トラウマを抱えたDKがトイレに入れない話

こじらせた処女

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第二章

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 最近、うちのクラスメイトがおかしい。
「あ、篠田、おはよー」
「おう、はよっす」
 一時期体調を崩していた節はあるけれど、最近は元気にしている。友好関係のもつれは、無さそう。
「…のだー、」
でも、何か違和感がある。
「しのだー、おーい?」
「おわっ、びっくりさせんなよ」
「さっきから呼んでたよ…歴史のノート、持ってってやるって言うのにさ…」
「あー、さんきゅさんきゅー。頼むわ」
「うぃーっす」

 あの日の休み時間、保健室を覗いてみたが、保険の先生しか居なかった。教室に戻ると担任の村山が、時田の荷物を持っているところだった。
「時田な、ちょっと熱が高くてな…次の先生に言っといてくれるか?」
保健室に行っていないのに、どうやって熱を測ったのだろうか。そう不審に思ったけれど、深く追求することは辞めた。実際、次の日からは時田は学校に来て、ここ最近のピリピリした雰囲気を纏っていなかったから、考えるのをやめた。

「おい、時田、ちゃんと水分とったか。水筒は?」
「っ、あ~…忘れた…」
あの日の体育終わりの休み時間のこと。その日はやけに晴れていて、皆飲み物をがぶがぶ飲んでいて、足りないと嘆く声が多かったのを覚えている。
 そんな中、時田一人が何も飲まず、その空間から浮いていた。
「ったくなぁ…ほら、やるから。俺は部活用にデカいの持ってきてるから好きなだけ飲めよ」
「ありがと…」
そういって飲み始めたものの、喉が3回鳴ったのち、すぐにそれを返されてしまった。
「もう良いのか?」
「あ、ああ、さんきゅーな…」
浮かない顔、どこか落ち着かない顔。
飲みすぎたことを申し訳なく思っているだろうか、それともどこか具合が悪かったのだろうか。
 この予想は後者だったと納得した、はずだったんだけど。

(…もしかして)
些細なことだった。
これまたとある日の体育の授業。
いつものように時田に話しかける。
「あれ、時田、また水筒忘れたん?」
「あーそうそう。教室置いてきちゃって」
「俺のいる?」
「いーや、いい。水飲む」
 そういってがぶがぶと水道水を飲み始める。あれ、あの時何で水筒をあげたんだろ…いやいやそれは時田が飲んでなかったからで…でも、あれ?
 彼が急に早退するといった日、何故か学校に戻ってきてて、体操服で。
 授業中連れ出した時の格好も、吐きそうなのだと思ってたけど、あいつ、どこ押さえてた?でも、なんでそうなるまで…あれ?
最後に一緒にトイレに行ってるの見たの、いつだっけ。
 
 
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