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第六章

第84話:発見

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 なかなかコボルト族もオーク族も発見する事ができなかった。
 一瞬最悪の状況が心と頭に思い浮かぶが、直ぐに全力で否定する。
 コボルト族とオーク族がそう簡単に滅びる訳がない。
 繰り返し大声で呼びかけながら、大魔境中を探し回る。
 取りあえずオーク族の大集落のあった場所に行かせてみる。

 何かしていないと落ち着かない。
 とりあえず魔法袋の中にあった魔石と魔晶石を全部圧縮強化する。
 養殖している古竜から亜竜までを全部酷使して魔宝石を創り出す。
 有り余る魔力にモノを言わせて古竜から亜竜までを進化強化成長させる。
 やるたびに古竜から亜竜までが強大化していく。
 それと同時に自然にしていても採取できる魔宝石が大きくなる。

 二体目三体目の古代竜級ドペルゲンガーと貸与する圧縮強化魔宝石が完成したので、そのまま走って大魔境に向かわせた。
 一体目の古代竜級ドペルゲンガーの魔力減り方を考えて、走ってて行かせても大丈夫だと判断したからだ。

 そんな事をしている間に、一体目がオーク族大集落のあった場所に辿り着いた。
 だが残念ながらオーク族大集落も完全に破壊されていた。
 オーク族大集落も丁寧に捜索したが、死体などは残っていなかった。
 血痕も残っていなかったので、無駄な抵抗をせずに放棄したのだろう。
 足跡を確認するとオーク族大集落を破壊したのも純血竜の群れだった。

 それほど時間が経ったわけではないのに、一体目の魔法袋は素材で一杯だった。
 使った魔力の補充のために空になった魔石・魔晶石・魔宝石も一杯だ。
 それを全部圧縮強化して魔力を補充するだけで、四体目の古代竜級ドッペルゲンガーが創り出せるほどの量になっていた。
 焦る気持ちを抑えつつ、コボルト族とオーク族を探し続けた。

 その時また不意に自分の不明に思い至った。
 魔宝石を手に入れるために養殖している古竜。
 その古竜から牙や角や爪、鱗や皮を採取できる事をようやく思いついたのだ。
 コボルト族とオーク族が生き残っていると信じるのなら、古竜の牙や角や爪から作った武器と、鱗と革で作った防具を貸し与えれば、最強の戦士隊を創設できる。

 古竜装備のコボルト族戦士隊とオーク族戦士隊が創設できれば、俺が手助けする事無く純血竜の群れ程度なら狩る事が可能だ。
 古竜が相手でも互角に戦える可能性がある。
 その事にようやく思い至ったのだ。

 俺は急いで養殖している古竜の身体を切り刻んだ。
 殺す事なく必要な部位だけ剥ぎ取った。
 古竜が痛みで泣き叫んだが、俺は非常に徹した。
 この世界の神が弱肉強食と言っているのだ、気にしてなどいられない。

 傷つき弱った古竜には有り余る素材を喰わせて回復させた。
 時間を惜しんで古竜素材の武器と防具を創り出した。
 そんな時に一体目の探査範囲にとんでもなく強大なモノを発見した。
 古竜十数頭からなる家族群れを発見したのだ。
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