【ルーズに愛して】指輪を外したら、さようなら

深冬 芽以

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1.似ていて異なるもの

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「は――。あっ――!」

 口の中でねっとりと舐め回される。

「やっ――! ダメ!」

 ダメだと言われてやめるはずもなく。やめられても困るけれど。とにかく、執拗に舐められ、吸われ、また舐められ。

 気づけば、私は絶え間なく喘いでいた。息が苦しい。酸素が肺を満たすことはなく、軽く酸欠状態。

 舐め続けられた膨らみがじんじんと痺れ、二度目の絶頂に近づいているとわかった。

「比呂――っ! も……」

 押し寄せる快感に身をよじり、顔の横でシーツを握り締めた。

「も……、イク――!」

 舌の動きに全神経を集中させ、自身でも訪れる絶頂に備えた。が、完全に無防備になっていた胸に手が伸びてきて、私の意識が分散された。

 足の間に顔を埋めたまま、両手を伸ばして胸の先端を指で摘まむ。

 器用なことをするものだ。

 そんなことを考えている場合ではない。

 強烈な快感に、全身のどこにも力が入らず、私の足はみっともないほど大きく開かれ、溢れて止まらない雫がお尻を伝ってシーツに滴っている。

 冷たい、が、だからどうということもない。

 比呂とセックスするようになって、シーツの下に厚めのパットを敷くようになった。布団まで汚しては、きりがない。

「ひ……ろ……ぉ」

 舌の表面で大きく舐め上げられ、指の腹で胸の先端を転がすように弄られたら、カウントダウンが開始される。

「ああっ――! んんん――――っ!!」

 私は膝がお腹につくほど足を上げ、激しい痙攣と共に絶頂に達した。

 目の前も頭の中も真っ白になり、一瞬、嗅覚と聴覚まで麻痺する。

 だから、更なる快感に心も身体も、全く反応できなかった。

「ひゃあっ――!」

 お世辞にも色っぽいとは言えない奇声に、自分でも驚いた。

 イッた瞬間に挿れられた。一気に、奥まで。

「ヤベ……」

 膣内が収縮し、比呂を締め付けているのがわかる。

「最高……」

 比呂が息と一緒に漏らし、目を細めた。

 私の手をシーツから引きはがし、抱き起すと、私の腰を両腕でしっかりと抱いた。

 自分の体重で、より深く比呂が侵入してくる。

 私は膝をつき、ゆっくりと腰を上げた。今度はゆっくりと腰を下ろす。膣壁が擦られ、気持ちいい。

 私は比呂の首に両手を回し、ゆっくりと速度を上げて動き出した。

 比呂も私の動きに合わせて、腰を振る。

 私が腰を下ろすタイミングで、比呂が腰を上げる。互いの勢いで、最奥まで繋がる。

 絶妙のタイミングで繰り返され、私はありったけの力を込めて膣内を締めた。

「くっ――! あ――っ!!」

 色っぽい声を漏らし、比呂が私の腰を掴んで奥まで自身を埋めると、膣内《なか》で比呂のモノがビクンッと跳ねた。規則正しく何度か跳ねて、その度に奥をちょんちょんと突かれるような刺激を受けた。

 私たちはしっかりと抱き合って、ゆっくりと肺に酸素を送り込んだ。
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