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第七章

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「ほら、来い」
「っ、まって、ズボン緩める…」
膝をスリスリさせながら、それでも入るのは怖いのか、のたのたと紐を外す。
「ちんこ、出さなくて良いのか?」
「っ、それはいいっ」
白い顔がみるみるうちに真っ赤になる。「顔ゆでだこみたい。恥ずかしい?」
「…うるさい」
「こっちの方がいい。健康的だ」
「ンっ」
頬に手を添わすと、水分の足りていない肌とすれあう。でも、温かい。
「おいで、ゆっくりで良いから」
「っ、っはぁー…」
 トイレの中に入り、その人物を迎え入れる。緊張した面持ちが、こっちまでうつりそうなくらい、伝わる。
 一歩、タイルの中に俺じゃない靴が踏んだ。
「っひ、っひぃ、」
「ちゅーするか?」
「っ、うう、ん、だい、じょ…ぶ…」
 ひゅう、ひゅう、浅い呼吸をして一歩、一歩進む。
(重症じゃねえか…)
 今にも倒れそうで、焦点が定まらなくて。ズボンの中の手は見えないけれど、白くなるまでソコを握りしめているのだろう。
「っこわい…」
 消え入るような声。便器の前に立った時田は何も言わなくなってしまった。
「っは、ぁ、っは…」
我慢が辛いのだろう。尻がどんどん突き出て、でも怖いのだろう。ぎゅっと目を瞑って、動かない。
「も、やだ、でちゃ…」
ポロリと流れる一筋の涙。もう、見守ることは出来なかった。
「時田」
「んむっ、ん、ん、んふぅ…」
いつもの力の抜けた声。肩、腕、足…ガクンと脱力しているのが抱えていて分かる。いつもより舌が固い。大丈夫の意味を込めて、歯茎の裏側をくすぐる。
「んんんんっ、んぁ、んっんっんっ」
ああそうだ。当初の目的を忘れていた。
じゅ、じゅ…
いやらしい唾液音とは別に聞こえる水音。彼のズボンに手を入れ、彼の手ごとそこに出す。
「ぷはっ…しーしー出来るからな」
「あ、あ、あ…んむっ、」
日に当たらずすっかり白くなった女みたいな手を、スルスルとなで、精器を持たせるように促す。
じょ…じょおおお…
下着を濡らしていた水流は、行くべき場所へと吸い込まれて行く。
「ん、ふぅ、ふむぅっ…」
我慢放尿の快感と、キスの快感が入り混じっているのだろう。足に力が入っていない。支えるのをやめたら今にも崩れてしまいそうなくらいに。
「ぷはっ…っはぁ、っはぁ」
頭が回っていないのだろう。トロンとした目で、口が半開き。
「あほヅラ」
「う、うるしゃい…っは…っはぁ…」
「おしっこ出来たな、えらい」
耳元でそう囁くと、電流が走ったように腰が跳ねる。
「なんか…前よりへいきだった…」
 前は便器の前までも行けなかったから、とはにかんでいる。驚いた。マシと言えるほど、前はもっとやばかったのだと。
「でも、先生のこと、また思い出しちゃう…ねえ」
脳に血流が回り始めたのだろう。また、あの火照った顔が、手が、冷たくなっていく。
「しのだぁ、上書き、して?」
緩く勃ちあがった俺の性器をなぞる人差し指は、白く、そして震えていた。
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