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11話 3日目夜、そして4日目

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 結局、目隠しを取ってもらえたのは、あのあと『オナホ』に3回出してチンコを抜いたあとだった。

 連続でこんなに出したのは初めてだ。

 それくらいエロくて気持ちよかった。

「にーちゃん、目、痛くないか?」

「うん、大丈夫」

 目隠しでずっと真っ暗だったから、納戸の明かりすらちょっと眩しいけどすぐ慣れた。

 目の前にはちょっと心配そうに僕を見てる全裸の直哉がいて……。

 流石に射精しすぎてプラプラしてるチンコは精液でヌラヌラしているし、お尻からは……僕が出したものが足を伝って垂れてる。

 あまりにエロい姿で、あんまり見てるとまた勃っちゃいそうだ。

 直哉は直哉で自分が出した精液まみれになってる僕を直視できないでいるみたい。

 お互いちょっと目に悪い。

「か、身体拭こうか、直哉」

「あ、ああ、にーちゃん」

 直哉に体を拭いてもらって、直哉も自分で体を拭く。

 手、空いてるんだから自分で拭けばいいじゃんと気づいたのは、電気を消して2人で布団に入ったあとだった。



 ――――――



 電気も暖房も消して、真っ暗で冷えてきた納戸の中。

 僕と直哉は、2人で布団を頭まで被って温かい秘密基地の中にいた。

 昔、小さい頃はよくこうして簡易『秘密基地』を作って2人で夜遅くまで話をしていたものだ。

 今は『秘密基地』の中で裸で抱き合っているけど、僕たちの関係は大きく変わったのか、それとも全然変わってないのか、どっちなのやら。

 あの後、結局僕の腕は縛り直されなかった。

 ワザとか忘れてるだけなのか分からないけど、今日は直哉を抱きしめたい気分だったからちょうどいい。

 布団に入ってからは、抱きしめあったまま、たまにチュッチュと軽くキスをしたり、また勃ってきたチンコを当てたりしてイチャツイてる。

 唇もチンコも触れ合ってる身体も全部気持ちいいけど、散々エロいことをした後のせいかエロい気分にはならない。

 ただひたすら幸せなだけだ。

「なぁ、にーちゃん?」

 直哉が幸せそうな、眠そうにも聞こえる声で話しかけてくる。

「んー?」

「にーちゃんさ……気持ち悪くなかった……?」

 幸せそうな声の中に少しだけ不安な感じが混じってる。

「んーと、なにが?」

「えっと……その……『オナホ』……」

 あー、『オナホ』かぁ……。

 なるほど、それで『オナホ』なのかって不安そうな顔してる直哉を見てやっと気づいた。

「いや、びっくりはしたけど、全然気持ち悪くなんてなかったよ。
 むしろ凄い気持ちよかったよ」

 直哉はお尻でそういうことをするのを気持ち悪く思わなかったか心配しているみたいだけど、全然そんなことはなかった。

 直哉に言ったとおり、ただ、ただ気持ちよかった。

「そうだよな、驚いたよな……。
 いきなりごめん」

 素直な気持ちを伝えたつもりだったのに、直哉は少ししょんぼりしてしまった。

 言葉が足りなかったかな?

「いや、そうじゃなくって、僕は直哉を受け入れる側だと思ってたから驚いただけだよ」

 直哉のほうが身体は大きいし、イケメンだし、モテるし、直哉は入れる側、僕は受け入れる側って思って疑わなかった。

「えっと……直哉は……その、受け入れる方がいいの?」

 詳しくは知らないけど、そういう好みがあるというのは聞いたことがある。

「いんや、俺もそういうのはよく分かんねー」

 ためらいながら聞いた僕に、あっさり答える直哉。

「分かんねー……けど、にーちゃんに辛い思いはさせられねーと思ってこっちにした」

 そんなに僕のこと考えてくれてたんだ……。

 確かに本来出るだけのところに入れるんだ、辛そうに思えて僕もちょっと緊張してた。

「えっと……辛い思いさせてごめんね……」

 僕だけ気持ちいい思いしてごめん。

 そう思って謝ったんだけど、直哉はなんか不思議な顔してる。

 困ってるというか恥ずかしそうというか……なんだろう?

「あー、いや、それがな……」

 なんかすごい言いづらそう。

 言いづらいなら言わなくていいよ、と軽くキスをしたら逆にそれで踏ん切りがついちゃったようだ。

「……いや、実際やってみたらすげー気持ちよかった。
 準備は大変だけど、ぜひにーちゃんにもやってほしい」

 ちょっとびっくりした。

 そ、そういえば、僕が『オナホ』使ってる間、直哉も何度かイッてたっけ。

「そ、そうなんだ……。
 あ、あの、入れる側も凄い気持ちいいから直哉にも試してほしい……」

 恥ずかしいこと言ってるから当然なんだけど、凄い恥ずかしい。

「おうっ、ゆっくり準備してから入れさせてもらうな」

 そう言って、チュッと軽くキスをしてくる。

「それまではにーちゃんがずっと『オナホ』使う側な」

 笑顔で言う直哉が可愛かった。



 ――――――



 布団にくるまって、裸で抱き合ってイチャイチャし続けて。

 もう半分意識が眠気に負け始めた頃。

 直哉が軽くキスをしてから話しかけてきた。

「にーちゃん、起きてる……?」

 寝てたら起きないような、ちっちゃい声。

「んー、起きてるよぉ……」

 なんとか残った正気をかき集めて返事をする。

「あのな、にーちゃん……」

 すごい真剣な声で語りかけてくる直哉。

 直哉は僕が夢うつつの時でないと大事なことが言えないから困ったものだ。

 まあ、聞いてほしくてもそう簡単には聞かせられないことだから、気持ちは分かるけどね。

「あのな……」

 相当言いづらいことなのか、まだ躊躇している直哉。

 なんとか……なんとか頑張って起きていないと……。
 
 眠気の海にほとんど沈んでしまっている身体をなんとか指1本で支え続ける。

「だいじょうぶだよぉ」

 言いづらそうにしてる直哉に、『何でも聞くよ』という気持ちを込めてキスをする。

 直哉のフニっと柔らかい唇の感触が気持ち良い。

 ……あ、気持ちよくってこのまま寝そう……。

 もう指も離れて、鼻先まで眠気に沈んでる僕を直哉が優しく見つめる。

 そして優しく微笑んだままゆっくりと口を開いた。

「あのさ……俺、にーちゃんが好き」

 そっかぁ、直哉はやっぱり僕が好きなのかぁ。

「それは困ったねぇ……」

「困る……よな、そりゃ」

 なんか直哉がションボリしちゃってる。

「そりゃそだよぉ……。
 付き合ってんのどうやって隠すかねぇ……」

 ちゃんと考えてあげないといけないのに、眠くて頭がまったく働かない。

「えっ?…………付き合ってくれんの?」

 直哉は何を言ってるんだろう?

「えー?そりゃそうだよぉ……僕も直哉好きだもん……」

 なんか直哉に抱きしめられた。

 すごい力いっぱい抱きしめてくるから、ちょっと痛いけど……。

 それ以上に体中が幸せで……。

 僕の体は夢の海に沈んでいった。



 ――――――



 なんか水音がしている。

 ジュブジュブってなんか重く湿った水音だ。

 もう分かってるぞ。

 これはおねしょしちゃう系の水音じゃない。

 もっと恥ずかしいものが出ちゃう系の水音だ。

 具体的にはチンコが濡れたものに包まれて凄い気持ちいい。

 また僕が寝てる間に舐めてるなぁ?

 そう気づいて、まだ眠気で重いまぶたを無理矢理広げて……思わず目を見開いた。

 朝、目を覚ましたら衝撃の光景が目に入ってきた。

 なんか、全裸のイケメンが僕のチンコをお尻に入れて腰を振ってる。

 僕の長いチンコが直哉のお尻の中にリズミカルに飲み込まれては出てくる。

 その腰の動きに合わせて、直哉のかっこいい勃起チンコがペチンペチンと直哉のお腹に当たってる。

 夢かと疑うようなエロい光景だけど、紛れもなく現実だ。

 『なにやってるの?』そう聞こうとする前に、あまりにエロい光景のせいと何より気持ち良すぎる直哉のお尻のせいであっという間に限界が来る。

「ああっ♡直哉っ♡出ちゃうっ♡出ちゃうから止めてっ♡♡♡」

「出せっ♡にーちゃんのザーメン『オナホ』の中に出せよっ♡♡♡」

 限界を訴えても直哉は腰を止めてくれるどころか、逆に動きを早くする。

「うああっ♡イクッ♡♡『オナホ』の中にイッちゃうっ♡♡♡あううううっ♡♡♡♡♡」

 ただでさえ限界を超えていたペニスは、激しくなった動きに一切耐えられずに大きく震えて直哉の中に精液を吐き出した。

 僕の精液を吸い尽くすように蠕動する直哉のお尻の中に精液を打ち込み続ける。
 
「うあっ♡にーちゃんのザーメン♡『オナホ』に出てるっ♡にーちゃんの温かいの『オナホ』の中広がってる♡♡にーちゃん♡オレもイクっ♡イクとこ見てっ♡♡♡イクっ♡イクイクっ♡♡♡♡♡」

 気持ちよさそうによだれを垂らして恍惚の表情で直哉が射精した。

 僕のチンコをお尻に入れた直哉がチンコを震わせてピュクピュクと真っ白な精液を吹き出させてる。

 ……すっげぇエロい……。

 思わず射精の終わったチンコを下から突き上げてしまう。

「うぐっ♡にーちゃんっ♡俺今イッてる♡♡イッてるからぁ♡♡♡」

 僕が下から突き上げる動きに合わせて悶てる直哉が凄いかわいい。

 整った顔が台無しになるほどに淫らに乱れた直哉がエロすぎて……。

 このまま2回戦に突入してしまった。



「えっと、朝のはなんだったんでしょうか……?」

 まだ繋がったままチュッチュとキスしてくる直哉と抱き合って寝転がりながら聞いてみる。

 やることやってしまった――しかも2回も――のでちょっと強く叱ることが出来ない。

 と、とりあえず、状況説明だけはしてもらおう。

「……昨日にーちゃんが好きだって言ってくれたから、なんかたまんなくなっちゃって……」

「え?そんな事……」

「言ったっ!にーちゃん、オレの事好きだって言ったっ!!」

 『言ったっけ?』って言おうとしたら被せられた。

 えーっと…………あー、たしかに言ったわ。

 おぼろげながら、眠気に耐えながらしてた話で言った気がする。

「いや、たしかに言ったけど……あれはね……?」

「言ったっ!」

 また駄々っ子モードに入ってしまっている。

 いや、まあ、これは僕が悪いな。

 男同士の好き嫌いとか……というか、男女のそれもよく分かってない僕が安易に言っていい言葉じゃなかった。

 直哉のことは家族として好きって意味で言ったんだけど……。

 まあ、良いか。

 直哉を好きな……愛していることは間違いないし、直哉の全てを受け入れる覚悟は出来ている。

 直哉がそれが良いというのなら、無理に否定することはない。

「うん、僕も直哉のことが好きだよ。
 でも、にーちゃんいまいちそういうのよく分かんないから変なとこあったら遠慮なく言ってな?」

「にーちゃん……」

 感激した様子の直哉が顔を寄せてくる。

 今日は手も動くし目も見えるので、僕も遠慮なく直哉の唇を奪いに行く。

 直哉の柔らかい唇の感触を堪能しながら、直哉の舌と唾液を思う存分味わう。

 うん、幸せだ。

 ……でも、それはそれとして……。

「で、さっきのあれは?」

「に、にーちゃんは分かんねーだろうけど、恋人同志は先に起きたほうが寝てる恋人を抜いてやんの」

 なるほど。

 流石に嘘だろそれ。

 ジト目で直哉を見つめてたらキスでごまかされた。

 まあ、今は2人とも休みだしいっか。

「それに……にーちゃんのチンコ、もう1回したいって言ってるけど……?」

 あー……バレてた。

 思わずゆるゆると腰動かしちゃってたのバレてた。

 だって、直哉の中入れてるだけで気持ちいいんだもん。

 下半身は正直者でいけない。

「えっと……恋人は朝は3回戦やるものだったりしない?」

 僕の言葉に直哉が満面の笑顔を浮かべる。

「そうだった気がするっ!」

 それじゃ仕方ない、周りの恋人に習って3回戦目を始めよう。

 

 ……新人の恋人たちは4回戦やるものだったらしい。
 



 ――――――



 朝食の時間。

 直哉と僕の関係は、兄弟から恋人に……いや、兄弟に恋人が追加された。

 肩書が増えただけで、僕たちの関係はそれほど変わってないように思える。

「あーん、にーちゃん」

「あーん」

 これも、監禁当初からやってたことで別に恋人になってからやり始めたことじゃない。

 恋人になったことより監禁されたことの方が、僕たちの関係を劇的に変えたはずだ。

 ……それなのになんだろね?

 恋人ってだけでこんな甘々な雰囲気になるのは。

 なんやかんや肩書って……お互いがお互いを恋人だって思ってることって凄いんだなと今更思う。

 世にバカップルがはびこるのも納得だ。

「にーちゃん、俺もあーん」

「はい、あーん」

 直哉からスプーンを受け取って、朝食のオムライスをすくい取って直哉の口の中に放り込む。

 朝の情事の後、結局僕は手枷をハメられなかった。

 その代わり、今の僕の両手首にはいつも手枷として巻かれていた包帯がひと巻きだけ巻かれている。

 これが手枷らしい。

 僕はこの手枷がついている間、自分で手を動かせないらしい。

 ……まあ、さっきの通り直哉の気分次第で簡単に動くようになるみたいだけど。

 相変わらず直哉が何をやりたいのかよく分からないけど、楽しそうだし嬉しそうなので良しとしよう。

 あとは足枷も外してくれれば言うこと無いんだけど、こっちは『まだダメ』らしい。

 なんなんだろね?



 ――――――


 
 
 お昼ごはんも食べ終わって、まったりタイム。

 なお、トイレは相変わらず僕は『出来ない』らしい。

 恥ずかしさにもだいぶ慣れてきたから、まあ良いんだけど、スキを見ては直哉が僕のチンコを舐めようとしてくるのには困ってる。

 流石に汚いと思うんだけど、直哉いわく『汚いから掃除しないと』らしい。

 そうじゃない。

 今、直哉は手足の『動かせない』僕を膝枕しながらスマホをいじってる。

「珍しいね、スマホ持ってくるとか」

 今までは1度も持ち込んだりしてなかったのに。

「んー……モデルの仕事の打ち合わせが来ててさ。
 流石に返さないとまずいから……」

 心ここにあらずという様子で答える直哉。

 相当スマホに集中しちゃってるみたいだ。

 モデルの仕事かぁ……。

 出来れば、そんなの辞めて部活に戻って欲しいんだけどなぁ。

 この件を話すとケンカになるから、時機を見てゆっくりと話してみることにしよう。

 しかし……。

「あの、僕もいい加減スマホ気になるんだけど……」

 さすがに4日も見ていないと気になる。

 メールとか来てて、返事がないのを変だと思われたりしてないだろうか……?

「いや、にーちゃんのスマホ、これまで1回も鳴ってないぞ?
 流石になんか来てたら教えようと思ってたけど、まったくなんにもきてねー」

 直哉が可哀想なものを見る目で見てくる。

 し、仕事が休みになる前は仕事のメール来てたからっ!

 ……結構マジに凹んだ僕を直哉が慌てて慰めてくれる。

「あっ、プリンっ!にーちゃん、プリン好きだろっ!?
 注文しといたから今持ってくるなっ!」

 そう言って慌てた様子で何度から駆け出していく。

 転ばないようになー。

 今日のお昼ごはんは僕の好きなもの4位の唐揚げで、そんなもの作れたのか、そもそもも材料あったのかって驚いた僕に教えてくれたけど、食材はネットスーパーで買っているらしい。

 話には聞いたことあったけど、便利な世の中になったものだ。

 しみじみとそんな事を考えていたら、聞き慣れたLINEの着信音が聞こえる。

 思わずそちらの方を見ると、直哉のスマホが置きっぱなしになっていた。

 しかも、あまりに慌てていたのか画面が開きっぱなしだ。

 見るつもりはなかったんだけど、LINEの通知欄に見慣れた名前があって思わず凝視してしまう。

 『藤崎さん』。

 それは、亡くなった母親の親友の旦那さんの名前で、同時に、僕の会社の社長の名前だ。

 社長と直哉がどうして?

 藤崎さんは色々とお世話になっている人だけど、直哉とはやり取りするほどの仲でもなかったはずだ。

 いや、単に名前が同じなだけの別人かも。

 そう思いながらも、気になってつい表示されている本文も読んでしまう。

 そこには短い一言だけが表示されていた。

 『お兄さんの調子はどうですか?』
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