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第4話、リリアナ・ポンドール男爵令嬢の回顧談

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side:リリアナ・ポンドール男爵令嬢




「それでは事の始まりからお話致します。あれはおよそ2週間前です。」





      ーーーー約2週間前ーーーー




side:リリアナ&エルメ&カリナ




「イレーネ様、本当にこのような事をしてよろしいのでしょうか?」

「勿論ですわよ、ジェニファー様は公爵令嬢という立場から、普通なら子供の頃に経験している事を経験されていません。

これはジェニファー様にとっても貴重な経験になるのですよ、あなた方3人にとってもジェニファー様とお近づきになれるチャンスではないですか。

それにジェニファー様はお優しい方ですから、子供のイタズラ程度の事は笑って許して下さいますわよ(笑)」


「そういう事でしたら、エルメさんはセミの脱け殻を、カリナさんはヘクソカズラの葉を、私はトゲのある種子を、それぞれが集めて来るという事で構いませんか?」

「構いませんわ」

「ヘクソカズラって手が臭くならないかしら?」

「傷を付けずに根ごと持って来れば匂いは出ませんよ」



ふふっ

子供の頃は姉妹達とよくイタズラをして遊んで、お母様に叱れていたのを思い出しますね(笑)





     ーーーー約1週間前ーーーー




side:リリアナ&エルメ&カリナ




「エルメさんにカリナさん、上手く行きましたわね♪」

「ふふふっ、特にセミの脱け殻を見付けた時のジェニファー様の驚いたお顔が、見ていてとても微笑ましかったですわ♪」

「でもヘクソカズラはやり過ぎだったのではないでしょうか?」

「「たっ、確かに(汗)」」


「子供の頃に匂った時は笑える程度の臭さだったと記憶していたのですけど、この年齢になると全く笑えない強烈な臭さでしたから」

「3人でジェニファー様に説明と謝罪は必要でしょうね」


「その前に、イレーネ様経由でジェニファー様から私達3人に差し入れが届きましたの」

「何かしら?」

「バスケットに入っていますから、何か食べ物でしょうか?」

「開けますわよ、それ」

「「「まあ♪」」」


「ジェニファー様手作りのクッキーですね、どうして私達3人にジェニファー様が差し入れをくださったのか理由はわかりませんけれど、ちょうど良いからお茶にしましょうか」

「「賛成♪」」




「それでは」

「「「いただきます」」」


「あーん、もぐもぐもぐ?!しょっぱ!えっ?!しょっぱい?」

「リリアナさん何を仰っているのですか、しょっぱいクッキーなんてあるわけ無いじゃないですか(笑)あーん、もぐも、しょっぱ!」

「まさかジェニファー様は砂糖と塩を間違えてしまわれたのでしょうか?」


「エルメさん、流石にそれは無いと思いますよ。初めてお菓子を作る幼子ならともかく、砂糖と塩は『白い』という事以外は質感が全く違いますから間違えようがありません。

仮に、ジェニファー様が高熱を出しながらも懸命にクッキーを作ったのだとしたら、砂糖と塩を間違えるのも納得ですけれど」

「だとするとこれは故意に塩を入れたという事になります。ジェニファー様がその様な事をなさるでしょうか?」

「「むぅ、、、」」



「分かりました!これはジェニファー様の私達3人に対する仕返しなのですわ♪」

「リリアナさんそれはイタズラの、という事ですか?」

「ええ、ジェニファー様も案外私達のイタズラを楽しんでおられたのよ♪」

「ふふっ、ジェニファー様がこのように子供っぽい事をなさるとは思いもしませんでしたけれど、私達3人とジェニファー様は案外気が合うのかもしれませんわね♪」




      ――――現在――――



side:リリアナ



「ジェニファー様、以上が私の知っている全てです。」

「リリアナさん、話してくれてありがとう。」






つづく。
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