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多摩編
冒険者達の収穫・冒険者貸与用汎用魔法袋・襲撃・迎撃・追撃・草刈り・自決・
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『冒険者達の収穫』
「尊様・彩様、仕官希望の冒険者たちの狩りの成果がまだ確定してないのです。」
「清算は後で構いませんよ、冒険者に死傷者は出てませんか?」
「尊様・彩様がボスを引き付けてくださっていたので、死者は皆無です、慌て者が自爆で怪我したようですが、大した傷では無いようです。」
「それは好かった、参加した冒険者の生活は成り立ちそうですか?」
「はい、10kgから100kgまでの小者魔竜や魔獣が中心ですが、1人平均20kg程度は稼げているようです、日当8800銅貨ならぼろ儲けでしょう。」
確かに、かけそば1杯16銅貨、豆腐1丁が28銅貨の世界だ、何を素に計算するかで大幅に変わってしまうが、俺の感覚では1銅貨50円だろうか? 日当44万なら笑いが止まらないだろう。
「受付殿、冒険者たちの砦と住居は恒常的な物を建設して頂きたい、陪臣士族卒族は約束できないが、領民冒険者として迎える事は忠誠心次第で可能ですから、今からその心算で家を建てた方が無駄が無いい。」
「判りました、そのように申し伝えます。」
『冒険者貸与用汎用魔法袋』
「彩、窯の出来を確認しようか。」
「はい旦那様、今回は黄玉と金剛石でしたね。」
「ああ、上手く魔力化してくれれば好いのだが。」
「凄い大きさですね。」
「うん、魔金剛石は5000カラット、魔黄玉は8000カラットくらいありそうだね。」
「今晩は、魔金剛石と魔晶石を創るよ。」
「はい旦那様。」
「さあ、食事・魔力回復・食事・魔力回復と出来る限り冒険者に貸す汎用魔法袋を創ろう。」
「はい旦那様。」
「汎用魔法袋は、岩砲弾用と岩弾丸用を除いて5トン以下は貸与しよう、彩には俺の100トンを1つ貸すよ。」
俺と彩は4度の晩飯と3度の魔力回復を行い、俺は200トン1個、彩は1トン10個の汎用魔法袋を創った。端数の魔力は魔晶石への充魔に使った。
『襲撃』
冒険者のテントに近づく黒装束の者達がいた。彼らは身振りで意思の疎通を行い、僅かな音も気配もさせずにテントに忍び寄っていく。星明りですら光らないように黒く塗潰された鎧通しを懐から取り出し、見張りの死角から近づいて行った。
「う!」
刺し殺した見張りが倒れる音をさせないように、刺し殺した見張りを優しく抱き亡骸を地面に寝かせる。決して喉首や肺を刺して、空気が漏れる音を出すようなへまはしなかった。
「・・・・・・・」
忍び寄った黒装束によって次々と見張りが殺されていく。最外縁に仕掛けられていた鳴子は全く役に立たなかった。黒装束は見張りに密かに忍び寄り、口を濡れた布で押さえ、心臓を一撃で刺し貫いていく。昼の狩りが大成功し、浮かて密かに酒を飲んでいた見張りを殺すのは容易かった、黒装束は入念に下調べし、草(潜入密偵)の冒険者に一番油断している拠点を報告させた上に、見張りが油断するよう誘導させ酒を勧めさせた。
草は今後の事も有り、襲撃には加わらず、アリバイ作りに早めに酔いつぶれた演技で寝たふりをして、予め襲撃犯と打ち合わせた安全なテントで様子をうかがっていた。襲撃隊の黒装束は、狩りの成果を入れた汎用魔法袋を持つ魔法使い達のテントに近くで一旦歩みを止めた。
『迎撃』
黒装束達は、魔術師達が就寝してると報告を受けた連結大型テントを、四方から同時に襲撃すべく息を合わせた、襲撃陣は前衛・中衛・後衛の三段構え、前衛が突撃しようとしたその瞬間、暗闇が一気に明るくなり前衛は意識を失った。
その場に倒れ伏した黒装束達の体には、焦げた穴や切り裂かれた傷がついていた。それは明らかに魔法による迎撃だった。
黒装束達が地に臥してから瞬(まば)きするほどの間しか置かず、連結大型テントから剣と槍を持った冒険者が飛び出してきた。灯り魔法で視力を奪われた黒装束の中衛は、次々と迎撃冒険者に打ち取られていった。
黒装束の後衛は背中を向けて逃げ出した、それに対して、冒険者戦士達の後から飛び出した魔法使いが火炎魔法と風魔法で追い打ちをかけた。明らかな待ち伏せだった、だが何故襲撃を事前に察知する事が出来たのだろうか? 鳴子はピクリとも音を立てなかったし、見張りも何の抵抗も警告を発する事なく地に臥した。しかしそのような詮索は黒装束には無用だった、今はただ生き延びる事だけ、背後の殺気を感じつつ、一瞬一秒でも早く安全圏に逃げ切るべく駆けていた。
1人また1人と遠距離魔法を叩き付けられて、逃げ出した黒装束も地に臥していく。果たして何人が逃げ切れるだろう。
『追撃』
「皆、追撃だ。」
『おう~』
「りょうと殿、我らは?」
「魔力持ちはテントで獲物を死守、草に注意。」
『了解。』
「者ども、陪臣に成るチャンスだぞ! 生け捕れ。」
「やってやるぜ!」
魔力を持った冒険者は連結大型テントを守備して、昼に狩った魔竜・魔獣・獣を守り、魔力の無い冒険者パーティーは追撃班となった。
「あすか殿、好く襲撃が判りましたね」
「ああ、りょうとがね、尊様と彩様の足を引っ張りたい貴族や士族は多いだろうし、どうせ邪魔するなら獲物の横取りを画策する、でも国軍の端くれでも有る奴隷冒険者を襲えば黒磯殿の二の舞、ならば、残るはここ冒険者臨時駐屯所だろうて言ってね。」
「なるほど。」
「じゃ、私たちは自分の仕事をしようか。」
「はい。」
『草刈り』
「気取られるんじゃないよ。」
『はい。』
あすか・みどり・かえでの3人は、麻痺使いの初級下魔術師と睡魔使いの初級下魔術師と共に、草と思われる冒険者のテントを囲んだ。2人の魔術師は躊躇することなく、麻痺と睡魔の魔法を発動させた。
「どうだい?」
「かかりました。」
「じゃ、あたし達が突入する、支援宜しく。」
3人は細心の注意を払って突入、草は二重の魔法で前後不覚となっていた。
「よし、自殺できないように頼んだよ。」
『はい。』
「上手くすれば世襲陪臣だよ!」
『自決』
りょうと、くまきち、とらおの3人は手槍を手に黒装束を追撃した。魔法使いの攻撃で手傷を負った黒装束は、何時もの速さが無く徐々に追いつかれてきた。捕まって自白させられれば、故郷の家族が拷問の上で殺される。ならば最後の意地を見せて1人でも2人でも殺したい! 振り返り様手裏剣を連投する!先頭の冒険者は4つの手裏剣を全て叩き落した。しかし、5投目が目潰しであったため、目潰しを叩き落した先頭の冒険者は視力を失った。
(よし)
糞! 左右から2人の冒険者が回り込んできた!
2人が停まった?
手裏剣? 投げ矢?!
糞、弓矢ならつがえる間に逃げる心算だったのに!
左右の足を同時に2人で狙ってっ来るとは!
左の矢は足捌きで外す、右の矢は刀で叩き落す!
早い! 二投目の左の矢は避けきれず太腿に突き刺さる。
右の2投目は刀で叩き落す。
左3投目が又太腿に突き刺さる!!
これまでか、捕まれば魔法で自白させられる、拷問には耐えれても魔法の尋問や、魔法で記憶を探られたらどうにもならん。
もはやこれまで! 黒装束は自らの刀で頚を掻き切った!!!
「尊様・彩様、仕官希望の冒険者たちの狩りの成果がまだ確定してないのです。」
「清算は後で構いませんよ、冒険者に死傷者は出てませんか?」
「尊様・彩様がボスを引き付けてくださっていたので、死者は皆無です、慌て者が自爆で怪我したようですが、大した傷では無いようです。」
「それは好かった、参加した冒険者の生活は成り立ちそうですか?」
「はい、10kgから100kgまでの小者魔竜や魔獣が中心ですが、1人平均20kg程度は稼げているようです、日当8800銅貨ならぼろ儲けでしょう。」
確かに、かけそば1杯16銅貨、豆腐1丁が28銅貨の世界だ、何を素に計算するかで大幅に変わってしまうが、俺の感覚では1銅貨50円だろうか? 日当44万なら笑いが止まらないだろう。
「受付殿、冒険者たちの砦と住居は恒常的な物を建設して頂きたい、陪臣士族卒族は約束できないが、領民冒険者として迎える事は忠誠心次第で可能ですから、今からその心算で家を建てた方が無駄が無いい。」
「判りました、そのように申し伝えます。」
『冒険者貸与用汎用魔法袋』
「彩、窯の出来を確認しようか。」
「はい旦那様、今回は黄玉と金剛石でしたね。」
「ああ、上手く魔力化してくれれば好いのだが。」
「凄い大きさですね。」
「うん、魔金剛石は5000カラット、魔黄玉は8000カラットくらいありそうだね。」
「今晩は、魔金剛石と魔晶石を創るよ。」
「はい旦那様。」
「さあ、食事・魔力回復・食事・魔力回復と出来る限り冒険者に貸す汎用魔法袋を創ろう。」
「はい旦那様。」
「汎用魔法袋は、岩砲弾用と岩弾丸用を除いて5トン以下は貸与しよう、彩には俺の100トンを1つ貸すよ。」
俺と彩は4度の晩飯と3度の魔力回復を行い、俺は200トン1個、彩は1トン10個の汎用魔法袋を創った。端数の魔力は魔晶石への充魔に使った。
『襲撃』
冒険者のテントに近づく黒装束の者達がいた。彼らは身振りで意思の疎通を行い、僅かな音も気配もさせずにテントに忍び寄っていく。星明りですら光らないように黒く塗潰された鎧通しを懐から取り出し、見張りの死角から近づいて行った。
「う!」
刺し殺した見張りが倒れる音をさせないように、刺し殺した見張りを優しく抱き亡骸を地面に寝かせる。決して喉首や肺を刺して、空気が漏れる音を出すようなへまはしなかった。
「・・・・・・・」
忍び寄った黒装束によって次々と見張りが殺されていく。最外縁に仕掛けられていた鳴子は全く役に立たなかった。黒装束は見張りに密かに忍び寄り、口を濡れた布で押さえ、心臓を一撃で刺し貫いていく。昼の狩りが大成功し、浮かて密かに酒を飲んでいた見張りを殺すのは容易かった、黒装束は入念に下調べし、草(潜入密偵)の冒険者に一番油断している拠点を報告させた上に、見張りが油断するよう誘導させ酒を勧めさせた。
草は今後の事も有り、襲撃には加わらず、アリバイ作りに早めに酔いつぶれた演技で寝たふりをして、予め襲撃犯と打ち合わせた安全なテントで様子をうかがっていた。襲撃隊の黒装束は、狩りの成果を入れた汎用魔法袋を持つ魔法使い達のテントに近くで一旦歩みを止めた。
『迎撃』
黒装束達は、魔術師達が就寝してると報告を受けた連結大型テントを、四方から同時に襲撃すべく息を合わせた、襲撃陣は前衛・中衛・後衛の三段構え、前衛が突撃しようとしたその瞬間、暗闇が一気に明るくなり前衛は意識を失った。
その場に倒れ伏した黒装束達の体には、焦げた穴や切り裂かれた傷がついていた。それは明らかに魔法による迎撃だった。
黒装束達が地に臥してから瞬(まば)きするほどの間しか置かず、連結大型テントから剣と槍を持った冒険者が飛び出してきた。灯り魔法で視力を奪われた黒装束の中衛は、次々と迎撃冒険者に打ち取られていった。
黒装束の後衛は背中を向けて逃げ出した、それに対して、冒険者戦士達の後から飛び出した魔法使いが火炎魔法と風魔法で追い打ちをかけた。明らかな待ち伏せだった、だが何故襲撃を事前に察知する事が出来たのだろうか? 鳴子はピクリとも音を立てなかったし、見張りも何の抵抗も警告を発する事なく地に臥した。しかしそのような詮索は黒装束には無用だった、今はただ生き延びる事だけ、背後の殺気を感じつつ、一瞬一秒でも早く安全圏に逃げ切るべく駆けていた。
1人また1人と遠距離魔法を叩き付けられて、逃げ出した黒装束も地に臥していく。果たして何人が逃げ切れるだろう。
『追撃』
「皆、追撃だ。」
『おう~』
「りょうと殿、我らは?」
「魔力持ちはテントで獲物を死守、草に注意。」
『了解。』
「者ども、陪臣に成るチャンスだぞ! 生け捕れ。」
「やってやるぜ!」
魔力を持った冒険者は連結大型テントを守備して、昼に狩った魔竜・魔獣・獣を守り、魔力の無い冒険者パーティーは追撃班となった。
「あすか殿、好く襲撃が判りましたね」
「ああ、りょうとがね、尊様と彩様の足を引っ張りたい貴族や士族は多いだろうし、どうせ邪魔するなら獲物の横取りを画策する、でも国軍の端くれでも有る奴隷冒険者を襲えば黒磯殿の二の舞、ならば、残るはここ冒険者臨時駐屯所だろうて言ってね。」
「なるほど。」
「じゃ、私たちは自分の仕事をしようか。」
「はい。」
『草刈り』
「気取られるんじゃないよ。」
『はい。』
あすか・みどり・かえでの3人は、麻痺使いの初級下魔術師と睡魔使いの初級下魔術師と共に、草と思われる冒険者のテントを囲んだ。2人の魔術師は躊躇することなく、麻痺と睡魔の魔法を発動させた。
「どうだい?」
「かかりました。」
「じゃ、あたし達が突入する、支援宜しく。」
3人は細心の注意を払って突入、草は二重の魔法で前後不覚となっていた。
「よし、自殺できないように頼んだよ。」
『はい。』
「上手くすれば世襲陪臣だよ!」
『自決』
りょうと、くまきち、とらおの3人は手槍を手に黒装束を追撃した。魔法使いの攻撃で手傷を負った黒装束は、何時もの速さが無く徐々に追いつかれてきた。捕まって自白させられれば、故郷の家族が拷問の上で殺される。ならば最後の意地を見せて1人でも2人でも殺したい! 振り返り様手裏剣を連投する!先頭の冒険者は4つの手裏剣を全て叩き落した。しかし、5投目が目潰しであったため、目潰しを叩き落した先頭の冒険者は視力を失った。
(よし)
糞! 左右から2人の冒険者が回り込んできた!
2人が停まった?
手裏剣? 投げ矢?!
糞、弓矢ならつがえる間に逃げる心算だったのに!
左右の足を同時に2人で狙ってっ来るとは!
左の矢は足捌きで外す、右の矢は刀で叩き落す!
早い! 二投目の左の矢は避けきれず太腿に突き刺さる。
右の2投目は刀で叩き落す。
左3投目が又太腿に突き刺さる!!
これまでか、捕まれば魔法で自白させられる、拷問には耐えれても魔法の尋問や、魔法で記憶を探られたらどうにもならん。
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