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第7話王都の現状
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「キャアアアアア!
露出狂よ!
変質者よ!
誰か警備兵を呼んできて!」
早朝早々、街の夜間警備が解かれ、みなが日常を始めようと大通りに出る時間、一人の女中が店の前に埃が立たないように水を撒こうと外にでた。
大通りの真ん中、彼女の眼の前に、犬のように盛る真っ裸の男女がいた。
あまり衝撃的な光景に、一瞬固まってしまった女中だが、直ぐに町中に聞こえるような悲鳴をあげて、助けを呼んだ。
「なにをしているか!
離れろ!
離れないか、この色情狂!」
「やかましい!
私の大切な愛の営みを邪魔するな!
私を誰だと思っているのだ。
私はこの国の王太子チャールズなるぞ!
王家の繁栄のための子作りを邪魔すれば、オリビアのように不敬罪で国外追放にしてくれるぞ!」
「そうよ、そうよ、そうよ。
これは王家繁栄のために必要な、大切な愛の営みなのよ。
そして私はチャールズ王太子殿下に選ばれた、アバコーン侯爵家令嬢のミレイナ。
子供を宿せば、将来は王妃になるのよ。
それを見学できる栄誉を感謝しなさい」
警備兵は全く信じなかった。
どこの誰が、王太子と侯爵家の令嬢が道の真ん中で情交していると思うだろうか。
だから盛りのついた犬と同じ扱いをした。
井戸から汲んできた冷水を浴びせて、その場で警備棒を使って打ち据えた。
「ぎゃあ!
痛い!
痛いではないか!
ぎゃあああ!
止めろ、止めんか、この下郎!
ぎゃああああ!
おのれ、おのれ、おのれ!
ぎゃあああああああ!
もう許さん!
近衛兵を呼べ!
ぎゃあ!
将軍を呼べ!
ぎゃあ!
ぬっ、ぬけん!
ぎゃあああああああ!」
「いい加減にしろ、この色情狂!
もうやめろと言っているだろうが!
誰もお前らのような狂人の痴態など見たくないだ!
そんなに人様に披露したいのなら、特殊な趣味のあるお貴族様にでも見て貰え!
……とくしゅなしゅみの、おきぞくさま……」
警備兵の頭に不敬な、でも警備兵の間で面白可笑しく広まっていた噂がよぎった。
警備兵の血が一気に頭から足に引いた。
警部兵の顔が真っ青になり、全身が震えだしていた。
今まで警備兵と一緒に笑っていた民も、一瞬で顔色を変えていた。
そこに計ったように総警備隊長が巡視に現れた。
今まで一度も現場に来たことのない総警備隊長が、なぜ現れたのだろうか?
「なんだ!
いったい何をやっておるのだ!
どけ、どかぬか!
で、で、で、でんかぁあああああ!
チャールズ王太子殿下ぁああああ!
お前は何をやっておるかぁあ!
事もあろうにチャールズ王太子殿下に水をかけて打ち据えるなど、処刑されてもおかしくないのだぞ!
直ぐに警備本部にお連れするのだ!」
守護獣による復讐が始まった。
露出狂よ!
変質者よ!
誰か警備兵を呼んできて!」
早朝早々、街の夜間警備が解かれ、みなが日常を始めようと大通りに出る時間、一人の女中が店の前に埃が立たないように水を撒こうと外にでた。
大通りの真ん中、彼女の眼の前に、犬のように盛る真っ裸の男女がいた。
あまり衝撃的な光景に、一瞬固まってしまった女中だが、直ぐに町中に聞こえるような悲鳴をあげて、助けを呼んだ。
「なにをしているか!
離れろ!
離れないか、この色情狂!」
「やかましい!
私の大切な愛の営みを邪魔するな!
私を誰だと思っているのだ。
私はこの国の王太子チャールズなるぞ!
王家の繁栄のための子作りを邪魔すれば、オリビアのように不敬罪で国外追放にしてくれるぞ!」
「そうよ、そうよ、そうよ。
これは王家繁栄のために必要な、大切な愛の営みなのよ。
そして私はチャールズ王太子殿下に選ばれた、アバコーン侯爵家令嬢のミレイナ。
子供を宿せば、将来は王妃になるのよ。
それを見学できる栄誉を感謝しなさい」
警備兵は全く信じなかった。
どこの誰が、王太子と侯爵家の令嬢が道の真ん中で情交していると思うだろうか。
だから盛りのついた犬と同じ扱いをした。
井戸から汲んできた冷水を浴びせて、その場で警備棒を使って打ち据えた。
「ぎゃあ!
痛い!
痛いではないか!
ぎゃあああ!
止めろ、止めんか、この下郎!
ぎゃああああ!
おのれ、おのれ、おのれ!
ぎゃあああああああ!
もう許さん!
近衛兵を呼べ!
ぎゃあ!
将軍を呼べ!
ぎゃあ!
ぬっ、ぬけん!
ぎゃあああああああ!」
「いい加減にしろ、この色情狂!
もうやめろと言っているだろうが!
誰もお前らのような狂人の痴態など見たくないだ!
そんなに人様に披露したいのなら、特殊な趣味のあるお貴族様にでも見て貰え!
……とくしゅなしゅみの、おきぞくさま……」
警備兵の頭に不敬な、でも警備兵の間で面白可笑しく広まっていた噂がよぎった。
警備兵の血が一気に頭から足に引いた。
警部兵の顔が真っ青になり、全身が震えだしていた。
今まで警備兵と一緒に笑っていた民も、一瞬で顔色を変えていた。
そこに計ったように総警備隊長が巡視に現れた。
今まで一度も現場に来たことのない総警備隊長が、なぜ現れたのだろうか?
「なんだ!
いったい何をやっておるのだ!
どけ、どかぬか!
で、で、で、でんかぁあああああ!
チャールズ王太子殿下ぁああああ!
お前は何をやっておるかぁあ!
事もあろうにチャールズ王太子殿下に水をかけて打ち据えるなど、処刑されてもおかしくないのだぞ!
直ぐに警備本部にお連れするのだ!」
守護獣による復讐が始まった。
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