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過去話・後日談・番外編など
温泉旅行 3
しおりを挟む予想していた『お願い』ではあったが、実際総真の口からねだられると雅臣は顔がカッと熱くなった気がした。
総真の親指がゆっくりと口から抜き取られたあと、雅臣は目を泳がせながらおずおずと言う。
「…………い、いいけど……」
「え? 嫌がらねぇの?」
「だ、だって……いつもお前は俺にしてくれるし……俺もした方がいいのかなーって前々から思ってたっていうか……」
「なーんだ。じゃあ『お願い』は別のにするか」
「ッダ、ダメ! 男に二言はなしだろっ!」
これでさらに過激な『お願い』をされたらたまったもんじゃない。雅臣は総真の体を押し返し、半ば無理やり体を起こした。
「や、やるから、そこ座って」
「本当にできんのか~?」
「できるっ!」
雅臣がムッとしながら言い返すと、総真はケラケラと笑いながら敷布団の上へと移動する。
片膝を立てて座った総真は、からかうようにニヤニヤと笑って雅臣を見つめた。
「んで、どうすんだ?」
「……脱がないとできないだろ」
「じゃあ、お前が脱がせてよ」
「もう……」
甘えるように言われ、雅臣は渋々総真の帯に手を伸ばした。
帯がするりと解けると、浴衣の合わせが開き、総真の鍛えられた白い肌が姿を現す。
雅臣はごくりと唾を呑み込み、そのさらに下へと視線を向けた。
「……お前だって、興奮してるじゃん」
「当たり前だろ。お前とエロいことしてて勃たねぇわけねぇよ。ほら、そんなこといいから早く……」
総真に急かされ、雅臣は総真の下着に手を伸ばす。下着の中で膨らんだ性器が今にも飛び出してきそうだった。
雅臣はおそるおそる総真の下着の中に手を入れ、性器を掴む。手の中でドクドクと脈打つ熱の塊に、思わず熱い吐息がもれた。
もう片方の手で下着をずり下げ、とうとう現れた長大な性器に雅臣の背筋はぞくりとする。興奮と恐怖が入り混じった、不思議な感覚だった。
「雅臣、握って見てるだけじゃ気持ちよくなれねぇよ」
「わ、わかってる」
雅臣は体を屈めて、総真の性器に顔を寄せる。
間近で見ると、さらに大きく見えた。運動をしたあとでも、さほど蒸れたにおいは感じない。代わりに、くらくらするような雄の匂いがした。
性器を握ったまま固まった雅臣を見下ろし、総真は口角を上げる。
「ほら、いつも俺がしてやってるみたいに」
「……たぶん、うまくできない」
「それでもいいんだよ。お前が一生懸命俺のちんこしゃぶってるとこが見たいんだから」
「……ばか」
照れ隠しに総真をひと睨みしてから、雅臣はおそるおそる総真の性器に唇を寄せた。
総真がいつもどうやっているかなんて、覚えているはずがない。高められて、乱されて、それどころではないからだ。
しかし、総真の熱いほどに温かなぬかるんだ口内の心地よさは覚えている。その唇の柔らかさや、喉奥で締め付けられる快感も。
覚悟を決めた雅臣は、そっと総真の性器にキスをした。そのまま舌を這わせ、裏筋をツーッと下から上へ舐める。
総真の性器がびくりと震え、ぐっと質量を増した気がした。唇に押し付けられた先端をはむりと咥えると、総真の口から息を呑むような声がもれた。
「っ……ああ、雅臣……すげぇイイ……」
太くて、先端を咥えているだけで苦しい。歯が当たらないようにするので精一杯で、雅臣はすぐにでも口を離してしまいたいくらいだった。
けれど、総真に頭を褒めるように撫でられて、もっと総真を気持ち良くしたいと思う自分もいた。雅臣は鼻で呼吸しながら、ゆっくりと口内へ総真の雄を招く。
「んっ、ん……」
「雅臣、無理しないでいいからな」
「ん……」
舌を這わせ、緩慢な動きで頭を上下させる。総真の性器が長すぎて全部は咥えられないが、それでも喉の突き当たりまで性器を挿れて、出してを繰り返すと、まるで口内を総真に犯されているようだった。
口の中にとろりとしたカウパーの味が広がる。なんとも言えないその味と、頭を動かすたびにぐちゅぐちゅと響く水音に雅臣は自身の腹の奥がきゅうっと収縮するのがわかった。
「んぅ、ふ、うっ……」
「雅臣、こっち見て……そう、すっげぇかわいい。スマホで動画撮っていい?」
「んーっ!」
雅臣が上目遣いで睨むと、総真は苦笑いしながら「わかった、嫌ならしねぇから」と言って、雅臣の髪を優しく撫でた。
「雅臣、もういいよ」
「ん、む……う……?」
雅臣は困惑しつつゆっくりと顔を上げ、口から総真の性器を出した。口が自由になって、ようやくちゃんと呼吸ができた気がする。
雅臣は不安げに眉を下げ、首を傾げた。
「俺、下手くそだった?」
「そうじゃねぇよ。上手だった」
「……口に出してもいいよ?」
「ばか、そういうこと言うな。本当にそうしたくなるだろうが」
言って、総真は雅臣の体を布団に押し倒した。雅臣に組み付いた総真はギラギラとした目をして、唇の端を吊り上げる。
「上の口もいいけど、どうせイクならお前の腹のナカがいい……お前だって、本当は早く腹のナカぐちゃぐちゃにされたいんだろ? さっきから腰揺れてんのエロすぎんだよ」
「し、知らない……」
「無自覚ならもっとエロいだろ」
くつくつと笑いつつ、総真は雅臣の膝裏を掴んで片足を大きく開かせる。
雅臣は顔を赤らめながらも、抵抗はしなかった。総真の言う通り、どうにも腹の奥が切なくてもう我慢できそうになかったのだ。
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