囚われるなら君がいい 〜イケメンだろうがお仕置きには屈しません〜

1章

8 帰ろう

それからそんなに時間が経たないうちに、戦いは終わった。

カムイくんたちは瞬く間にモンスターたちを殲滅した。

建物の被害と軽い怪我をする人はいたものの大きな被害はなかった。

カムイくんたちが急いで駆けつけてくれたおかげだった。

戦いが終わった後、住民たち、観光に来ていた人たちは協力して建物の修復にあたった。

騎士たちの中には怪我をしていた者もいて、その人たちの手当ても行っていた。

私も自分のできることを探した。

怪我人の手当て、建物修復の人たちのサポートを行なった。

それもひと段落した後、私はカムイくんのいるところへ向かった。

「カムイくん。」

私は話しかけた。

「あっ、リア様。大丈夫でしたか？」

他の兵士たちと話していたカムイくんがこちらに振り向いた。

「私は大丈夫。ありがとう。」

「？リア様を助けるのは当然のことですよ。」

「いや、そのやっぱりカムイ君たちって強いんだね。と思って。」

そういうと、カムイ君は笑った。

「何言ってるんですか。そんな改まって。何かありましたか？」

「いやほんとに、改めてそう思ったってだけ。ところで、何で私がここにいるってわかったの？」

「いちはなの行動パターンはみんななんとなくわかってますから。数人をこの場所に向かわせたところこのような襲撃が起こっていたって話です。リア様が無事で本当によかった。」

私は泣きそうになったが、何とか堪えた。

こんなにも誰かに心配されたのは久しぶりで、なんだかとても嬉しかった。

「カムイくん。」

私は離れていくカムイくんを呼び止めた。

「ありがとう。」

カムイ君は振り向いてにこっ、とした。

「リア様。今日はここに泊まって明日私たちと一緒に帰りましょう。」

「うん。わかった。」


この町の人々はとても親切でその夜はぐっすり眠ることができた。

何か忘れているような気がしたけれど、とても疲れていて何かを考えている溶融はなかった。

おやすみ。



その夜もまた夢を見た。

「本当に。何してるんだよ。」

押し倒される夢だった。

誰だったか分からない。

両手を縛られた。

「あんたがそんなんだから俺らは。」

何人もの筋肉質な男に無茶苦茶にされた。

顔は見えない。

やめてっ。

声を出しているはずなのに声が出ない。

そのまま無理やり。

「はっ。」

目が覚めた。

「リアちゃん。大丈夫ー？すごい汗だよ。なんか悪い夢見ちゃった？」

「あ、うーん。大丈夫だよ。」

「ほんと？昨日はごめんね。私のせいで。カムイ君にもしっかり怒られたので、反省です。」

「いやいや気にしないでよ。私、いちはなちゃんと一緒にいるだけで楽しいから。」

いちはなちゃんの目が潤んでいるのが分かった。

「リアちゃんってば、優しすぎるよー。」

抱きついてきた。

「よしよし。大丈夫だから。」

泣きながら抱きついてきたいちはなちゃんは妹のように感じられた。

「いちはなちゃん。」

私が声をかけるといちはなちゃんは私の顔を見た。

「帰ろっか。」

「うん。」

可愛い。