2 / 6
1話
しおりを挟む
「君がヘルメース神の聖女エルサか?
ふむ、濡羽色の腰まであるストレートの髪は、まあ、魅力的だな。
漆黒の瞳は引き込まれそうな感じがしていい。
透き通るような白磁色の肌は、金になるかもしれん」
何を言っているのでしょう、この軽薄そうな男は。
私の実家の家格は男爵でしかありませんが、フェラード王国の守護神ヘルメース様に聖女に選ばれた事で、ヴィンセント王太子殿下の婚約者に選ばれているのです。
それを商売女のように値踏みするなんて、失礼極まりないです!
「どうだ、リーアム殿。
この女なら負けた金に見合うのではないか?」
ああ、またですか。
また賭け事で負けてきたのですか!
博打の神ヘルメース様を守護神に仰ぐフェラード王家の王太子ともあろう者が、毎度博打で負けて借金を抱えて国に帰ってくるなんて!
あまりに情けなさすぎます。
「ふむ。
確かに見た目は悪くないが、どのような神性をヘルメース神から授かっているかで、値打が変わってくる。
我がスケフィントン王家にも守護神はおられる。
同じ神性を持っていても役には立たん。
銀五千枚は大金だから、厳しく見極めさせてもらうぞ。
我が神と違う神性を持っているのか教えろ」
ああ、今度は相手が悪すぎます。
他の国の王族と博打をして負けるなんて、踏み倒すわけにはいかないです。
守護神の神性によっては、神同士の争いになってしまいます。
しかも負けた額が銀五千枚なんて、今迄の借金のように、私に肩代わりできる金額ではありません。
ですが黙って売られたりはしません!
「待ってください。
それは話がおかしいです。
私は婚約者ではありますが、結婚はしていません。
借金のかたにされる覚えはありません。
どうしても私を借金のかたにするというのなら、婚約は破棄させてもらいます」
「そうはいかないんだ。
我が王家が守護を約束した神は、契約の神ミスラ様。
友情と友愛の守護神でもあられる。
その神のもとに契約したことを破るというのなら、神々の戦いとなる。
それでもいいのかな?」
酷い話です。
本当に友情の仲なのかどうかは、狡知に富み詐術に長けた計略の神でもある、ヘルメース神の神性を授かっている私には分かるのです。
友情に見せかけて、博打好きで愚かなヴィンセント王太子殿下を騙したのです。
ここは能弁と策略の神性を使って、論破し暴き立てないければいけませんね。
「それはしかたがないことでしょう。
神々の争いは神々の事情です。
人間の争いは人間の事情です。
まずは神々に人間の事情をお知らせしなければいけません。
特に、その場におられなかったヘルメース神に対して、この度の賭けが正々堂々と行われたかどうか、お知らせして見極めてもらわなければいけません」
「ほう、それは私がイカサマをやったと言いたいのか?」
「イカサマかどうかは、人間として正すべき程度の事か、神として戦いを始めるほどの事か、明らかにしなければいけません。
それともリーアム殿下にはヘルメース神に知られたくない事情があるのですか!」
ふむ、濡羽色の腰まであるストレートの髪は、まあ、魅力的だな。
漆黒の瞳は引き込まれそうな感じがしていい。
透き通るような白磁色の肌は、金になるかもしれん」
何を言っているのでしょう、この軽薄そうな男は。
私の実家の家格は男爵でしかありませんが、フェラード王国の守護神ヘルメース様に聖女に選ばれた事で、ヴィンセント王太子殿下の婚約者に選ばれているのです。
それを商売女のように値踏みするなんて、失礼極まりないです!
「どうだ、リーアム殿。
この女なら負けた金に見合うのではないか?」
ああ、またですか。
また賭け事で負けてきたのですか!
博打の神ヘルメース様を守護神に仰ぐフェラード王家の王太子ともあろう者が、毎度博打で負けて借金を抱えて国に帰ってくるなんて!
あまりに情けなさすぎます。
「ふむ。
確かに見た目は悪くないが、どのような神性をヘルメース神から授かっているかで、値打が変わってくる。
我がスケフィントン王家にも守護神はおられる。
同じ神性を持っていても役には立たん。
銀五千枚は大金だから、厳しく見極めさせてもらうぞ。
我が神と違う神性を持っているのか教えろ」
ああ、今度は相手が悪すぎます。
他の国の王族と博打をして負けるなんて、踏み倒すわけにはいかないです。
守護神の神性によっては、神同士の争いになってしまいます。
しかも負けた額が銀五千枚なんて、今迄の借金のように、私に肩代わりできる金額ではありません。
ですが黙って売られたりはしません!
「待ってください。
それは話がおかしいです。
私は婚約者ではありますが、結婚はしていません。
借金のかたにされる覚えはありません。
どうしても私を借金のかたにするというのなら、婚約は破棄させてもらいます」
「そうはいかないんだ。
我が王家が守護を約束した神は、契約の神ミスラ様。
友情と友愛の守護神でもあられる。
その神のもとに契約したことを破るというのなら、神々の戦いとなる。
それでもいいのかな?」
酷い話です。
本当に友情の仲なのかどうかは、狡知に富み詐術に長けた計略の神でもある、ヘルメース神の神性を授かっている私には分かるのです。
友情に見せかけて、博打好きで愚かなヴィンセント王太子殿下を騙したのです。
ここは能弁と策略の神性を使って、論破し暴き立てないければいけませんね。
「それはしかたがないことでしょう。
神々の争いは神々の事情です。
人間の争いは人間の事情です。
まずは神々に人間の事情をお知らせしなければいけません。
特に、その場におられなかったヘルメース神に対して、この度の賭けが正々堂々と行われたかどうか、お知らせして見極めてもらわなければいけません」
「ほう、それは私がイカサマをやったと言いたいのか?」
「イカサマかどうかは、人間として正すべき程度の事か、神として戦いを始めるほどの事か、明らかにしなければいけません。
それともリーアム殿下にはヘルメース神に知られたくない事情があるのですか!」
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
私の婚約者でも無いのに、婚約破棄とか何事ですか?
狼狼3
恋愛
「お前のような冷たくて愛想の無い女などと結婚出来るものか。もうお前とは絶交……そして、婚約破棄だ。じゃあな、グラッセマロン。」
「いやいや。私もう結婚してますし、貴方誰ですか?」
「俺を知らないだと………?冗談はよしてくれ。お前の愛するカーナトリエだぞ?」
「知らないですよ。……もしかして、夫の友達ですか?夫が帰ってくるまで家使いますか?……」
「だから、お前の夫が俺だって──」
少しずつ日差しが強くなっている頃。
昼食を作ろうと材料を買いに行こうとしたら、婚約者と名乗る人が居ました。
……誰コイツ。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました
歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と
罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが
やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、
エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」
辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。
商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。
元夫が「戻ってこい」と泣きつくが——
「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる