!
早いもので、私の神殿生活も十年です。私の予定では今頃は子供を三人程産んでいる予定だったのですが、人生とは分からないものです。お相手がいなければ産まれるものも産まれませんからね!
今年は降神祭で神が降臨したことで、歴史的な出来事がたくさんあり、とても忙しくさせていただきました。そして、私は神の御霊が霊体として降臨した二度目の目撃者となれたわけです。歴史的な降臨の場に居合わせたことはとても幸運で光栄なことでした。
そして先日、神歴141年9月26日には聖人アンドリュー様がご誕生されました。聖母様に宿ったアンドリュー様の神々しい光を拝見された方も多くいらっしゃったでしょう!早くアンドリュー様のお姿も拝見したいですね!
9月15日生まれの聖女シャーロット様は二十四歳になられ、生誕祭での挨拶には多くの貴族が謁見に来たのは記憶に新しいことです。聖女様のご結婚はどなたになるのかが国民の関心ごとの中心となっておりますから、私もしっかりと調査させていただきました!
まず、第一候補としてはやはり帝教王補佐として長く仕えていらっしゃるユリエル様です。
最近は聖女様はお一人で街に出ることも多くなりましたが、ユリエル様のエスコートでお二人で歩かれているのも見かけることもあります。聖女様がもっとも信頼している方ですので、一番の有力候補とされているのも頷けます。
神職ですので、婚姻を結ぶなら今の地位を捨てて還俗することになりますが、神に仕えるか聖女様に仕えるかと悩みは尽きそうもありませんが、どちらにしてもオルレリアン家という信頼におけるご出身ですので、反対されることはないでしょう。
第二候補としては聖騎士団の団長です。少々聖女様とは年齢が離れますが、彼も聖女様が幼い頃から騎士として仕えていましたので、聖女様の信頼は厚く、未だ独身なのは聖女様のお側にいるためではないかと噂されております。
騎士団の方は婚姻の禁止というルールからは外れますが、団長は平民出身ですので、身分違いの結婚となり、年齢も考えると少しハードルは上がりそうですが、身分違いの恋でいくつもの障壁を超えて結婚なされるなら、誰もが応援したくなることでしょう!気になるところですね!
第三候補は、傘下に下ることとなった近隣国の王族の方です。年々招待される方は増えておりますし、聖女への謁見申請は後を断ちません。未だ特筆するような交流のある方はいらっしゃらないとのことです。ですが、本来ならば王家に嫁ぐはずだった聖女様ですから、血筋を考えれば王族の方を王配にと望む声は大きいことでしょう。
さて、候補とまではいきませんが、ダークホースとしてご紹介したい方がいらっしゃいます。平民の方ですので詳細は申し上げられませんが、商いをされている平民の方と頻繁にお会いしているという情報があります。
未だ孤児院で寝ることもあるという聖女様ですから、身分には然程こだわりはない可能性は大いにありますよね!年齢などの詳細は聞き込みでも明らかにはなりませんでした。
聖女様の恋路をお邪魔するわけには参りませんので、私は温かく見守りたいと思っています。
ということで、聖女様のご結婚は未だ未定。我が国の皇太子より一度婚約破棄を受けた聖女様のお心を考えると、神殿側は慎重になっていることでしょう。私たちも聖女様が選ばれたお方なら、神が受け入れたも同義ですので、反対する理由もありません。聖女様の幸せは私たちの幸せですから、聖女様にとってより良い道に進まれることを願います。
さて、聖女様へのインタビューの様子をご紹介いたします!恐れ多くも張り切って取材をしましたのでご期待に添えるはずです!
「聖女様が一番時間を共有しているのは帝教王補佐様だと存じ上げますが、帝教王補佐ユリエル様のことは、普段なんとお呼びしているのでしょうか?」
「ユリエルです」
「ユリエル様をとても信頼されているのが伺えますね!逆に、ユリエル様は聖女様をなんとお呼びになるのでしょうか?」
「正式な場では帝教王陛下と呼びますが、そうでなければ皆と同じ聖女様と呼びます。基本的には誰にも名を呼ぶことは許していません。私の名を呼べるのは父と母と弟だけです」
「貴重な情報をありがとうございます。ではユリエル様は聖女様にとってどのような存在なのでしょうか?」
「?帝教王補佐です」
「えーっと…兄のようであるとか、特別大切にされている方とか、そう言ったことは?」
「ユリエルのことはとても好きです。恐らく父や母に抱いている感情に近いと思います。お休みの日にユリエルに会わなければ寝る前にユリエルに会いに行きますし、一緒にねム゛グゥ(ユリエル様により遮られました)えーっと…えーっとそんな感じでユリエルがお休みの日で側にいなかった日は、寂しくて寝れない時もあります」
「ついでに、ユリエル様にも質問をさせていただきます。ユリエル様にとって聖女様はどのような方でしょうか?」
「聖女様はとても大らかで、心が広く、とても我慢強いお方です。尊敬もしておりますし、敬愛するただ一人のお方です」
「そっそうでございまふかぁ!なんだか当てられてしまったようですが、あっそうですね!次の質問にいきましょう!」
「ユリエル、当てられるって?」
「悩ましいとかそういう感じのことです」
「もういいのです。次です!聖女様は最近お一人でお出掛けになることが多くなりましたが、一番お気に入りのところはどこでしょうか?」
「!!!?内緒です」
「でっではでは、今恋愛事情などは…いえ、秘密ですよね」
「そうですね!恋愛ならば、ユリエルに聞いた方が楽しいと思います」
「えっと…ではユリエル様にお聞きしても?」
「神に仕える身ですから、そのような事を考えることはありません」
「ユリエルは何年も夜な夜な遊びに行っています。より深い追求を求めます」
「神に誓って無実です!!」
次号、聖女様のリクエストによりユリエル様の交友関係を洗います
お楽しみに!
早いもので、私の神殿生活も十年です。私の予定では今頃は子供を三人程産んでいる予定だったのですが、人生とは分からないものです。お相手がいなければ産まれるものも産まれませんからね!
今年は降神祭で神が降臨したことで、歴史的な出来事がたくさんあり、とても忙しくさせていただきました。そして、私は神の御霊が霊体として降臨した二度目の目撃者となれたわけです。歴史的な降臨の場に居合わせたことはとても幸運で光栄なことでした。
そして先日、神歴141年9月26日には聖人アンドリュー様がご誕生されました。聖母様に宿ったアンドリュー様の神々しい光を拝見された方も多くいらっしゃったでしょう!早くアンドリュー様のお姿も拝見したいですね!
9月15日生まれの聖女シャーロット様は二十四歳になられ、生誕祭での挨拶には多くの貴族が謁見に来たのは記憶に新しいことです。聖女様のご結婚はどなたになるのかが国民の関心ごとの中心となっておりますから、私もしっかりと調査させていただきました!
まず、第一候補としてはやはり帝教王補佐として長く仕えていらっしゃるユリエル様です。
最近は聖女様はお一人で街に出ることも多くなりましたが、ユリエル様のエスコートでお二人で歩かれているのも見かけることもあります。聖女様がもっとも信頼している方ですので、一番の有力候補とされているのも頷けます。
神職ですので、婚姻を結ぶなら今の地位を捨てて還俗することになりますが、神に仕えるか聖女様に仕えるかと悩みは尽きそうもありませんが、どちらにしてもオルレリアン家という信頼におけるご出身ですので、反対されることはないでしょう。
第二候補としては聖騎士団の団長です。少々聖女様とは年齢が離れますが、彼も聖女様が幼い頃から騎士として仕えていましたので、聖女様の信頼は厚く、未だ独身なのは聖女様のお側にいるためではないかと噂されております。
騎士団の方は婚姻の禁止というルールからは外れますが、団長は平民出身ですので、身分違いの結婚となり、年齢も考えると少しハードルは上がりそうですが、身分違いの恋でいくつもの障壁を超えて結婚なされるなら、誰もが応援したくなることでしょう!気になるところですね!
第三候補は、傘下に下ることとなった近隣国の王族の方です。年々招待される方は増えておりますし、聖女への謁見申請は後を断ちません。未だ特筆するような交流のある方はいらっしゃらないとのことです。ですが、本来ならば王家に嫁ぐはずだった聖女様ですから、血筋を考えれば王族の方を王配にと望む声は大きいことでしょう。
さて、候補とまではいきませんが、ダークホースとしてご紹介したい方がいらっしゃいます。平民の方ですので詳細は申し上げられませんが、商いをされている平民の方と頻繁にお会いしているという情報があります。
未だ孤児院で寝ることもあるという聖女様ですから、身分には然程こだわりはない可能性は大いにありますよね!年齢などの詳細は聞き込みでも明らかにはなりませんでした。
聖女様の恋路をお邪魔するわけには参りませんので、私は温かく見守りたいと思っています。
ということで、聖女様のご結婚は未だ未定。我が国の皇太子より一度婚約破棄を受けた聖女様のお心を考えると、神殿側は慎重になっていることでしょう。私たちも聖女様が選ばれたお方なら、神が受け入れたも同義ですので、反対する理由もありません。聖女様の幸せは私たちの幸せですから、聖女様にとってより良い道に進まれることを願います。
さて、聖女様へのインタビューの様子をご紹介いたします!恐れ多くも張り切って取材をしましたのでご期待に添えるはずです!
「聖女様が一番時間を共有しているのは帝教王補佐様だと存じ上げますが、帝教王補佐ユリエル様のことは、普段なんとお呼びしているのでしょうか?」
「ユリエルです」
「ユリエル様をとても信頼されているのが伺えますね!逆に、ユリエル様は聖女様をなんとお呼びになるのでしょうか?」
「正式な場では帝教王陛下と呼びますが、そうでなければ皆と同じ聖女様と呼びます。基本的には誰にも名を呼ぶことは許していません。私の名を呼べるのは父と母と弟だけです」
「貴重な情報をありがとうございます。ではユリエル様は聖女様にとってどのような存在なのでしょうか?」
「?帝教王補佐です」
「えーっと…兄のようであるとか、特別大切にされている方とか、そう言ったことは?」
「ユリエルのことはとても好きです。恐らく父や母に抱いている感情に近いと思います。お休みの日にユリエルに会わなければ寝る前にユリエルに会いに行きますし、一緒にねム゛グゥ(ユリエル様により遮られました)えーっと…えーっとそんな感じでユリエルがお休みの日で側にいなかった日は、寂しくて寝れない時もあります」
「ついでに、ユリエル様にも質問をさせていただきます。ユリエル様にとって聖女様はどのような方でしょうか?」
「聖女様はとても大らかで、心が広く、とても我慢強いお方です。尊敬もしておりますし、敬愛するただ一人のお方です」
「そっそうでございまふかぁ!なんだか当てられてしまったようですが、あっそうですね!次の質問にいきましょう!」
「ユリエル、当てられるって?」
「悩ましいとかそういう感じのことです」
「もういいのです。次です!聖女様は最近お一人でお出掛けになることが多くなりましたが、一番お気に入りのところはどこでしょうか?」
「!!!?内緒です」
「でっではでは、今恋愛事情などは…いえ、秘密ですよね」
「そうですね!恋愛ならば、ユリエルに聞いた方が楽しいと思います」
「えっと…ではユリエル様にお聞きしても?」
「神に仕える身ですから、そのような事を考えることはありません」
「ユリエルは何年も夜な夜な遊びに行っています。より深い追求を求めます」
「神に誓って無実です!!」
次号、聖女様のリクエストによりユリエル様の交友関係を洗います
お楽しみに!
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